闘争の線を引け ― 特集:反骨の映画監督ロバート・アルドリッチ

MASTERS OF WAR
特攻大作戦.jpg 常に男たち、女たちの意地と誇りをかけた命がけの闘い、サヴァイヴァルの様子を正面から見据えて骨太なタッチで描き続けた、戦後ハリウッドきっての活劇映画の名匠、ロバート・アルドリッチ(1918―1983)。文字通りの戦場や無法の西部、灼熱の砂漠、闘技場は言うに及ばず、彼がその眼差しを向けると、深夜のハイウェイやビーチハウス、老女たちの暮らすゴシック風の邸宅、はたまた貨物列車などが、たちまち激烈な闘争の場=アリーナへと変貌する。弱肉強食の待ったなしの冷酷非情な論理が支配するその極限状況下で、アルドリッチ映画の主人公たちは、彼らを取り巻く周囲の連中の剥き出しのエゴや憎悪、敵意にさらされて深く傷つき、時には遂に息絶えることになろうとも、最後まで決して諦めることなく必死に闘い続けるのだ。
 そして、ほかならぬアルドリッチ自身、生涯のさまざまな局面において幾多の試練に直面し、さまざまな苦闘を繰り広げながら、起伏の激しい波乱の映画人生を不屈の闘志で歩み続けた歴戦の勇者だった。今回WOWOWで放映されるアルドリッチ特集のプログラムは、『特攻大作戦』(1967)を除くと、『キッスで殺せ』(1955)、『攻撃』(1956)、『地獄へ秒読み』(1959)など、1950年代に発表された初期の作品が中心。そこでここではまず、彼の闘争続きの映画人生を決定づけたそのおおもとの出発点を監督デビュー以前にまで遡って探ると共に、今回の特集の中でも、これまで本邦劇場未公開でソフト化もされず、日本の映画ファンにはなかなかお目にかかる機会がなかった貴重な2作品、『枯葉』(1956)および、アルドリッチが撮影終了直前に監督の座を降ろされ、別人の手で完成されたいわくつきの問題作『ガーメント・ジャングル』(1957)を重点的に紹介して、アルドリッチ映画の魅力とポイントをおさえてみることにしたい。

ALL ALONG THE WATCHTOWER
 アルドリッチは何よりもまず、政財界の大物を数多く輩出したアメリカ東部きっての名門一家の一員に生まれ育ちながら(第41代合衆国副大統領ネルソン・ロックフェラーは、彼の従兄にあたる)、あえてそうした権威主義に背を向けて反体制の側に立ち、生涯、アンチ・エスタブリッシュメントを貫き通した反骨の映画作家である。1941年に映画界入りした彼は、現場の下働きから叩き上げて、製作助手、製作主任、助監督と、階段を一歩ずつ這い上がり、映画作りのプロセスを実地に学んでいった。筆者の前回のコラムでも既に紹介した通り、修業時代の若きアルドリッチは、先にも助監督として就いたジョゼフ・ロージー監督の『大いなる夜』(1951)に端役で登場しているわけだが、彼の生涯で最初にして最後の劇中出演となったその役が、リングサイドの席に陣取ってボクシングの勝負の行方を見守る観客の1人であったというのも、今から振り返ってみると深い宿命めいたものを感じさせずにはおかない。それというのも、実はアルドリッチはそれ以前にも、ボクシング映画の決定版『ボディ・アンド・ソウル』(1947)に助監督として参加しているからだ。

