22『007慰めの報酬』.jpg およそ一ヶ月に渡ってオンエアされてきた007シリーズ全22作品一挙放送も、先週で無事に終了しました。いかがだったでしょうか。今回、初めて全ての作品を観たという方もいらっしゃるでしょうし、もちろんこれまでにシリーズ全作を観ていたけれども、ニューマスター版のボンド映画のクオリティーには驚かされた! という方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

 さぁ! 29日(木・祝)からは、いよいよ日本語吹替版48時間一挙放送がスタートします。本当に48時間、ぶっ続けです。このオンエアで使用される吹替版は、かつて2006年にレコーディングされた新録版。もちろん、若山弦蔵さんや広川太一郎さんのお馴染みの名調子を存分に味わうことができます。吹替台本は新たに翻訳されたものになっていますが、過去にテレビの洋画劇場で使用された吹替台本と照らし合わせて、懐かしくて馴染みのある表現やセリフについては旧台本版を採用しています。また、当時はおそらく番組の提供スポンサーの絡みで曲解されていたセリフなども修正。それだけでなく、若山さんも広川さんも現代版ならではの新しい解釈でアテレコに臨まれていますので、新旧織り交ぜながらの"完全版"としてお楽しみ頂けるはずです。

 また、吹替版一挙放送の直前には、これまで12回に渡ってオンエアされてきたミニ特番「ジェームズ・ボンドは永遠に[特別編]」が登場します。この番組にキャスティングされた竹中直人さんやSUGIZOさんをはじめとする各界の"007リスペクター"の皆さんは、本当にどの方も深くボンド映画を愛していらっしゃる方ばかり。番組収録の際には、思いのこもったコメントをカメラの横で聞きながら、思わず何度も胸を熱くさせられました。こんなスペシャルな007特番は、もうこれから登場することはないかもしれません。新たに登場するコメントや映像も盛り込んでの30分拡大版の「特別編」ですので、絶対にチェックをお忘れなく!(「ジェームズ・ボンドは永遠に」スペシャル動画コンテンツもチェック! ⇒詳しくはこちらから

 さて現在、「007/慰めの報酬」に続くシリーズ最新作、「BOND23」こと「007/The Property of a Lady(原題)」(タイトル未定)が目下準備中......だったのですが、つい先日、プロデューサー・チームから「無期限の製作延期を決定した」というコメントが公式に発表されました。このニュース、一瞬にして世界を駆けめぐり、日本でも"「BOND23」がお蔵入り!"などといったセンセーショナルな報道をしていたメディアもありました。いくら何でもお蔵入りというのは有り得ませんが、本来なら来年の11月頃に予定されていた劇場公開というのは、もしかしたら難しいかもしれません。この先、一体どうなるのか。こればかりは神のみぞ知る、というところですが、しかしこういった"007シリーズ存続の危機"を迎えるというのは、実は今回が初めてというわけではありません。ダルトン=ボンドの「007/消されたライセンス」からブロスナン=ボンドの「ゴールデンアイ」までは、なんと6年のブランクがあったほどです。しかし、いつもジェームズ・ボンドはスクリーンに帰ってきました。「BOND23」が無くなる、登場しない、なんていうことは絶対にありません。これからもしばらくは色んなニュースが飛び込んできて、おそらくその度にやきもきさせられそうですが、製作再開のニュースを楽しみに待っていましょう。"ジェームズ・ボンドは永遠に"、です。

 というわけで、長らくお付き合いを頂いていたこの007ブログも今回で最終回。ご愛読、本当にありがとうございました。またいつか、どこかでお会いしましょう。

JAMES BOND WILL RETURN.


「ジェームズ・ボンドは永遠に[特別編]」

4月29日(木・祝) 午後4:30[191ch][無料]



