MICHAEL JACKSON FOREVER|WOWOWオンライン

6月25日(金)・26日(土)の2日間、MJ伝説を独占映像で追体験する。 マイケル・ジャクソン フォーエバー:ブログ

MICHAEL JACKSON FOREVER|WOWOWオンライン 6月25日(金)・26日(土)の2日間、MJ伝説を独占映像で追体験する。
マイケル・ジャクソン フォーエバー:ブログ

映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』には、自身のキャリアのすべてをかけたツアーに挑む、マイケルの思いや音楽に対する真摯な姿勢、ファンを喜ばせようとするショーマンシップが随所にあふれている。楽曲にアレンジを加える場面はまるでライブセッションのように展開し、それだけで秀逸なパフォーマンスとして楽しむことができる。驚くべきは、クリエイティヴなアイデアの数々が、マイケルの口からまるで魔法のように飛び出してくるところ。「もっとファンキーにいけないかな? まだ物足りないよ。曲のためなんだ。もっとよくなる」。あまりの存在感と成し遂げてきた偉業の大きさから、マイケルを孤高の存在ととらえてしまいがちだが、滑舌のはっきりしたマイケルの言動とその内容に、職人気質にあふれたひとりのアーティストを見ることができる。しかも、彼の目線は常にファンまっしぐら。「ファンには非現実が必要なんだ」。愛するファンとともに、最高のときを共有したい、ファンに最高の体験をしてもらいたい(非現実的体験を通じて日ごろの辛いことなど忘れる時間を味わって欲しい)というマイケルの思いが、至るところから伝わってくる。

今となっては推察の域を出ないが、マイケルは世界が注目するキャリアのフィナーレを自己満足の場とせず、新しい世代に光を当て、バトンをつなぐことも目指していたのではないだろうか。ダンサーのオーディションに立会い、ひとりひとりのパフォーマンスに目を光らせるマイケルの眼光のするどさや肩で足でリズムを刻む背中には、マイケルの本気が垣間見える。また、バンドのリードギターには、オーストラリア出身の若手ギタリスト、オリアンティを起用。彼女のギタープレイの端々から発せられるハードロックへの愛着に、同じくロックを愛してやまないマイケルが共鳴する形で実現した世紀の大抜擢だ。「自分を信じ、全力で頑張れば夢は叶うということをマイケルから教わった」というオリアンティ。2009年初夏に実現したマイケルと若者たちとの出会いは、未来に向けてあらゆる形でエンターテインメントシーンにポジティブな影響をもたらしてくれるはずだ。

自ら歩んできたキャリアに対するけじめと、未来への希望。この2つがステージで結実する日はマイケルの死によって叶わなかったが、そこに至るまでの彼の本気の取り組みを垣間見ることのできる映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』は、マイケルのメッセージを随所に感じることができる映像作品として、大きな役割を果たしてくれている。

2009年6月25日。51歳のバースデーを目前に控え、50年の生涯にピリオドを売ったマイケル。レコード、CDセールスにおける偉業はもちろんのこと、ゴシップの内容もすべてが超人的。スターであるがゆえ、またはスターになったからこそ直面した暗黒史はけしてハッピーなものばかりではないが、今振り返ってみると、マイケル・ジャクソンもまた激動の時代に抗うことができずに翻弄されたひとりの人間だったのではないだろうか。しかし、その卓越した歌唱力と感性、表現力、そして人々の心をつかんで離さないカリスマ性etc...。これらマイケル自身のポテンシャルは、外的要因によりもたらされるものではなく、マイケル・ジャクソンだから成し得たゆるぎないもの。今なおマイケルを支持してやまない人々が魅了されたのも、そんなマイケルの"ゆるぎない部分"にほかならない。

マイケルが永遠の眠りについてから1年。いまだ悲しみに暮れる日もあることかと思う。しかし、彼と同じ時代を生きることができた幸運を、あらためてかみ締めてみる...そんなひと時を楽しむのもステキだし、マイケル・ジャクソンの存在はさらに輝きを増していくのではないだろうか。残された私たちが、前を向いて歩んでいくことこそが、マイケルに対する最高のはなむけになると信じて、MJコラムを結びます。


Photo:Ima Kuroda / www.HollywoodNewsWire.net

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Happy Birthday, MJ
8月26日(木)からマイケル・ジャクソンの52回目の誕生日である8月29日(日)までの4日間、MJ伝説を追体験する番組を連日放送!
http://www.wowow.co.jp/music/mj/

