ニュースルーム/第2シーズンの最近のブログ記事

アメリカ合衆国議会は、上院(元老院)と下院(代議院)の両院から成る二院制を採用しています。上院は各州より2名の議員が選出されることになっているため定数は100。任期は6年で、2年ごとに3分の1の議席が改選されます。下院の定数は435。2年ごとに全議席が改選されます。各州の議員数は人口に応じて配分されるため、最も多いカリフォルニア州では53名、最も少ないアラスカ州、サウスダコタ州、デラウェア州、ノースダコタ州、バーモンド州、モンタナ州、ワイオミング州では1名といったように各州で定員数が異なります。連邦議員選挙は偶数年に行われる決まりなので、4年に一度は大統領選と重なることになります。
2012年、共和党候補のミット・ロムニー氏を破りオバマ大統領が再選されたこの年の連邦議員選挙では、上院は民主党の勝利、下院は共和党の勝利という結果になりました。要するに、上院と下院で異なる党が多数を握る"ねじれ議会"が継続することとなり、オバマ大統領は引き続き難しい舵取りを強いられることとなったのです。昨年、オバマ政権が連邦政府機関の一部閉鎖などに追い込まれたのも、この"ねじれ議会"が大きな要因です。
さて、今年はアメリカ中間選挙の年。上院の3分の1の議席と下院の435議席が改選されます。はたして"ねじれ議会"は解消されるのでしょうか!? 中間選挙の結果は大いに気になるところですが、ドラマ「ニュースルーム」の今後の展開も気になります。第3シーズンに期待しましょう!
日本でも衆議院選挙や参議院選挙当日の夜は選挙特番一色になりますが、もちろんそれはアメリカでも同じこと。大統領選挙当日の夜は、ABC、NBC、CBS、FOX、CNNなどの米主要メディアが選挙特番で開票速報を伝えます。そして、選挙特番に欠かせないのが選挙予測。各メディアは、統計学や経済学、政治学の専門家による選挙デスクを設置し、開票データや出口調査、サンプル調査、期日前投票などの情報を総合し、選挙結果を予測。他局に先がけて当確情報を出そうと火花を散らします。
そんな選挙予測の世界において、前回の2012年の大統領選で全州の結果を的中させた人物がいます。2008年の大統領選でも50州中49州の結果を的中させた、"ビックデータ解析の天才"の異名をとるネイト・シルバーという統計専門家がその人です。彼はニューヨークタイムズの人気ブログの執筆者で、メジャー・リーグ野球選手の統計的評価システムPECOTAを開発したことでも知られる人物。政治専門家たちが多くの予想を外す中、独自の数理的分析手法「シルバー・モデル」で完璧な結果を出し、メディアに衝撃を与えました。2016年の大統領選では、各メディアともシルバー氏のような統計専門家をこぞって選挙デスクに迎え入れることになるかもしれません。ただしその時は、各メディアともショッキングな選挙予測で視聴率を稼ぐという戦法が使えなくなりそうです。
2012年9月11日、エジプトとリビアで大規模の反米デモが発生。在外公館が襲撃を受け、リビアのベンガジにある米国領事館ではクリストファー・スティーブンス駐リビア大使ら4人が殺害されました。この事件のきっかけになったのが、エジプト系アメリカ人であるナクーラ・バスリー・ナクーラが制作した「イノセンス・オブ・ムスリム」という1本の映画です。偶像崇拝を禁止するイスラム教でその姿を描くことが禁じられている預言者ムハンマドを、好色な同性愛者で殺人もいとわない残忍な人物として登場させたのですから、イスラム教徒が「信仰への冒涜」と見なして反発するのは当然のこと。アラビア語に訳されたこの映画の一部が「YouTube」にアップされたのを機に騒ぎが広まり、アメリカ同時多発テロの発生から11年目となる9月11日に大規模な反米デモへと至りました。ただし、リビアの米国領事館への攻撃については、後にアルカイダ系の国際テロ組織による計画的な犯行だったと指摘されています。
なお、この事件当時、アメリカ大統領選は終盤戦を迎えていました。「『イノセンス・オブ・ムスリム』はアラブ寄りのオバマ氏を攻撃するための共和党陣営によるネガティブキャンペーンの一貫」「リビアの米国領事館への攻撃を防げなかったテロ対策の失態から国民の目をそらそうと、オバマ陣営が『イノセンス・オブ・ムスリム』に端を発する暴動を利用した」などという見方もあったとか、なかったとか。いずれにせよ、このイノセンス・オブ・ムスリム」は2012年のアメリカ大統領選にも影響を与えたのです。
アメリカの選挙で必ず争点になるのが「妊娠中絶」。民主党陣営には女性の権利を尊重する中絶容認派(プロチョイス)が多いのに対し、キリスト教的倫理観を重んじる保守系の共和党陣営には、胎児の生命を優先する中絶反対派(プロライフ)が多いという傾向があります。
そんな中、米大統領選の本選挙を控えた2012年8月、米共和党のトッド・エイキン下院議員は、テレビのインタビューでレイプによる妊娠でも中絶を認めない考えを語るにあたり、「まっとうなレイプ(legitimate rape)なら、女性はめったに妊娠しない」と、とんでもない発言をしました。女性は望まぬ妊娠を避けるため、自動的に拒絶反応を起こすというのがエイキン議員の主張ですが、「まっとうなレイプ」という定義がよく分からない上、科学的根拠もなく女性に対し侮辱的な内容。当然、猛烈な批判を浴びることとなりました。
当時の共和党の大統領候補ロムニー氏はこの暴言の火消しにまわり、「エイキン議員の見解には同意しない。レイプ被害者の中絶には反対しない」と声明を発表。対する当時の民主党の大統領候補オバマ氏は、「レイプの種類を分析したり限定したりするのは、国民にも私にも理解しがたい」とエイキン議員の暴言を痛烈に批判し、多くの女性からの賛同と共感の声を集めました。
なお、この「まっとうなレイプ発言」の波紋は、今後のエピソードにも登場しますのでご注目ください。
「フロリダ黒人少年射殺事件」が起きたのは2012年2月26日。自警団員のジョージ・ジマーマンは、パーカーのフードをかぶって歩いていた非武装の17歳の少年、トレイヴォン・マーティンを不審者と判断して911に通報。警察の指示を無視してマーティンを追跡、尋問し、もみ合いの末に彼を射殺しました。ジマーマンは正当防衛を主張し不起訴となりますが、マーティンの両親の訴えや全米各地での抗議行動によりメディアの報道は過熱。司法省や連邦捜査局も捜査に乗り出す事態となり、ジマーマンは第二級殺人罪で起訴されます。そして翌年の2013年7月。裁判で6人の陪審員(全員女性で、5人は白人、1人はヒスパニック系のマイノリティー)は、ジマーマンに「無罪」の評決を下しました。これに対し黒人社会は、人種差別によるヘイトクライムだと猛反発。米国に根強く残る人種差別の問題が改めて浮き彫りになりました。
ドラマの中では、ジマーマンの911への通報記録のマギーによる編集が問題視されましたが、実は米大手ネットワークのNBCが、まさにマギーと同じことをした経緯があります。「不審者は白人か? 黒人か? それともヒスパニックか?」という警察側の質問を省略し、「この男は怪しい。黒人のようだ」とジマーマンが自発的に黒人という言葉を発したかのように放送したのです。これには、人種差別意識をあおる報道だと非難の声が。「フロリダ黒人少年射殺事件」はメディアの対応の問題を浮きぼりにした事件でもあったのです。

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