攻撃.jpgTHE TIMES THEY ARE A-CHANGIN' / HURRICANE
 1人のチャンピオン・ボクサーの栄光と挫折、そしてそこからまた再起すべく苦闘する彼の姿を鋭い社会批判を織り交ぜながら鮮烈に綴ったこの傑作は、主演を務めたスター俳優ジョン・ガーフィールドが戦後間もなく興した独立プロ、エンタープライズに、監督のロバート・ロッセン、脚本のエイブラハム・ポロンスキーら、才能豊かな左翼映画人たちが結集して生み落とされた実り豊かな成果の1つ。同作の成功を受けて、同じくガーフィールドの主演、そして今度はポロンスキーが脚本を兼ねて初監督も手がけた、より苛烈で痛切な社会派ドラマの金字塔的傑作『苦い報酬』(1948)がエンタープライズから続いて発表され、アルドリッチもやはり助監督としてこれに参加するわけだが、戦後のアメリカ映画界に清新な風を吹き込んだ同社は、短期間で経営難に陥り、あえなく消滅。その上、そこに集った上記のメンバーたちや、前述のロージーは、1950年代に入ると、当時全米を吹き荒れた赤狩りの嵐の直撃を受けて、ガーフィールドは悲劇的な急死を遂げ、ポロンスキーは匿名の存在と化して地下へと深く沈潜。ロージーはヨーロッパへ亡命、そしてロッセンは苦渋の選択の末、共産党員の元同志たちの名前を売る道を選ぶ、という具合に、各人のその後の人生は散り散りの運命を辿ることとなる。彼らよりも若干年下で、まだ監督デビューする前だったアルドリッチ自身は、幸運にも赤狩りに引っかかることなく済んだ。

ARE YOU READY ?
 そして、これら映画界の先輩や知己たちのつらく苦しい闘いと運命の浮沈を間近で見守り続けた末、アルドリッチは1953年にようやく長編映画の監督デビューを果たすことになる。アルドリッチ監督本人、そして彼の映画の主人公たちを何より特徴づける、タフで強靭で少々のことではビクともしない闘争本能、敢闘精神は、その出発点からして既に充分培養され、備わっていた。そしてアルドリッチは、とりわけポロンスキーが脚本を書いた『ボディ・アンド・ソウル』の主人公のキャラクター設定とドラマツルギーを金科玉条と仰ぎ、それを自らの映画作りの根幹、文字通りのボディ・アンド・ソウルに据えて、そこに彼独自の肉付けを施しながら、数々の魅力作を生み出していくのである。

キッスで殺せ.jpgALL I REALLY WANT TO DO
 その出発の当初から、自らの創造的自由と独立性を確保するため、監督兼プロデューサーの道を目指していたアルドリッチは、監督第5作『キッスで殺せ』で初めて単独でセルフ・プロデュースをする機会を掴み、その特権を存分に活用して作品の中に赤狩りの時代風潮に対する強烈なアンチテーゼをこめつつ、フィルム・ノワールのきわめつきの傑作を生み落とすことに成功する。そしてこの作品の後、念願の自らの独立プロ、アソシエイツ・アンド・アルドリッチを設立した彼は、以後、そこでの自主企画と、よその会社での雇われ監督仕事の両輪を乗りこなしていくことになるが、前者の第1回作品として真っ先に取り組んだ企画が、今回の特集には入ってないが、以前WOWOWで放映されて日本に初紹介されることになった『悪徳』(1955)だった。

SIMPLE TWIST OF FATE
 これは、1930年代半ばに発表した舞台劇「レフティを待ちながら」の成功で一躍左翼演劇界の寵児となった戯曲家クリフォード・オデッツが、公私にわたる良き友人でもあった俳優ガーフィールドを主役に迎えて1949年に発表した舞台劇「ザ・ビッグ・ナイフ」を、既にガーフィールドはこの世を去り、オデッツ自身、先のロッセンらと同様、友好的証人として共産党員のかつての仲間たちの名前を売る側に立ってから数年が過ぎた後に、アルドリッチがあらためて映画化した問題作。しかもその内容は、映画界の知られざる舞台裏を綴った、いわゆるハリウッド内幕ものの辛辣なドラマで、メジャー映画会社との契約更改の日が迫ったスター俳優が、自らの自由と独立を求めてあがく姿を鮮烈かつほろ苦いタッチで描いたものだった。ここで今は亡きガーフィールドに代わって映画の主人公を好演するのがジャック・パランス(続いて彼は、傑作反戦映画『攻撃』と、『地獄へ秒読み』でも主役を務め、50年代のアルドリッチ映画の顔の1人となる。とりわけ前者での夜叉の面にも似た彼の凄まじい憤怒と苦悶の表情は、一度見たら決して忘れられなくなるだろう。そしてまた、あのジャン=リュック・ゴダールがその後『軽蔑』(1963)でパランスを、本作での役柄を裏返して、ハリウッドの高圧的なプロデューサーの役で起用することになる)。そして、彼の前に立ちはだかるハリウッドのメジャー映画会社の独裁的プロデューサーをロッド・スタイガーが迫力満点に演じ、白熱のパフォーマンスを披露するわけだが、皮肉なことに、そのキャラクターの主要モデルの1人となったハリー・コーン率いる映画会社コロンビアと、その直後にアルドリッチは契約を結び、そこで『枯葉』、そして『ガーメント・ジャングル』の監督を手がけることとなる。ところが後者を撮影中、先に『悪徳』の中で描いた悪夢が、はからずも現実のものとなってしまうのだ。