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22『007慰めの報酬』.jpg いよいよ今回の007シリーズ一挙放送も、最後の作品を迎えることになりました。ボンド映画の最新作「007/慰めの報酬」の登場です。前作の「007/カジノ・ロワイヤル」とはうって変わって、オープニング早々からいきなりアクション・シーンの乱れ撃ち。もう あっという間の106分です。クレイグ=ボンドの格好良さにもさらに磨きがかかっていますので、"前作のエンディングから数時間後"というストーリーの設定がちょっと信じられないくらいです。この「007/慰めの報酬」、007シリーズには初登板となるマーク・フォースター監督の手腕がフルに発揮されている、というよりも、これは前作と同様にやはり、プロデューサーであるマイケル・G・ウィルソンとバーバラ・ブロッコリによるボンド映画、という印象が非常に強い作品です。007シリーズの伝統を守り、破り、従来からのボンド・ファンにも目配せをしながらも、時には鮮やかに裏切ることもおくさない。かかんに試行錯誤を繰り返しながら、より高いレベルのボンド映画を生み出そうとする。製作者としてのその真摯な姿勢が画面からにじみ出ています。

 これまでのボンド映画の中でも特にカッティングがシャープでテンポも早く、画面の情報量が格段に多くなっているので何度も繰り返して観たくなる作品に仕上がっていますし、もちろん、イアン・フレミングの原作にリンクするエピソードも盛り込まれています。ここまでシリーズ21作品を残らず全部観てきた! という熱心な方には、思わず「お!」と膝を打つ楽屋オチまで用意されていますので、じっくりとお楽しみ下さい。

 映像、そして音声のクオリティーは予想通り、前作に引き続いて満点級。総じて、かなりフィルムっぽいテイストになっているという印象です。過度な粒状性を感じさせないチューニングもいい。コントラストも充分で、もちろん最新作らしく精細感もしっかりとキープ。暗部もノイジーな印象がまったくなく、非常に安定した仕上がりになっていると思います。オープニングのカーチェイス・シーンでのサラウンドは、もうサブウーファーが吹っ飛んでしまいそうな勢い! 切れ味のあるダイナミックなサウンド・デザインは劇中の随所でたっぷりと堪能することが出来ますが、意外や意外、オペラ「トスカ」の登場シーンも秀逸。これはちょっと鳥肌モノです。

 さぁこれで「007/カジノ・ロワイヤル」から始まった"ボンド・ビギニング譚(たん)"もようやく完結。そして、ジェームズ・ボンドが"真の007"となるまでの物語もこれにて終了。いよいよこれからが本当の新シリーズの幕開け、ということになるのでしょう。というわけで、あとは来週、4月29日(木・祝)からスタートするWOWOW史上初の、そしておそらくこれが最後になるであろう前代未聞の大暴挙(?)、日本語吹替版48時間一挙放送を待つのみとなりました。最終回となる次回のブログでは、日本語吹替版のエピソード、そして「ジェームズ・ボンドは永遠に」のビハインド・ストーリーをご紹介しましょう。


「007/慰めの報酬」
4月25日(日)午後2:30[191ch][HV][5.1][字]
4月28日(水)午後3:15[191ch][HV][5.1][字]
5月1日(土)午後3:00[191ch][HV][5.1][吹]



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21『007カジノロワイヤル』.jpg 偉大なる父であるアルバート・R・ブロッコリがプロデューサーとして、これまで作り上げてきた歴史ある007シリーズの"大いなる幻影"を遂に打ち破り、娘であるバーバラ・ブロッコリとマイケル・G・ウィルソンが満を持して放った、新たなるシリーズの鮮やかな幕開け。文字通り"Everything Or Nothing"、不退転の決意と勇気で敢然とプロデュース・ワークに立ち向かった彼らにまずは最大級の賛辞を送りましょう。この「007/カジノ・ロワイヤル」は、おそらくボンド・ファンにとってはこれまで味わった事がない衝撃と共に、しかしかつてないほどの熱狂をもって迎え入れられるべき傑作です。

 2時間24分という、これまでにない長丁場にもかかわらず、全編まったく無駄のないソリッドでシャープなテイスト。「ゴールデンアイ」を監督した、同じマーティン・キャンベルの作品とは思えないくらいです。やはり脚本に参加したポール・ハギスと、編集を担当している(自身も監督である)スチュワート・ベアードという新しい血の投入が、なにより功を奏しているのでしょう。新旧織り交ぜた全スタッフが持てるすべての力を出し切って完成にこぎ着けた。これはもはや、007シリーズにとってはほとんど奇跡に近いことかもしれません。