【ラインナップ】
★音楽「マイケル・ジャクソン HIStoryツアー・イン・ミュンヘン 1997」
 8月26日(木) 午後 4:45
★音楽「マイケル・ジャクソン ベストヒッツコレクション」
 8月27日(金) 午後 4:30
★音楽「マイケル・ジャクソン デビュー30周年コンサート」
 8月27日(金) 午後 5:30
★映画『マイケル・ジャクソン「ゴースト」』
 8月28日(土) 午後 5:15
★エクストラ「メイキング・オブ・マイケル・ジャクソン「ゴースト」」
 8月28日(土) 午後 5:59
★ 映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』
 8月29日(日) 午後 2:30  


公の場への露出は大幅に減少したものの、2000年代の音楽シーンにも、確実にマイケル・ジャクソンの気配は存在した。ジャスティン・ティンバーレイクやブリトニー・スピアーズ、ビヨンセといった時代を牽引するポップアイコンの誰もが、マイケルへの賛辞を惜しまなかったからだ。彼らは幼いころからマイケルのパフォーマンスを見て育ち、マイケルの姿に夢を重ねて切磋琢磨した "キング・オブ・ポップの申し子"たち。彼らの言動を入り口にマイケルに興味を持ったり、インターネット動画の普及にともない、過去のマイケルのパフォーマンスに触れて感化された新たな世代にとって、マイケルは『生きる伝説』となったのだ。

2003年11月には、ベストアルバム『ナンバー・ワンズ』をリリース。しかし、この直後に再び性的虐待疑惑で逮捕され、2005年6月に無罪判決が下るまで、『マイケル・ジャクソン裁判』でふたたび世界中のマスコミに追い立てられることとなった。2006年5月には、MTVジャパンが主催する『MTV Video Music Awards Japan』に電撃出席。マイケルが公の場に姿を現したのは裁判以降初めてのこと。日本滞在中には子供たちと児童擁護施設を訪問するなど、ささやかなオフを満喫したほか、人気バラエティ『SMAP×SMAP』にも飛び入り出演。奇しくもこれが、マイケル生前最後のテレビ番組への出演となっている。

シナリオの題材としても思いつかないような、ドラマチックなマイケルの人生。スキャンダル先行で日常が展開し、世間から心を閉ざす日々が続いたが、裁判以降、マイケルは自らをオープンなマインドにシフトしていっている。音楽活動再開に向けても着々と準備が進められていった。2006年12月、マイケルが師と仰いできたジェームス・ブラウンが死去。生前「アメリカに戻ってくることについては心配するなと伝えて欲しい(マイケルは2005年の無罪判決後、中東のバーレーンに移住していた)」とマイケルを気遣っていたJBの言葉にならう形で帰国したマイケルは、ジョージア州で執り行われた告別式に出席。壇上に立ち、JBをおくるスピーチを述べている。

生きながらにしてレジェンドとなったマイケルは、2008年、50歳の誕生日を迎えた。9月には『マイケル・ジャクソン キング・オブ・ポップ』が発売され、世界20ヶ国以上でファン投票が行われ、収録曲を決めるというファン参加型の企画が好評を博した。そして2009年3月5日。マイケルはロンドンにいた。7月から生涯最後の公演(マイケル曰く「ファイナル・カーテン・コールになる」)として、ロンドンのO2アリーナを舞台に『THIS IS IT』と題したツアーを行うことを発表したのだ。50公演分のチケットは、マイケルのパフォーマンスを渇望してやまないファンによって、全公演分が即日完売。伝説の "キング・オブ・ポップ"は、自ら定めたファイナルステージに向けて、本格的なリハーサルを開始したのだった。


Photo:Ima Kuroda / www.HollywoodNewsWire.net

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【ラインナップ】
★音楽「マイケル・ジャクソン HIStoryツアー・イン・ミュンヘン 1997」
 8月26日(木) 午後 4:45
★音楽「マイケル・ジャクソン ベストヒッツコレクション」
 8月27日(金) 午後 4:30
★音楽「マイケル・ジャクソン デビュー30周年コンサート」
 8月27日(金) 午後 5:30
★映画『マイケル・ジャクソン「ゴースト」』
 8月28日(土) 午後 5:15
★エクストラ「メイキング・オブ・マイケル・ジャクソン「ゴースト」」
 8月28日(土) 午後 5:59
★ 映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』
 8月29日(日) 午後 2:30  


