サイコは何を描いたのか!?(2015/1/14配信)

2015/01/16

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この日のテーマは『サイコは何を描いたのか!?』。
サンキュータツオさん、海下真夕さん、松崎健夫さんでお送りしました!


健夫さんの持ち込み企画だった今回のテーマ。過去2回ぷらすとでヒッチコックを語るも全然語り足りず、中でも語り口が多い「サイコ」をいつかやりたいと思っていたという健夫さん。今回は「サイコ」だけに焦点をあて語って頂きました!


現在ひとつのジャンルとして確立されている"サイコサスペンス"。
「サイコ」が無かったら"サイコサスペンス"というジャンルは開拓されなかったかもしれない、そしてヒッチコックが凄い監督であることが証明された作品、と冒頭に語った健夫さん。
そ れまで監督として「裏窓」、「泥棒成金」、「知りすぎていた男」、前年には「北北西に進路を取れ」とメガヒット作品を世に送り出していたヒッチコックは、 1960年に撮った「サイコ」で誰もやった事がないようなジャンルを開拓。当時ヒッチコックは61歳。同年代の世界的に有名な監督と比較しても新しいもの に挑戦しようという気持ちが凄く強かったそうです。

番組前半、まずは「サイコ」の公開当時の評価について語られました。
当時日本では、文化人や映画評論家が選出する1960年の映画ランキングで35位。アメリカでも評価が低く、アカデミー賞にノミネートはされるも受賞なりませんでした。
お客さんに初めて観て楽しんでもらうため、映画の内容を前情報として出さずに、評論家向けの試写をやらなかったヒッチコック。評論家たちは前もって見ることができなかったので評価しなかったのだとか。

続いて「サイコ」のモノクロ映像についてトーク。
カラー全盛の当時、なぜモノクロで撮られたのか?ヘイズ・コードという規制の中で作られていたことがその理由のひとつ。カラーで撮るとあまりにもシャワーシーンの血の色がどぎつかったため、モノクロにしたのだそう。
も う一つの理由として、この作品を観ている人にまず犯罪映画と思わせるために、当時のフィルムノワールの感じを出そうとしたことも挙げられました。フイルム ノワールは白と黒、特に黒、影の部分を作る事が特徴。「サイコ」も黒い部分を強調させるためにモノクロで撮ったのではないかと、健夫さんは考察。

番組中盤は、有名なシャワーシーンについて健夫さんが解説。
当時は女性のバストトップが映ることはNGで、殺人行為を撮る事自体も挑戦的だった時代。タイトルデザインを作ったソウル・バスが、ヌードシーンでも殺人シーンでも大丈夫なカット割りを考え、その絵コンテを元にヒッチコックが撮影したとのこと。
なんと、シャワーシーンの撮影に費やした時間は1週間!!
「サイコ」自体の撮影期間は3週間で、3分の1にあたる1週間をたった45秒ぐらいのシャワーシーンにあてたのだとか!

シャワーシーンを語る上で、スタッフ側から見た「ヒッチコック&メイキング・オブ・サイコ」という本、そしてその本に対をなすジャネット・リー側から書かれた「サイコ・シャワー」を健夫さんに紹介して頂きました。
ソウル・バスが演出した説、ジャネット・リー自身演じていない説など、ヒッチコック自身もインタビューによって言う事が変わるため、様々な説が存在しミステリーが詰まっているシャワーシーン。
さらにヒッチコックのシャワーシーンにまつわる策士なエピソードも続きます。
完成作品にバストトップが映っていると指摘をうけるも、のらりくらりと話術でかわしたり、修正したと言って実際は修正していなかったり...。殺人シーンに隠れて映画で初めて便器のカットを登場させたりと、とにかく策士っぷりがスゴい...!

続いて「サイコ」の宣伝方法について語られました。
ネタばれを防ぐためにそれまでOKだった途中入場を禁止。途中入場ができないため、チケットを買うためニューヨークのど真ん中で列を成したお客さんたち。そうして生まれた行列が格好の宣伝になったそうです。
また予告編についても語られます。劇中のカットをいっさい見せず、ヒッチコックが「サイコ」のセットを説明するというもの。内容を見せないことで逆に興味を引いたのでした!

それまで恐怖としてアメリカ映画で題材になったのは、殺人鬼よりもモンスター。しかし1940年代第二次時世界大戦がはじまり、実際に人殺しが身近に行われるようになったことで、モンスターは説得力がなくなってしまったとのこと。
そんな時に田舎の狭いコミュニティで実際に起きたエド・ゲイン事件。
当時センセーショナルに報じられたこの事件の、一般の生活の中に異常者が潜むいうことに、ピンときたヒッチコック。
「サイコ」は今見るとそれほど恐怖ではないけど、演出の斬新さや、当時の世相を感じさせる人間の側面の描き方は色褪せない、と健夫さんは語りました。

番組後半は、ノーマン・ベイツ役のアンソニー・パーキンスについて深掘り。
当 時は2枚目の色男的存在だったアンソニー・パーキンス。そんな彼がこの役をやったことは、とても衝撃的だったそう。ジャズアルバムを出したり、多彩な面も 持つというアンソニー・パーキンスですが、サイコのイメージが強く、23年後の83年にサイコ2に出演。その後3、4と出演が続きました。語られた彼の人 生の不遇さはサイコの呪いのようにも思えるものでした。

他にもジャン・ギャビンやジャネット・リーの娘ジェイミー・リー・カーティスのエピソードなど、次々に面白い人間模様が語られました。
サイコの音楽を担当したバーナード・ハーマンのつながりで、ヒッチコックの映画人後継者と言われているデ・パルマ、「サイコ」大好きというスコセッシの話にも展開。
ヒッチコックが「サイコ」で成し遂げたことは後の映画人に、ものすごい影響を与えたのでした!

「サイコ」だけにスポットを当てて語って頂いた今回でしたが、今回もあっという間に時間が過ぎてしまいました...健夫さんはまだまだ語り足りない様子!
配信で語って頂いたヒッチコックの仕掛けの数々をふまえ、WOWOWで放送の「サイコ」も是非お楽しみ下さい!

↓この日健夫さんにご紹介頂いた資料の数々!
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WOWOWシネマで1/17(土)午前11:00放送

また現在放送中のサイコ前章「ベイツ・モーテル」では特設サイトで健夫さんによる見どころを毎話公開中!こちらも是非チェックしてみてください!
WOWOWプライムで毎週木曜よる11:00放送中

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