公の場への露出は大幅に減少したものの、2000年代の音楽シーンにも、確実にマイケル・ジャクソンの気配は存在した。ジャスティン・ティンバーレイクやブリトニー・スピアーズ、ビヨンセといった時代を牽引するポップアイコンの誰もが、マイケルへの賛辞を惜しまなかったからだ。彼らは幼いころからマイケルのパフォーマンスを見て育ち、マイケルの姿に夢を重ねて切磋琢磨した "キング・オブ・ポップの申し子"たち。彼らの言動を入り口にマイケルに興味を持ったり、インターネット動画の普及にともない、過去のマイケルのパフォーマンスに触れて感化された新たな世代にとって、マイケルは『生きる伝説』となったのだ。
2003年11月には、ベストアルバム『ナンバー・ワンズ』をリリース。しかし、この直後に再び性的虐待疑惑で逮捕され、2005年6月に無罪判決が下るまで、『マイケル・ジャクソン裁判』でふたたび世界中のマスコミに追い立てられることとなった。2006年5月には、MTVジャパンが主催する『MTV Video Music Awards Japan』に電撃出席。マイケルが公の場に姿を現したのは裁判以降初めてのこと。日本滞在中には子供たちと児童擁護施設を訪問するなど、ささやかなオフを満喫したほか、人気バラエティ『SMAP×SMAP』にも飛び入り出演。奇しくもこれが、マイケル生前最後のテレビ番組への出演となっている。
シナリオの題材としても思いつかないような、ドラマチックなマイケルの人生。スキャンダル先行で日常が展開し、世間から心を閉ざす日々が続いたが、裁判以降、マイケルは自らをオープンなマインドにシフトしていっている。音楽活動再開に向けても着々と準備が進められていった。2006年12月、マイケルが師と仰いできたジェームス・ブラウンが死去。生前「アメリカに戻ってくることについては心配するなと伝えて欲しい(マイケルは2005年の無罪判決後、中東のバーレーンに移住していた)」とマイケルを気遣っていたJBの言葉にならう形で帰国したマイケルは、ジョージア州で執り行われた告別式に出席。壇上に立ち、JBをおくるスピーチを述べている。
生きながらにしてレジェンドとなったマイケルは、2008年、50歳の誕生日を迎えた。9月には『マイケル・ジャクソン キング・オブ・ポップ』が発売され、世界20ヶ国以上でファン投票が行われ、収録曲を決めるというファン参加型の企画が好評を博した。そして2009年3月5日。マイケルはロンドンにいた。7月から生涯最後の公演(マイケル曰く「ファイナル・カーテン・コールになる」)として、ロンドンのO2アリーナを舞台に『THIS IS IT』と題したツアーを行うことを発表したのだ。50公演分のチケットは、マイケルのパフォーマンスを渇望してやまないファンによって、全公演分が即日完売。伝説の "キング・オブ・ポップ"は、自ら定めたファイナルステージに向けて、本格的なリハーサルを開始したのだった。
Photo:Ima Kuroda / www.HollywoodNewsWire.net
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Happy Birthday, MJ
8月26日(木)からマイケル・ジャクソンの52回目の誕生日である8月29日(日)までの4日間、MJ伝説を追体験する番組を連日放送!