 もちろん、6代目ボンドとして衝撃的なデビューを飾ったダニエル・クレイグの存在も忘れるわけにはいきません。6代目のボンドとは言っても、おそらくは歴代のボンドと彼を比較してしまうこと自体がナンセンス。初めて目の当たりすることになるジェームズ・ボンドです。言わば、彼が"初代"。ボンド役に抜てきされて以来、多くのバッシングにもめげずここまでボンドを演じ通した精神力、肉体を酷使して撮影に挑んだその姿勢は賞賛に値します。実は、誰よりもこんなボンドの姿を観たかったのは、映画ファンや熱狂的なボンド・ファンではなく、他でもない、これまで007シリーズを作り続けてきたプロデュース・チームなのではないでしょうか。まさに、カジノ・ロワイヤルで繰り広げられる大勝負以上の賭けに出たプロデューサーのマイケルとバーバラ。その勝負強さに、ギャンブルが好きだった父親のアルバート・R・ブロッコリも、草葉の陰できっと苦笑いをしている事でしょう。

 ハイビジョンのクオリティーも、もう寸分の隙もないほど完ぺき。フィルムの質感とハイビジョンらしい鮮鋭感と精細感が高いコントラストを伴ってバランスよくまとめられています。フィルムの粒状感も含め、映画館で上映されていた絵のトーンを巧みに再現。劇場のスクリーンがそのままぎゅっと高密度で凝縮されたような見事なテイスト。これはもうまさにフィルムそのものですね。サラウンドも絶好調! アクションシーンではサブウーファーの切れ味が良く、視聴位置を取り囲む包囲感や移動感もひたすらにエネルギッシュです。続く「007/慰めの報酬」はこの作品の続編。従来のボンド映画のように一話完結ではなく、エンディングから数時間後という設定でスタートしますので、併せて、続けて、一挙に、お楽しみ下さい。


「007/カジノ・ロワイヤル」
4月25日(日)午後0:00[191ch][HV][5.1][字]
4月28日(水)午後0:45[191ch][HV][5.1][字]
5月1日(土)午後0:30[191ch][HV][5.1][吹]



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20『007ダイアナザーデイ』.jpg 5代目ボンドとしてさっそうと登場、「ゴールデンアイ」から数えること第4作目にあたる本作で、007シリーズから退くことになったピアース・ブロスナン。ボンド襲名と共に世界中でビッグ・ヒットを記録してきた彼の主演したボンド映画の中でも、最も荒唐無稽(むけい)で劇画チックな展開が持ち味となっているのが、この「007/ダイ・アナザー・デイ」です。

 007シリーズがスタートしてから40周年、しかも第20作目の記念碑的作品ということもあって、今まで以上に、これまで製作されてきたボンド映画に対するオマージュや楽屋オチがいたるところに隠されており、シリーズにとってはまさにアニバーサリー的な性格を色濃く持ち合わせています。今回の007シリーズ一挙放送で、「007/ドクター・ノオ」からこれまで全ての作品をもらさずにチェックしている方であれば、この作品の持っている面白さを、よりたっぷりと堪能することが出来るはずです。

 例えば、ボンド・ガールのジンクスを演じるハリー・ベリーや敵役のグレーヴスが初めてその姿を現すシーン。どこかで同じようなシチュエーションの作品を観たような記憶がありませんか? また、ボンドが"Q"の元を訪れるシークエンスでは、懐かしい秘密兵器の数々が画面狭しと登場し、思わずニヤリとさせられるはずです。そして、ボンド・カーのアストン・マーティン ヴァンキッシュに搭載されている秘密兵器、ボタンを押すと助手席のシートが飛び出す! というのも、これはもうどのボンド映画に登場していたか、すぐにおわかりでしょう。

 中でも忘れてはならないのが、この作品でようやく実現することになった、ボンドとマネー・ペニーの熱烈な......。これも是非本編で楽しんでください。他にも「おや? これはもしかして?」と、ピンとくる楽屋オチがいくつもありますので、そういったポイントを探しながら観てみるのも一興でしょう。ちょっとしたトリヴィアになりますが、ボンドの乗る飛行機に搭乗しているキャビン・アテンダントは、3代目のジェームズ・ボンドを演じたロジャー・ムーアの娘さんです。遊び心がたっぷりですね。