2001年、ロドニー・ジャーキンスをメイン・プロデューサーに迎えた10作目となるオリジナルアルバム『インヴィンシブル』を発表。ボーカルとコーラスとの絶妙なコントラストはもちろんのこと、生楽器やビートが細部にわたり丁寧に重ねられ、アッパーからミディアムまでメロディアスに展開。随所にマイケルのこれまでの経験やトレンドを読み取る眼力が感じられ、濃密かつ秀逸なポップアルバムとして好感度の高い仕上がりをみせた。

9月7日と10日には、ニューヨークでソロ30周年を祝うコンサート『Michael Jackson: 30th Anniversary Celebration, The Solo Years/マイケル・ジャクソン デビュー30周年記念コンサート』を開催。初日にはジャクソンファミリーも駆けつけ、フィナーレはクインシー・ジョーンズの指揮により、出演者全員で『We Are The World』を熱唱。30年のキャリアで起こったこと...栄光と挫折もすべてがマイケルの軌跡であると思える、スペシャルな夜となった。

しかし、そんな奉祝ムードに沸いたニューヨークの熱狂は、瞬時にかき消されることとに。コンサートの翌朝、9月11日未明に、アメリカ同時多発テロ事件が勃発。それまでマイケルが提唱してきた愛や平和の礼賛、争いや思想のもつれにといった懸念に働きかねるメッセージは、テロリズムという悪意の固まりによりかき消されてしまったのだ。これにより、計画されていたワールドツアーも中止された。

デビュー30周年の節目を迎えてもなお、マイケルの一挙手一投足はメディアの格好の餌食となっていた。2002年、代理母との間に次男のプリンスをもうけ、3児の父となったマイケルは、宿泊先のベルリンのホテルのバルコニーから次男をファンに披露。しかし、その方法が適切ではなく、危険な行為であると糾弾され、保護監督の怠慢として警察が介入する騒ぎに展開。この一件についてマイケルはすみやかに謝罪の意を表明したが、世間からさらなる好奇の目で見られる要因を作ってしまった形となった。そしてふたたび、沈黙の日々が続くこととなる。

※後編へ続く


Photo:Ima Kuroda / www.HollywoodNewsWire.net

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 8月28日(土) 午後 5:15
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 8月28日(土) 午後 5:59
★ 映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』
 8月29日(日) 午後 2:30 


1993年2月、米の人気テレビショー『オプラ・ウィンフリー・ショー』に出演したマイケルは、自身が皮膚の病(尋常性白斑)を患っていることを告白。それまで超人的な存在として音楽シーンの頂点に君臨してきたスーパースターが、自らの苦悩を吐露した衝撃の瞬間だった。この告白が口火を切ることになったかは定かではないが、以降のマイケルには、音楽以外の局面におけるスキャンダルが噴出した。

マイケル事件簿として思い返されるのは、93年。少年への性的虐待疑惑で法廷闘争に持ち込まれた一件だ。冤罪との向きもあるこのケースで、警察の執拗かつ屈辱的な取調べを受け、心身ともにアンバランスな状態に陥ったマイケルは、ワールドツアー中断を余儀なくされた。裁判を長引かせることをよしとしなかったマイケルの選択は、事態の速やかな収束。原告の少年のプライバシーも守りつつ、「自身の潔白のため、名誉を守るためにこのお金を払う」と、破格の示談金を支払うことで事件にピリオドを打った。しかし、マイケル=性的虐待というニュースは世界にセンセーショナルに報じられ、しばらく公の場に姿を現すことはなかった。

1994年、再び度肝を抜くニュースが世界中をかけめぐった。5月24日、歌手でアメリカの伝説的歌手にして"キング・オブ・ロックンロール"の愛称で親しまれているエルヴィス・プレスリーの娘、リサ・マリー・プレスリーと電撃婚。自らプロダクションも設立し、それまで蔓延していた不本意なニュースをゴージャスに一蹴。復活の足がかりを掴み取った。