http://www.wowow.co.jp/music/mj/
【ラインナップ】
★音楽「マイケル・ジャクソン HIStoryツアー・イン・ミュンヘン 1997」
8月26日(木) 午後 4:45
★音楽「マイケル・ジャクソン ベストヒッツコレクション」
8月27日(金) 午後 4:30
★音楽「マイケル・ジャクソン デビュー30周年コンサート」
8月27日(金) 午後 5:30
★映画『マイケル・ジャクソン「ゴースト」』
8月28日(土) 午後 5:15
★エクストラ「メイキング・オブ・マイケル・ジャクソン「ゴースト」」
8月28日(土) 午後 5:59
★ 映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』
8月29日(日) 午後 2:30








【コラムのおわり】マイケルが見せたかった"終わりの始まり"
2010/08/26(木)PM08:15
映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』には、自身のキャリアのすべてをかけたツアーに挑む、マイケルの思いや音楽に対する真摯な姿勢、ファンを喜ばせようとするショーマンシップが随所にあふれている。楽曲にアレンジを加える場面はまるでライブセッションのように展開し、それだけで秀逸なパフォーマンスとして楽しむことができる。驚くべきは、クリエイティヴなアイデアの数々が、マイケルの口からまるで魔法のように飛び出してくるところ。「もっとファンキーにいけないかな? まだ物足りないよ。曲のためなんだ。もっとよくなる」。あまりの存在感と成し遂げてきた偉業の大きさから、マイケルを孤高の存在ととらえてしまいがちだが、滑舌のはっきりしたマイケルの言動とその内容に、職人気質にあふれたひとりのアーティストを見ることができる。しかも、彼の目線は常にファンまっしぐら。「ファンには非現実が必要なんだ」。愛するファンとともに、最高のときを共有したい、ファンに最高の体験をしてもらいたい(非現実的体験を通じて日ごろの辛いことなど忘れる時間を味わって欲しい)というマイケルの思いが、至るところから伝わってくる。
今となっては推察の域を出ないが、マイケルは世界が注目するキャリアのフィナーレを自己満足の場とせず、新しい世代に光を当て、バトンをつなぐことも目指していたのではないだろうか。ダンサーのオーディションに立会い、ひとりひとりのパフォーマンスに目を光らせるマイケルの眼光のするどさや肩で足でリズムを刻む背中には、マイケルの本気が垣間見える。また、バンドのリードギターには、オーストラリア出身の若手ギタリスト、オリアンティを起用。彼女のギタープレイの端々から発せられるハードロックへの愛着に、同じくロックを愛してやまないマイケルが共鳴する形で実現した世紀の大抜擢だ。「自分を信じ、全力で頑張れば夢は叶うということをマイケルから教わった」というオリアンティ。2009年初夏に実現したマイケルと若者たちとの出会いは、未来に向けてあらゆる形でエンターテインメントシーンにポジティブな影響をもたらしてくれるはずだ。
自ら歩んできたキャリアに対するけじめと、未来への希望。この2つがステージで結実する日はマイケルの死によって叶わなかったが、そこに至るまでの彼の本気の取り組みを垣間見ることのできる映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』は、マイケルのメッセージを随所に感じることができる映像作品として、大きな役割を果たしてくれている。
2009年6月25日。51歳のバースデーを目前に控え、50年の生涯にピリオドを売ったマイケル。レコード、CDセールスにおける偉業はもちろんのこと、ゴシップの内容もすべてが超人的。スターであるがゆえ、またはスターになったからこそ直面した暗黒史はけしてハッピーなものばかりではないが、今振り返ってみると、マイケル・ジャクソンもまた激動の時代に抗うことができずに翻弄されたひとりの人間だったのではないだろうか。しかし、その卓越した歌唱力と感性、表現力、そして人々の心をつかんで離さないカリスマ性etc...。これらマイケル自身のポテンシャルは、外的要因によりもたらされるものではなく、マイケル・ジャクソンだから成し得たゆるぎないもの。今なおマイケルを支持してやまない人々が魅了されたのも、そんなマイケルの"ゆるぎない部分"にほかならない。
マイケルが永遠の眠りについてから1年。いまだ悲しみに暮れる日もあることかと思う。しかし、彼と同じ時代を生きることができた幸運を、あらためてかみ締めてみる...そんなひと時を楽しむのもステキだし、マイケル・ジャクソンの存在はさらに輝きを増していくのではないだろうか。残された私たちが、前を向いて歩んでいくことこそが、マイケルに対する最高のはなむけになると信じて、MJコラムを結びます。
Photo:Ima Kuroda / www.HollywoodNewsWire.net
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8月26日(木)からマイケル・ジャクソンの52回目の誕生日である8月29日(日)までの4日間、MJ伝説を追体験する番組を連日放送!
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【ラインナップ】
★音楽「マイケル・ジャクソン HIStoryツアー・イン・ミュンヘン 1997」
8月26日(木) 午後 4:45
★音楽「マイケル・ジャクソン ベストヒッツコレクション」
8月27日(金) 午後 4:30
★音楽「マイケル・ジャクソン デビュー30周年コンサート」
8月27日(金) 午後 5:30
★映画『マイケル・ジャクソン「ゴースト」』
8月28日(土) 午後 5:15
★エクストラ「メイキング・オブ・マイケル・ジャクソン「ゴースト」」
8月28日(土) 午後 5:59
★ 映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』
8月29日(日) 午後 2:30