枯葉.jpgLOVE MINUS ZERO / NO LIMIT
 ここで一気に『ガーメント・ジャングル』へと話を急ぐ前に、これまで日本では劇場未公開でソフト化もされていない貴重作、しかも、とかく男性的なアクション映画専門とみなされがちなアルドリッチにとっては意外とも思える異色のメロドラマ映画、『枯葉』について紹介することにしよう。彼自身、あるインタビューで、なぜこの変わった題材を? と聞かれ、「おそらく、自らの生き残りをかけるためにこれをやったのだろう。人々は、僕の映画の中における暴力や怒り、憤りについて、束になって批判するようになってきて、それらは別に意図してやっているわけじゃないけど、でもそろそろ僕もソープ・オペラをやる時期かも、と思ったんだ」と答えている。
 でも、そこはアルドリッチのこと、これがただの通俗的で甘ったるい昼メロ番組のような作品になると思ったら、とんだ大間違い。映画の前半こそ、往年のスター女優(とはいえ、当時既に50代を迎え、すっかりトウが立っていた)ジョーン・クロフォード演じる未婚のヒロインが、もはや恋愛を諦めかけた頃に魅力的な年下の男性と運命的に出会って結婚を申し込まれ、年の差や世間体をはばかって心揺れ動きつつ、遂にそれを承諾する...という展開はメロドラマの王道を行くもので、ロマンチックなムードに溢れているが、ようやく彼女にも人生の幸福が訪れたかに思えた矢先、結婚相手の意外な過去の秘密を知らされて事態は急変し、彼女は絶望のどん底へと一気に突き落とされてしまうのだ。そしてむしろ、ここから彼女の本当のドラマはスタートする。アルドリッチ映画の主人公たちの御多分に洩れず、彼女は必死に闘うことで真実の愛を懸命に守り抜こうとするのだ。

IT'S ALRIGHT, MA (I'M ONLY BLEEDING)
 一方、クリフ・ロバートソン演じる彼女の夫は、実はその心の奥底に深刻なトラウマを抱え、それを必死で押し隠すために虚言癖を嵩じさせた挙げ句、遂にはそれに耐えかねて自分の心の殻にかたく閉じ籠ってしまうのだが、彼をそこまで追い込んだのは、ほかならぬ彼の忌まわしい父親のせいであることが次第に明らかになっていく。こうした歪んだ家族関係が原因で正常な発育・成長が妨げられ、いい年をした大人でありながら、まるで駄々っ子のようにわがままで聞き分けがないアルドリッチ独特の強烈なキャラクター像は、この後、『攻撃』で臆病極まりない上官を演じるエディ・アルバートや、『何がジェーンに起ったか?』(1962)の"ベイビー・ジェーン"ことベティ・デイヴィス、そして『傷だらけの挽歌』(1971)のギャング団の兇暴で始末に負えない息子スコット・ウィルソン、等々、さまざまな映画の登場人物たちに引き継がれていくことになる。