1995年、2枚組のアルバム『ヒストリー パスト、プレズント・アンド・フューチャー ブック1』をリリース。DISC1はきらびやかなヒット・ナンバーで埋め尽くされた既存曲のアーカイヴ。DISC2には新たな書き下ろし曲が収録されたが、そこには痛々しいほど苦しみにもがくひとりの"人間:マイケル・ジャクソン"の姿があった。オープニングの「スクリーム」は、妹・ジャネットとのデュエット曲。最先端のCGを駆使するために約700万ドルの費用が投じられ、「史上最も費用のかかったPV」としてギネスブックにも掲載された。このデュエットを機に、ジャネットはR&B界の不動のディーバの地位を確かなものに。

そして、映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』でも印象的なパフォーマンスを見せていた「ゼイ・ドント・ケア・アバウト・アス」。再びガンズのスラッシュとタッグを組んだロックナンバーで、現代社会に蔓延するさまざまな問題(人種差別や暴力、環境破壊)といった負のオーラを詰め込み、糾弾。この曲に限らず、DISC2にはマイケルの怒りにも似た感情が詰め込まれており、彼の中にある主義・主張は全編にあふれていた。また「ユー・アー・ノット・アローン」、「アース・ソング」といった秀逸なメッセージソングも誕生している。

1990年に勃発した湾岸戦争や、92年のロス暴動以来、国際社会、アメリカ社会を取り巻く空気感はざわつき、マイケル個人も浮き沈みを繰り返した。そんな日々がフラッシュバックするような、痛みを内包したアルバム『ヒストリー』。歌詞やショートフィルムにおいて、思想や宗教といったさまざまな問題を想起させる試みが随所にちりばめられていたため、世間から絶賛だけを集めることはかなわず、ネガティブなリアクションを受けることもあったが、マイケルは彼の表現の場である「音楽」を通じて、精一杯のメッセージを届けた。これはゆるぎない事実だ。

1996年1月、リサ・マリー・プレスリーとの短い結婚生活にピリオドを打ち、同年11月に看護師のデビー・ロウと再婚。ロウはマイケルが通院していた皮膚科医のアシスタントで、のちにもうけた2児の子供たちの母親でもある。この結婚も長くは続かなかったが、マイケルははれて父となった。またこの間、1996年9月から1997年10月までの約1年にわたって、全世界35か国58都市で82公演『HIStory World Tour』を行い、450万人の観客を動員した。97年3月から再開されたセカンド・レグからの公演(1997年6月4日と6日/他会場の映像を入れ込み一部編集も)の模様は映画『HIStoryツアー・イン・ミュンヘン』として収録されている。マイケルらはHDカメラを用いて撮影を行うなど、デジタル時代の到来に先駆けた実験的な試みも行っている。そして結果的に、このツアーがマイケルのキャリア3度目にして、実質最後のワールドツアーとなった。


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 8月27日(金) 午後 4:30
★音楽「マイケル・ジャクソン デビュー30周年コンサート」
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 8月29日(日) 午後 2:30  


1980年代を無敵の強さで駆け抜けたマイケル。斬新な取り組み、ファンをわくわくさせるようなアイデアと卓越したパフォーマンス。マイケルの行く先に新たな驚きがあり、彼の後に時代が追いついて行く。そんなポジティブな連鎖が心地よかった。1989年には、カリフォルニアにマイケルの代名詞ともいえる邸宅兼遊園地・ネバーランドを建設し、自分だけの城も手に入れ、さらなる高みを目指す準備は整った。

1991年、新作の製作にあたり、マイケルが試みたのは、新たなる手法によるアルバム制作だった。それまで二人三脚で歩んできたクインシー・ジョーンズから巣立ち、ニューヨーク出身の23歳のR&Bプロデューサー、テディー・ライリーとともにアルバム『デンジャラス』を制作。ライリーの得意とする"ニュージャックスウィング"なる音楽スタイルは、ファンクとヒップホップのグルーヴを融合させながら、メロディアスに展開するアグレッシブでキャッチーなアプローチが特徴。もともとその歌声に打楽器のようなリズミカルな魅力をたたえたマイケルとライリーの音楽との相性は最高の化学反応を起こすこととなった。

