前回からあっという間に1ヶ月が経ってしまいました。気がつけば夏もすっかり本番、というか日本全土が猛暑地獄になっています。なので映画館や自宅で涼しくしてお過ごし下さい。
先日、日本でも発売となったBDソフト「マッドマックス トリロジー」ですが、最も好きな『マッドマックス2』のオープニングを見て、改めてシネスコの映像効果について感激しました。本作のオープニングは資料映像と前作の抜粋で崩壊した世界の状況を手際よく描いているのですが、ここの部分はモノクロのスタンダード画面で構成されています。その後、本編に入る瞬間からシネスコになるのですが、その時のワイド感がものすごく感じられるんです。ボンネットにはみ出たV8エンジンからズームアウトした時の画面の広がりとその後に続くカーチェイスのスピード感!中3で初公開時に本作に触れた自分はこの瞬間、この映画に惚れ込みました!広大なオーストラリアの果てしない大地で繰り広げられるカーアクションはシネスコだからこそ、語り草になり得たのでしょう。
同様の効果で強烈だったのはローレンス・カスダン監督の『シルバラード』でした。こちらは冒頭、山小屋内で襲撃されるスコット・グレンの場面から始まります。外のカットは一切なし。足音や銃声だけでカメラはひたすら屋内で戦うスコット・グレンにまとわりつきます。その後、敵を全てやっつけ、外に出るグレンの後ろ姿をカメラは追うように付いていくのですが、薄暗い山小屋の中から外の広大な西部が左右に広がっていき、“これは映画なんだ!”という作り手のメッセージがビンビン伝わってきました。西部劇マニアだった父親なんて、当時、トリミングのビデオで見て大感激していたくらいです。最近の作品もシネスコサイズを積極的に採用していますが、せっかくこのサイズを使うなら、それをより生かした画作りに挑んでもらいたいなと思う次第です。
そして今回はお知らせが一件あります。この度、WOWOWによるフェイスブックサイト、「シネコミ!by WOWOWシネマ」がオープンしました。こちらでは様々なWOWOWスタッフが映画についてコメントを掲載しております。何を隠そう自分も書いているので、是非、こちらもご覧頂ければと思います。フェイスブックなので、コメントによるご意見も大募集しております。本文と関係なくても番組に対するコメントなどを頂ければ、直接私の方で回答することも可能です。もちろん「いいね!」もお待ちしています。どうぞよろしく!(飯塚克味)
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