#18 『渇いた牙』 (クリミナル・マインド9)

2015/05/19

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■死因は恐水症
ウィスコンシン州ミルウォーキー郊外の森林公園で、部分的に埋められた3体の遺体が発見された。男性2人、女性1人で、腐敗が進んでおり、死亡時期はばらばら。死因もわからないうえに全身に噛み痕があった。人種も年齢も性別もばらばらで、被害者同士に接点もない。噛み痕は死後に森の動物につけられたものが大半だが、しかし、最初の被害者には動物、後の2人には人間によって、生前につけられた噛み痕があった。手口の特殊性と、犯行の間隔から、犯人は既に次の被害者を監禁していると考えられた。やがて最初の被害者である運転手のメルヴィン・ルイスが、10年間、動物管理センターで働いていたことが判明。その話を聞いたリードは、被害者に噛み痕があったのは、カニバリズムでも、噛み付きフェチでもなく、ウィルスに感染させるためだと考える。そして被害者の脳細胞の検査によって、彼らが恐水病に罹患していたことがわかる。

■プロファイル
BAUはここまでの捜査を受けてプロファイルを発表する。「犯人は人口統計から見て、二十代半ばから三十代後半の白人男性。被害者は全て恐水病で死亡しており、先に監禁していた被害者にまず動物から罹患させ、他の被害者を咬ませた。犯人はそれを見て興奮するサディストで、何度も楽しめるようにその様子を撮影している。恐水病はウィルスに感染した患者が発症すると脳を侵され、症状が進むにつれて凶暴になっていく。発症すれば必ず死に至る病で、感染力が強く、犯人にとっても危険な殺害方法だ。それを敢えて手口に選んだのは、誰かを恐水病で失ったからだ。またウィルスは簡単に手に入るものではないので、犯人は動物病院や、害獣駆除の関係者だと考えられる」

■15年前の死
やがて、地理的プロファイルから割り出した犯行エリアで、この1ヶ月に2人の人間が行方不明になっていることが判明する。21歳の大学生クリス・ブライズウッドと、42歳の専業主婦リズ・フォーリーの2人だ。また、ガルシアは過去20年の恐水病の感染者を調べた結果、遺体の遺棄場所に近いウィスコンシン州のトゥーリヴァーズで、15年前に9歳のハンター・カニンガムが恐水症を発症していたことがわかる。しかしハンターは入院から1週間で退院、死亡診断書はなく、その後の彼の履歴も存在しない。ハンターには当時12歳の兄デヴィッドがおり、大人になってからは危険動物の駆除を専門とする業者で働いていた。BAUは自宅に急行するが、デヴィッドは不在で、部屋からは恐水病についての本、さらにクローゼットの奥から恐水症に苦しむ弟のハンターを撮影した映像も発見される。両親はハンターの最期を自宅で看取ろうとしたが、苦しむ息子を見ていられずに安楽死させたのではないか。そして当時12歳の兄デヴィッドは、その弟を見て、心に刻まれた異常な快感を再現している、と分析する。

■さらに被害者が......
さらに25歳の大学院生のラッセル・ホームズが行方不明になっていることが発覚する。そしてその頃、拉致されていた主婦のリズが、監禁場所から自力で脱出。カフェや公園で錯乱状態で暴れているところを保護される、しかし彼女は、既に恐水症を発症しており助かる見込みはなかった。リズの発見場所の近辺の建物の情報を調べたガルシアは、閉鎖した動物シェルターを発見する。捜査陣は現場に急行。モーガンとリードが乱闘の末にデヴィッドを逮捕する。拉致されていた大学院生のラッセルは病院に搬送され、発症前であったためにワクチンによって命をとりとめる。

【格言】
「患者がどんな病気を抱えているかより、どんな人が病気になるかを知る方が重要だ」古代ギリシャのコス島で生まれた医師ヒポクラテス(紀元前460年ごろ-紀元前370年ごろ)言葉。病気や医学を迷信や呪術より切り離し、科学として発展させた医学の祖。
「友情は人生の喜びを何倍にも増やし、苦しみを軽くする」スペインの哲学者・神学者・イエズス会司祭バルタサル・グラシアン(1601年1月8日-1658年12月6日)の言葉。

【ゲストスター】
ラッセル・ホームズは『ウォーキング・デッド』のマーティン役のクリス・コイ。リズは映画『マッド・シティ』や『ウィッシュ・マスター』、ドラマでは『LA大捜査線 マーシャル・ロー』のダナ・ドイル役で知られるタミー・ローレンが演じている。

【恐水病】
狂犬病ウイルスを病原体とするウイルス性の人獣共通感染症で、いまだ、世界中で数万の死者を出している。致死率100%とも言われる。水などを恐れるようになる特徴的な症状があるため、恐水病または恐水症と呼ばれる。感染した動物の咬み傷などから唾液と共にウイルスが伝染する場合が多い。咬傷から侵入した狂犬病ウイルスは、神経系を介して脳神経組織に到達して発病する。感染の速さは日に数ミリから数十ミリと言われ、脳組織に近い部分を噛まれるほど潜伏期間は短い。治療法はなく、ワクチン接種を受けずに発症した場合はほとんど確実に死に至る。北米での人の感染報告は年間数名だが、スカンク、コウモリ、アライグマ、キツネなどの野生動物、犬猫の狂犬病報告は多い。ニューヨーク市内でも毎年数十匹の感染動物が確認されている。日本では過去の病のように扱われているが、2006年にはフィリピン滞在経験のある男性が2人、帰国後発病、死亡した例がある。

【体力検査】
資格更新のために体力検査を求められたリードとガルシア。ミスター・マッスルなモーガンに見つからないよう、ふたりで一緒にこそこそとトレーニングをつづけている。ところがなんと試験当日、試験官の代理で現れたのはなんとモーガンだった! モーガンの試験はまるでブートキャンプ状態。しごきまくられるが、実はふたりとも試験はとうに免除されていることが最後に明かされる。凄惨な事件だっただけに、仲良し3人のユーモラスなエピソードにほっこりさせられますね。



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ライター:三村美衣(みむらみい)
書評家。雑誌「活字倶楽部」、「SFマガジン」、産経新聞などで書評連載中。趣味は仕掛け絵本の蒐集。

コメント(2)

ちょっと怪しげに見えた青年が、実は母親思いの良い奴で、かろうじて助かったのが幸いでした。

今回は、体力テストに楽しませていただきました。リードの短パン姿のダサさといったら格別(笑)モデル出身のマシューは基本的になんでも着こなしてしまうので、ここまでダサく見えるスタイルを探すのは逆に至難のワザだったのだろうな…と推察いたします。リードの衣裳選びはマシューも参加しているようですから、ノリノリであれこれ試着したのでしょうね。

あのストーカー青年が生きてるのには残念です。

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