 これまで20作を数えるほどの作品を生み出してきた007シリーズも、ここでひと休み。この作品を最後に、これまでのボンド映画はいわば"クラシック・シリーズ"として完結。ご存知のように、次回作の「007/カジノ・ロワイヤル」からはボンドも替わり、併せてこれまでの毎回のお楽しみであったマネー・ペニーやQもその姿を消してしまいました。ジェームズ・ボンドの役柄の設定なども新しくリニューアルされて、まさに"新シリーズ"として生まれ変わることになります。シリーズ最新作「007/慰めの報酬」のスピード感たっぷりで切れ味の鋭い、ソリッドで現代的なボンド映画ももちろん魅力的なのですが、これまでの"クラシック・シリーズ"でしか味わえない、これぞ007シリーズ! という世界も間違いなくあります。その集大成となるのがこの「007/ダイ・アナザー・デイ」です。肩の力を抜いて、心おきなくお楽しみ下さい。


「007/ダイ・アナザー・デイ」
4月24日(土)午後2:20[191ch][HV][5.1][字]
4月27日(火)午後0:45[191ch][HV][5.1][字]
5月1日(土)午前10:05[191ch][HV][5.1][吹]



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19『007ワールド・イズ・ノット・イナフ』.jpg 目にも鮮やかなニュー・マスター版で堪能するブロスナン=ボンドの活躍。熱狂的なボンド・ファンの方々はもちろんのこと、今回初めてご覧になっている映画ファンのみなさんも、きっと存分に楽しんでいらっしゃることでしょう。東西冷戦構造が崩壊した後、激変した時代を活写した「ゴールデンアイ」、そういった新しい時代の流れを突き抜けたところで、躍動感のみなぎるアクション映画に徹した「トゥモロー・ネバー・ダイ」。そして、シリーズでは「女王陛下の007」以来と言ってしまって決しても過言ではないラブ・ストーリーに仕上がっているのが、この「ワールド・イズ・ノット・イナフ」です。

 物語の主軸は、ボンドの前に姿を現したエレクトラ・キングという女性を巡って進んでいきます。演じるのはソフィー・マルソー。アイドル女優から、すっかり演技派へと成長した彼女がこの複雑なプロフィールを持つボンド・ガールを見事に演じきります。「女王陛下の007」をご覧になっていれば、ボンドが唯一愛したただひとりの妻、トレーシーの持つ面影と、エレクトラの表情が、どこかだぶっているようにも見えるかもしれません。そういったところに注目しながら観てみるのも、きっと面白いでしょう。

 また、忘れてはならないのが、ボンド映画ではお馴染みのブースロイド少佐こと、"Q"。実はこの作品が、彼の最後の出演作となってしまいました。これまで、この"Q"を演じ続けてきたデズモンド・リュウェリンが、本作の撮影後、不慮の事故で亡くなってしまったのです。まるでこの作品が最後になってしまうことを予感していたかのような登場シーンに、思わず目頭が熱くなってしまう方もきっと多いのではないでしょうか。映画では"R"が彼のあとを継いで、次の作品になる「007/ダイ・アナザー・デイ」では二代目として姿を現しますが、残念ながらダニエル・クレイグの6代目ボンド襲名と共に、この"Q"もシリーズから姿を消してしまいました。ボンドと"Q"の、007シリーズならではのどこかトボケたやりとり。そんな微笑ましいシーンがまたスクリーンに復活するのを楽しみにしていたいですね。

 もちろん、この作品も今回のオンエアではニュー・マスター版が登場。しかしここまで近作になると、もはや新マスター版と旧マスター版との差もほとんど感じられないほど、既にクオリティーとしては完成の域に達しています。とはいっても、やはりニュー・マスター版の方が、より落ち着きのある画調で絵の見通しがアップし、ハイビジョン映像としてのクオリティーにストレスを感じることはありません。また、サラウンドの再現力も充分に緻密(ちみつ)で、迫力のあるものに仕上がっています。特に、プレタイトルアクションでのサウンドエフェクトの瞬発力や移動感たっぷりのサウンドデザインはお見事! これほど放送版のクオリティーも高くなってくると、ディスク版との見分けもパッと見ただけではつき難くなってしまうかも!?


「ワールド・イズ・ノット・イナフ」
4月24日(土)午後0:00[191ch][HV][5.1][字]
4月26日(月)午後0:45[191ch][HV][5.1][字]
5月1日(土)午前7:45[191ch][HV][5.1][吹]



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