その持ち味が存分に発揮されたのが、「ブラック・オア・ホワイト」。イントロのギターを担当したのは、ガンズ・アンド・ローゼズのスラッシュ。超絶カッティングが冴え渡り、ギター一本で独特の疾走感を表現している。歌詞では民族や人種、文化を乗り越えるというグローバルなメッセージを投げかけ、ミュージック・ビデオではクロマキーを用いて映像を差し替えるモーフィングを採用し、さまざまな世代・人種のモデルが同曲を歌いながら入れ替わるという斬新なビジュアルでも話題を呼んだ。

1992年1月にリリースされた「リメンバー・ザ・タイム」のショートフィルムでは、古代エジプトをモチーフに、エディ・マーフィー、スーパーモデルのイマン(デヴィッド・ボウイの妻)、マジック・ジョンソンらと競演。続いて発売された「イン・ザ・クローゼット」では、人気写真家のハーブリッツが指揮をとり、ナオミ・キャンベルをはじめとする多数の有名人が出演し、マイケルの華麗なる交友関係も話題を呼んだ。

アルバム『デンジャラス』は全世界3100万枚という驚異的なセールスを記録。しかし、音楽シーンの潮流は、ニルヴァーナをはじめとする若者たち発信によるオルタナティブロックが台頭。ポップスからロックへと移行する変遷期に突入し、80年代をきらびやかに彩ったポップスシーンには翳りが見えつつあった。そんな中でも、マイケルは持ち前の斬新なアプローチで、唯一無二の存在であり続けたが、このころからマイケルを取り巻く環境は、ただリスペクトされるポップアイコンというだけではなく、その私生活の様子など、音楽活動以外の面で注目を集めることが多くなっていった。


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1986年8月、マイケルの新しい挑戦が始まった。自身が作り出したモンスター『スリラー』を超える作品とは何か。クインシー・ジョーンズとマイケルは、約1年を費やしてモンスター超えの答えを導き出した。そして1987年8月、アルバム『BAD』が完成した。アルバムセールスは2900万枚。5100万枚を記録した『スリラー』に数字こそ及ばないものの、「バッド」、「キャント・ストップ・ラヴィン・ユー」、「ザ・ウェイ・ユー・メイク・ミー・フィール」、「マン・イン・ザ・ミラー」、「ダーティ・ダイアナ」と、5曲のシングルが立て続けに全米チャート1位にランクインする前人未到の新記録を樹立し、マイケル的には自己ベストをさらに更新。同年9月には初のソロツアーがキックオフし、世界15か国/123会場でのべ440万人を動員。このタイミングで、日本にも待望の初来日を果たし、滞在中はマイケルの一挙手一投足に注目が集まった。

このアルバム『BAD』でも、マイケルはさらなる新境地を切り開いた。タイトル曲「BAD」のショートフィルムの指揮を執ったのは、映画界の巨匠、マーティン・スコセッシ。ロバータ・フラック、ウェズリー・スナイプスといった豪華キャストが出演して描かれたのは、私服警官に誤射された青年が命を落としてしまった実在の事件を基にした悲しいストーリーだった。

また、ダンスパートでもさらなる進化を遂げている。前作『スリラー』では、ムーンウォークという画期的な足技を披露したマイケル。彼のダンスは曲に心地よく体をゆだね、ビートを刻んでいた『オフ・ザ・ウォール』の時代から日々進化していたが、『スリラー』を経て『バッド』時代が到来するころには、ついに重力をも超越。シングル「スムース・クリミナル」のビデオでお披露目された"ゼロ・グラヴィティ"は、人間が繰り出す技とは思えない"ハイパー斜め立ち"で、ムーンウォーク同様、真似する子供(大人も?)が続出した。重力を一切無視したありえない姿勢は、特殊な靴(カカトにフックが取り付けられ、床にはめてある金具と合体させることが可能)を用いて成立する仕掛けありきのポジションながら、ステージ上で激しいムーヴメントを維持しながら瞬時にダンサーたちとゼログラ姿勢をとるのは至難の業。これをいとも簡単にやってのけるマイケルに憧れ、ダンスの道を志した人も少なくはないはずだ。

88年1月には、初の自伝『ムーンウォーク』を出版。1989年には英ブリット・アワードでポップ・ロック・ソウルの三部門を制覇。この偉業を称えたエリザベス・テイラーの言葉「The True King of Pop, Rock And Soul=ポップ、ロックとソウルの真の王者」に由来する形で、マイケルは"キング・オブ・ポップ"の称号を手に入れたのだった。挑戦も冒険も、すべてが大成功。80年代の彼に、怖いものはなし。類稀なる才能はいうまでもなく、地位も名声もなにもかもを手にした男=最強のマイケル・ジャクソンがそこにいた。