QUEEN JOAN APPROXIMATELY
 ところで、『枯葉』は1956年のベルリン国際映画祭で監督賞を受賞し、アメリカ本国よりヨーロッパでの評価が先行していたアルドリッチの人気と名声をさらに高めることになるが、実はその撮影現場の舞台裏は決して和やかなものではなかった。それというのも、ハリウッドのスター女優然としたクロフォードが、映画の撮影直前になって、出演ボイコットもちらつかせながら、自らの座付作者に彼女の台詞の書き直しをさせることを要求したものの、アルドリッチはそれを頑としてはねのけて、映画の撮影がスタート。当初、2人の関係は険悪な空気に包まれ、クロフォードがアルドリッチに口も利かない状態がしばらく続いたが、あるシーンの撮影で彼女の感動的な演技にすっかり心打たれたアルドリッチが涙を見せると、ようやく2人の対立ムードは氷解し、良き友人同士となったという。
 アルドリッチはその後、『何がジェーンに起ったか?』のベティ・デイヴィスの競演相手に再びクロフォードを起用。批評・興行の両面における大成功を受け、その姉妹編たる『ふるえて眠れ』(1965)でまたしても往年の2大スター女優同士の老醜対決を目論むが、前作の撮影中、劇中の物語を地でいくように現場でデイヴィスと激しい確執・対立を繰り広げていたクロフォードは、いったんは出演をOKして『ふるえて眠れ』の現場に入るも、撮影開始早々、病気を理由に役を降り、アルドリッチとも袂を分かつことになる。

ガーメント・ジャングル.jpgONE OF US MUST KNOW (SOONER OR LATER)
 そして、『枯葉』では主演女優との角突き合いに勝利を収めたアルドリッチが、今度は『悪徳』の主人公よろしく、ハリウッドのメジャー映画会社コロンビアのボス、ハリー・コーンと激しく角突き合った末に、今度は自分が痛い目に遭う番がやってくる。その苦い体験を味わったのが、『ガーメント・ジャングル』の撮影現場だった。
 この映画は本来、NYの衣服業界を舞台に、労使の対立を零細会社の経営者父子の葛藤を軸に鋭く描くはずのもので、コロンビアの方から提示されたガッチリと頑丈に書かれた脚本に付き従って、アルドリッチは撮影を進めていったが、そのタフでラディカルな内容に急に恐れをなすようになったコーンが道半ばにして作品の批判的調子を弱めようと試み、それに頑として応じようとしなかったアルドリッチを撮影終了直前になって突然解雇。彼の後を引き継いだヴィンセント・シャーマンが、コーンの意向に従って内容をソフトなものへと軌道修正しつつ映画を完成させ、監督のクレジットもシャーマン1人が手にすることになった。また、主人公と対立する敵役が、憎らしいまでのいやらしさとふてぶてしさ、狷介な悪の魅力を発揮してこそ、アルドリッチ映画の面白さがいや増すことは、既に御存知の通りだが、本作で零細衣料会社の経営者を演じることになったリー・J・コッブは、そうした憎まれ役を演じることを嫌がり、よりヒロイックで共感を呼ぶキャラクターへの方向転換を図った。実は先にコッブが(元グループ・シアターの良き演劇仲間であり、また赤狩りの時代に共に友好的証人として共産党員のかつての仲間たちの名前を売った)エリア・カザン監督と組んで発表した『波止場』(1954)が、組合内部の腐敗を告発する反ユニオン映画となっていたのに対し、アルドリッチは本作を、それとは真っ向から対峙する最初の親ユニオン映画として企図していた。それを知ってか知らずでか、コッブはここでも再度、"転向"を図ったことになる。
 かくして、アルドリッチに言わせると、「これは俺の映画じゃない」、「映画の良くない部分を手がけたのがシャーマンだ」、本来なら「傑作となっていたに違いない映画」が、「安っぽくて、逃げをうった、ガッツに欠けるまがい物の作品」となってしまった、 ということになる。

MASKED AND ANONYMOUS
 彼の発言を考慮に入れて、この映画を注意して見てみると、たしかに映画が後半へと進むに従い、それまでのラディカルな調子が急速に消え失せて物語や演出が平板化し、それらの箇所がアルドリッチとは違う別人の手で撮られたものであることがよくわかる。しかしその点を差し引いてみても、この映画がなお見応え充分のアルドリッチ映画の1つであることは間違いない。とりわけ、経営者の息子が次第に肩入れするようになる、イタリア系のオルグ活動家夫婦の活発でいきいきとした人物造型や、生活感が滲み出た彼らの暮らしぶりを活写する確かな演出手腕。また、彼らを力づくで排除すべく、ならず者たちが繰り出す残忍な暴力を鋭角的なカメラ・アングル、構図でたたみかけるように捉える場面は、スリルと緊迫感に満ち溢れ、『キッスで殺せ』の鮮烈なノワール世界と直結している。
 さらに、本作を要注目作にしているもう1つの重要なポイントがある。それというのも、今なお深い闇に包まれた赤狩り時代の映画人たちの知られざる苦闘ぶりや人物相関ネットワークに光を投じた上島春彦氏の必読書「レッドパージ・ハリウッド」によると、この映画の脚本を、当時ブラックリストに載って地下に潜伏中だった先述のポロンスキーが(クレジット名義のハリー・クライナーをフロントに使って)執筆した可能性がきわめて高いとされているからだ。そして、ここから翻って本作をあらためて冒頭から眺めてみると、既に氏も同書で示唆しているように、この『ガーメント・ジャングル』が、資本主義の非情な論理に則って社会の頂点をめざす主人公の上昇志向と、そこから奈落の底への急降下をこの上なく鮮烈に描き切ったポロンスキー監督・脚本の屈指の傑作『苦い報酬』と、深い共通点を持っていることが見えてくる。映画ファンは、何はなくとも必見と言えよう。