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アルバム『スリラー』は、結果的に全世界で4500万枚のセールスを記録し、「史上最も売れたアルバム」として、ギネスブックにも登録された。しかし、やはりこのアルバムのすごいところは、記録よりも記憶。「今夜はビート・イット」、「ビリー・ジーン」と、立て続けにセンセーショナルなサウンドとビジュアルで圧倒してきたマイケルが、ダメ押しする形で発表したのが、タイトル曲の「スリラー」だ。1983年12月。音楽チャンネルMTVで初公開された同曲のミュージック・ビデオは、14分におよぶ超大作。マイケルが「ショートフィルム」と形容するのもうなずける、音楽ビデオとしては破格の仕上がりだった。自ら狼男に扮したり、ゾンビとダンスでコラボするなど、特殊効果をふんだんに散りばめたSFタッチの仕上がりは痛烈なインパクトを放ち、子供から大人まで広く愛され、マイケルが、名実ともに時代のアイコンとなった瞬間だった。この映像でマイケルを知ったという日本のファンも多いことだろう。

もはや、誰もその勢いを止めることはできない無敵のマイケルだったが、家族との関係はかつてほどの親密さを失っていた。アルバム『スリラー』で大きな成功をおさめたのち、家族間で金銭トラブルが噴出。音楽的にも方向性の面で折り合いをつけることが難しくなり、1984年、アルバム『ビクトリー』を発表後の全米ツアーを最後に、マイケルはグループを脱退。そしてその1か月後には、エチオピア難民救済チャリティーのために立ち上がったプロジェクト『USA・フォー・アフリカ』に参加。ライオネル・リッチーと共作したチャリティソング「ウィー・アー・ザ・ワールド」を、ボブ・ディランやブルース・スプリングスティーン、スティーヴィー・ワンダーといった著名アーティストたちとレコーディングし、全米・全英チャートで1位を奪取。80年代もっとも売れたシングルとして、新たな記録を打ち立てた。

家族から離れ、完全に"個"として独り立ちしたマイケルが最初に行ったことのひとつに、「お買い物」がある。来日時のオフ映像などで、マイケルがお店を借り切ってお買い物に興じるシーンは日本のファンにもおなじみだが、最初のお買い物のお値段は、なんと約43億円。84年8月、ザ・ビートルズの版権251曲を管理する音楽出版社を購入したのが始まりだった。純粋にビートルズの楽曲を手に入れたかったのか、投資目的なのかは定かではないが、大人買いというよりは宇宙買いと称するにふさわしい超人的なアクションは、オフステージの話題ながら世界中の人々を驚かせた。

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 8月29日(日) 午後 2:30  


アルバム『オフ・ザ・ウォール』からは、「今夜はドント・ストップ」、「ロック・ウィズ・ユー」に続き、「オフ・ザ・ウォール」、「あの娘が消えた」と、4作が立て続けに全米チャートのトップ10にランクインし、誰も成し遂げることのなかった記録を樹立。グラミー賞では最優秀R&Bボーカルパフォーマンス部門にノミネート。ハリウッド・ウォーク・オブ・フェームにもその名を刻み、名実ともにトップアーティストの仲間入りを果たした。

同アルバムが、ブラックミュージックとポップミュージックの間に立ちはだかる壁を突き破った記念碑的作品だとすれば、その作品が成し遂げた記録を破ったのは、数年後のマイケル本人。今なお伝説として語り継がれるポップ・シーンに金字塔を打ち立てたアルバム『スリラー』(82年)がそれだ。しかし、それは『オフ・ザ・ウォール』から3年後のこと。この間マイケルは、ジャクソンズの活動に復帰。80年にはアルバム『トライアンフ』を発表し、翌81年には全米ツアーを敢行するなど、ファミリーの一員としての役割もしっかりと務めていた。

そして、81年の年末には、再びポール・マッカートニーとタッグを組んで楽曲を制作。82年には、クインシー・ジョーンズに誘われ、映画『E.T.』のストーリーブックのナレーション入りアルバムのために「サムワン・イン・ザ・ダーク」を書き下ろすなど、ノンストップで音楽活動に没頭する日々が続いた。

1982年12月に完成したアルバム『スリラー』は、もはや説明するまでもなく、名盤中の名盤だ。ビルボードチャートでは37週にわたり1位に君臨。グラミー賞では12部門にノミネートされ8タイトルを奪取するなど、無敵の強さを世に示した音楽史上に金字塔を打ち立てた作品として今でも語り継がれている。「ビリー・ジーン」、「今夜はビート・イット」など、イントロだけで瞬時にリスナーのハートをつかんでしまう魅惑の楽曲たち。キャッチーなサウンドと、スキャンダラスなリリック...誰かの日常に、そしてストリートで今起きているようなリアルな描写を、まるでストーリーテラーのように歌い上げるその姿には、本気の反骨精神があふれていた。

「今夜はビート・イット」では、「黒人音楽の壁を越えてジャンルの壁を壊す」というコンセプトのもと、超絶ギタープレイヤーであるエディ・ヴァン・ヘイレンを起用。エディのうなるようなギターのリフと、若者の対立を描いた映像とが融合し、ドラマチックなエンターテインメント大作を作り上げてみせたのだ。歌詞は誰のストーリーを歌ったものなのかという物議を招いたりもしたが、ここにマイケルの「やるなら徹底的に」という妥協しない姿勢と、人々にサプライズを与えたいという強い信念が感じられ、リスナーはマイケルを支持した。

楽曲や演出だけではない。のちにマイケルが多くのダンサーからリスペクトされるに至ったきっかけでもある『ムーンウォーク』もこの時期に完成している。初披露されたのは、1983年に行われたモータウン25周年コンサート。「ビリー・ジーン」の間奏でさりげなく披露されたその独自のムーヴは、人類がいまだかつて見たことのない独創的な動きそのもの。レコードのセールス記録だけではなく、時代さえも超越してしまった、伝説の一夜として語り継がれることとなった。

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Happy Birthday, MJ
8月26日(木)からマイケル・ジャクソンの52回目の誕生日である8月29日(日)までの4日間、MJ伝説を追体験する番組を連日放送!
http://www.wowow.co.jp/music/mj/

【ラインナップ】
★音楽「マイケル・ジャクソン HIStoryツアー・イン・ミュンヘン 1997」
 8月26日(木) 午後 4:45
★音楽「マイケル・ジャクソン ベストヒッツコレクション」
 8月27日(金) 午後 4:30
★音楽「マイケル・ジャクソン デビュー30周年コンサート」
 8月27日(金) 午後 5:30
★映画『マイケル・ジャクソン「ゴースト」』
 8月28日(土) 午後 5:15
★エクストラ「メイキング・オブ・マイケル・ジャクソン「ゴースト」」
 8月28日(土) 午後 5:59
★ 映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』
 8月29日(日) 午後 2:30  


初のセルフプロデュースで製作されたアルバム『デスティニー』で、ジャクソンズはヒットチャートにカムバック。家族そろってひと安心...かどうかはさておき、グループのプロジェクトが成功を収めたのを境に、マイケルはソロ活動に本腰を入れていった。

まず行ったのは、プロデューサーの抜擢。映画『ウィズ』で知り合ったクインシー・ジョーンズ(映画の音楽スコアを担当)に、ソロアルバムのプロデューサーを探していることを打ち明けたマイケルに、「僕じゃダメかな?」とジョーンズが答えたというのは有名な話。ジャズ畑のジョーンズが、マイケルの魅力をどこまで引き出すことができるのかは未知数であり、父のジョセフは疑問視していたというが、結果的には大成功。"マイケル・ジャクソン伝説"の幕開けを告げるアルバム『オフ・ザ・ウォール』が完成した。

1979年7月、アルバムからの先行シングルとして発表された「今夜はドント・ストップ」は、マイケル渾身の書き下ろし曲。ゴキゲンなマイケルのウィスパーボイスと、エレクトリカルなギターやホーンのゴージャスなサウンドが、三位一体となってきらめく極上のソウル空間がそこにあった。タキシード姿のマイケルが、全身でその多幸感を表現するビデオクリップは、この曲の魅力を雄弁に物語っている。たった一曲で、まだ見ぬどこかへといざなってくれるような不思議な引力をもったこの曲で、「アイドルグループのメインボーカル」から「天才ボーカリスト」へと、マイケルのステイタスは書き換えられたのだった。