地獄へ秒読み.jpgLIKE A ROLLING STONE
 さて、『ガーメント・ジャングル』で不意に監督の口をクビになり、その上、その後しばらくハリウッドで仕事を干されることとなったアルドリッチは、やむなく異国の地に活路を求め、ヨーロッパやメキシコで数本映画を撮ることになるが、ここでも作品の最終編集権を奪われて不本意な結果しか残せず、しばらく苦戦を強いられることになる。第ニ次大戦直後の荒廃したベルリンの地で、不発弾処理という命がけの仕事に従事することになった元爆撃部隊のドイツ兵たちの決死の運命を息詰まるタッチで描いた『地獄へ秒読み』もそのうちの1本で、アルドリッチ自身の当初のヴァージョンでは131分あった作品の長さが、プロデューサーらの手で切り刻まれ、現行版では95分にまで短縮されることになった(なお晩年の彼が、アメリカ監督組合の会長として、監督の権利保全と地位向上のために尽力したことも忘れてはならないだろう)。

BRINGING IT ALL BACK HOME
 しかし、『攻撃』以来、久方ぶりとなる自身の企画・プロデュースによる会心作『何がジェーンに起ったか?』で成功を収め、ハリウッドへのカムバックを見事に果たしたアルドリッチは、リー・マーヴィン扮する連合軍将校が、熟練の猛獣使いよろしく巧みな指導力と統率力で、ジョン・カサヴェテス、チャールズ・ブロンソンら、12人の凶悪犯たちを優秀な特殊戦闘部隊へと仕立て上げ、いざ敵地に乗り込んで隠密作戦に挑む様子をスリル満点に描いた痛快戦争活劇、『特攻大作戦』でさらなる大ヒットを記録。その勢いを駆って映画作りの拠点となる小さな撮影所を購入し、遂にアルドリッチは念願の自らの映画スタジオを切り盛りするまでに至る。しかし残念なことに、その後自らの企画・プロデュースで放った『甘い抱擁』(1968)、『傷だらけの挽歌』等の野心作が相次いで興行的に惨敗して借金が膨らみ、5年足らずで彼はまたスタジオを手放すはめに陥ってしまうのだ。
 とはいえ、その後も幾度となく人生の浮沈を経験しながら、苦境のどん底の中でも決して諦めず、不屈の精神で闘い続けたアルドリッチは、その度に不死鳥のごとく蘇り(飛べ!フェニックス)、惜しくも遂に遺作となってしまった『カリフォルニア・ドールズ』(1981)では、彼の原点たるリングに立ち返って血沸き肉躍る魅力満点の会心作を生み出し、その傷だらけの闘争人生を見事なまでに晴れやかで豪快なハッピーエンドで締めくくってみせるのである。


<オンエア一覧>
特攻大作戦」 12月13日(日)午前8:15 [191ch][HV][5.1][字]
枯葉」 12月14日(月)午前8:00 [191ch][HV][字]
攻撃」 12月15日(火)午前8:00 [191ch][HV][字]
地獄へ秒読み」 12月16日(水)午前8:05 [191ch][字]
キッスで殺せ[完全版]」 12月17日(木)午前8:00 [191ch][字]
ガーメント・ジャングル」 12月18日(金)午前8:10 [191ch][HV][字]



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