アルバム『オフ・ザ・ウォール』はそんな熱狂の中で発売され、爆発的なヒットを記録。そして、アルバム成功の心地よい余韻の中で、10月にはシングル「ロック・ウィズ・ユー」を発表。「今夜はドント・ストップ」でソウルフルにハネていたマイケルの歌声は、一転して豊かさと伸びやかさをアピール。優しく、清々しいその歌声に魅了された人は数知れず、米ビルボードチャートでは4週連続1位という偉業を成し遂げた。

ちなみにこのアルバムには、ポール・マッカートニーが参加しており、「ガールフレンド」のプロデュースを手がけている。ジャクソン5時代、チャートを競り合ったライバルと手を取り合ってしまう大胆な取り組みは、クインシー・ジョーンズの語る「マイケルはとってもシャイな青年だった」というマイケル像とのギャップを感じさせるが、幼いころからプロフェッショナルに徹してきたマイケルらしさの表れとも言える。この時、マイケル21歳。ポップ・シーンに一大革命を巻き起こすまでのカウントダウンが始まった。
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 8月27日(金) 午後 4:30
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 8月27日(金) 午後 5:30
★映画『マイケル・ジャクソン「ゴースト」』
 8月28日(土) 午後 5:15
★エクストラ「メイキング・オブ・マイケル・ジャクソン「ゴースト」」
 8月28日(土) 午後 5:59
★ 映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』
 8月29日(日) 午後 2:30


前回の記事でご紹介したとおり、モータウンでは一夜にして名声を手に入れたジャクソン一家。兄弟は雑誌のカバーを飾ったり、テレビショーに出演したりと、国民的スターとしてスポットライトを浴び続けたが、水面下ではぎくしゃくとした関係が続いていた。

そして1975年、ジャクソン5はエピック・レコード(CBS)に移籍。それまでの「大人たちに作られたアイドル」ではなく、地に足のついたミュージシャンとして自ら表現し、作品を発信していくことを選んだのだった。しかし、兄のジャーメインはモータウンの社長令嬢と結婚していたために、グループ脱退を余儀なくされる。代わってマイケルの弟・ランディが加入し、グループ名を「ザ・ジャクソンズ」(モータウンとの契約問題で移籍後にジャクソン5を名乗ることが許されず、訴訟問題に)に改めて再スタートを切ることに。

兄との別離が家庭内にどのような影響を及ぼしたのかは知る由もないが、多感な時期にファミリービジネスの大きなうねりに飲み込まれたマイケルの目に、この一連の出来事はどう映ったのだろうか? 一説によると、兄弟を代表して、モータウンのベリー・ゴーディに移籍の意思を伝えたのもマイケルだったと言われている。それまで家族に寄り添ってきたマイケルの中にも、音楽的に成長したい、挑戦してみたいという自我の芽生えがあった時期だったのだろうか。1971年のソロデビュー以来、周りの大人とのかかわり方や自分から見える景色、自分の可能性や未来へのビジョンなど、いろんなものが見えていたのかもしれない。

さて、そのザ・ジャクソンズ。移籍直後のレコードセールス自体はジャクソン5時代のような盛り上がりは得られなかったが、『ザ・ジャクソンズ』(76年)、『ゴーイン・プレイシズ』(77年)と、コンスタントに作品を発表。プロデュースを手がけたフィラデルフィアのソングライターチーム、ケニー・ギャンブル&レオン・ハフらからは、曲作りのノウハウを学び、マイケルはめきめきと音楽的な成長を遂げていった。

またグループの活動と並行して、ソロ活動も再開。モータウン時代からゆかりのあるダイアナ・ロスらに導かれる形で、77年秋にはミュージカル映画『ウィズ』の撮影に加わり、かかし役を好演。この『ウィズ』でのマイケルの演技は、俳優デビューとは思えないハイレベルなもので、音楽プロデューサー、クインシー・ジョーンズの目に留まる。映画自体は商業的成功を得られなかったが、家族と離れて一人、マイケル・ジャクソンという個として立ったという経験は、マイケルにとって大いなる刺激となったことだろう。その後制作されたジャクソンズの3rdアルバム『デスティニー』は、見事に大ヒット。グループにもマイケル本人にも、ポジティブなヴァイヴをもたらすこととなった。

Photo:Newscom/アフロ

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