恋愛映画のいま (2015/1/22配信)

2015/01/23

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今回のテーマは『恋愛映画のいま』
サンキュータツオさん、宇野維正さん、池田裕子さんでお送りしました!

今回は昨年の『2014年ベスト映画決定!』のぷらすとで、「抱きしめたい -真実の物語-」を推した宇野さんをゲストに迎え、恋愛映画について深掘り!

恋愛映画と一口に言っても、そもそも恋愛要素を描かない映画は少ないし、ジャンルの幅がかなり広い!ということで、今回は00年代以降の邦画における恋愛映画についてがテーマ。
まずは「抱きしめたい -真実の物語-」のお話から。
宇野さんが2014年のベスト映画に推したのには、今の日本の他の恋愛映画に対するアンチテーゼをわかってほしいという意味合いがあったのだとか。

「抱きしめたい -真実の物語-」は誠実に撮られていて、まるで教科書みたいにそのままスーッと入ってくる、これぞ映画!という完璧な作品。
この映画の凄いところは、普通盛り上げに使いたいような要素を最初に全部見せて、そこから物語を始めるところにあるのだとか。
物語の展開がどうなるのかどきどきさせるのがストーリーテリングを維持するために一番重要なことだけれど、それをしないのはよっぽど自信がないとできないこと。
さらに、心の機微の描写も秀逸。この映画の主人公は、北川景子さん演じる障害を抱え車いすに乗るつかさと、錦戸亮さん演じる健常者の雅己。全てのシーンで 車いすに座る人の目線と普通の人の目線の高低が描かれていて、二人の目線がどう絡むのか、視線の高さですべてが物語られています。

タツオさんが一番すごいと思ったのはつかさと雅己の父、武雄のお茶のシーン。お茶を入れるつかさと、手伝う武雄の関係性で障害とは何かをが描いてます。
お茶や食卓のシーンが多く出てきますが、「北川景子のお茶シーンはいちいちぐっとくる」とのコメントもあったように、空間や食事シーンに描かれた心の機微がみなさんの心も掴みます。

「抱きしめたい -真実の物語-」には大告白シーンや濡れ場などの恋愛映画におけるピークのシーンは無いけれど、ぐっと心に迫るようなシーンがいっぱい。もっとみんなに見てほしい!という宇野さんの熱量が伝わってきました。

ここからは恋愛映画が作られた背景や流れを宇野さんに解説していただきました!
冒頭では過去最大の準備をしてきてくださったとおっしゃられていましたが、お手製のフリップでお話しいただきました!

まず、昔の日本映画は男向け。女優さん脱ぐか脱がないかというのが一つのポイントで、恋愛と言うより性愛が描かれていたのだとか。恋愛を得意としてたのは 東京ラブストーリーに代表されるトレンディドラマ。基本的にドラマは恋愛、映画は性愛に向いていて、メディアによって棲み分けがされていました。
しかし、1995年に公開された「Love Letter」、そして2004年の「世界の中心で、愛をさけぶ」がエポックメイキングな作品に。
「Love Letter」は日本だけでなくアジアでも流行し、90年代の日本を代表するコンテンツでした。この映画を撮ったのは岩井俊二監督。そしてカメラマンが篠田昇さん。この二人のタッグが新しい時代を築きました。
恋愛映画において重要なポイントはルックと言われる映像の質感。このルックが綺麗なことは、映画のヒットを分けるとも言えるほど重要な要素。篠田さんの撮った映画が日本の恋愛映画のスタンダードを決めたそうです。

そして岩井監督のDNAを受け継ぐのが行定勲監督。「世界の中心で、愛をさけぶ」は行定監督と篠田さんのタッグによって撮られた作品。この作品が現代日本 恋愛映画の流れを作ったのだとか。この映画がヒットしたことで同じ様な映画が出てきてそれが10年続いているそうです。
以降、90年代中盤頃までドラマで描かれていた恋愛が映画で描かれるようになり、役割がクロスするようになりました。

ここで、宇野さん的少女漫画原作恋愛映画監督四天王を発表!
・三木孝浩監督(「アオハライド」「ホットロード」「陽だまりの彼女」など)
・廣木隆一監督(「ストロボ・エッジ」「娚の一生」「余命1ヶ月の花嫁」など)
・熊澤尚人監督(「近キョリ恋愛」「君に届け」「虹の女神 Rainbow Song」など)
・新城毅彦監督(「潔く柔く きよくやわく」「パラダイス・キス」「僕の初恋をキミに捧ぐ」など)

篠田イズムを継承しているかもしれないと言われているのが三木監督で、あのルックに一番近いことをしているのだとか。撮られた作品がどれもヒットしてい て、今の少女漫画原作恋愛映画を撮っているトップエース!これだけ撮っていて、どれもこけていないのはすごいと宇野さんは語られました。熊澤監督は岩井監 督の映画のプロデュースを行っていて、岩井イズムを継承する人の一人。岩井監督の映画を好きな人が期待して観に行ったのが虹の女神だそうです。
この中でも、宇野さんは三木監督を再評価しているのだとか。三木監督の漫画のイメージをそのまま借りてしまうような演出の仕方について問題提起しながら も、女の子を綺麗に撮れるということが、それだけでも他の映画と差別化できるブランドに足り得ているのだとか。だんだんと良くなっていて期待感を持ってい るそうです。

そしてみなさんのオススメ恋愛作品も聴いちゃいました!

タツオさんはアニメ作品から、「耳をすませば」「CLANNAD AFTER STORY」「たまこラブストーリー」。
特にCLANNADは観て損はない!と激推し。

裕子氏のオススメは「彼氏彼女の事情」。
恋愛だけじゃないから、10代の子が抱えている悩みが全部入っていて、成長がそのまま見られるのだとか。

そして宇野さん的2010年以降のベスト恋愛映画は「恋の渦」「横道世之介」「さんかく」
モテキの大根仁さんが監督。
チャラい男女の本音と嘘をそれぞれのキャラクターの部屋の中だけで撮っていて、とてつもなく凄い映画なのだとか!
覗き見チックな表現が生々しく突出していて素晴らしいとのこと。

横道世之介はプラトニックでキュンキュンするような綺麗な恋愛が描かれていて、観てない人は是非見てほしいとオススメ。

「さんかく」は原作無しのオリジナル脚本。原作があると比べてしまいがちだけれど、オリジナルなので先入観なく楽しめるのもポイント。
監督の吉田恵輔さんが撮ったことで、オリジナルの脚本の凄さがわかるのだとか。

そして最後は気になる恋愛映画の未来について。
10代に観る映画は大事で、それで映画が好きになるかどうか変わるからこそ、若い人たちには良い映画を観てほしい!と宇野さんは語りました。
テレビドラマから恋愛ドラマが衰退していったけれど、テラスハウスが流行った様に、コンテンツの形態が変わっただけで恋愛作品自体はホットなジャンル。
映画体験をするのに恋愛映画は敷居が低いし、少女漫画しか知らない人がそれをきっかけに洋画などにも視野を広げていけると素敵ですよね。

WOWOWでは1/25(日)午前11:15より抱きしめたい -真実の物語-を放送!
宇野さん大絶賛の映画的な魅力に溢れた作品は必見です。

そしてWOWOW FILMS「娚の一生」2/14公開記念特集[恋愛映画編]として、大人だからこそ心にしみるラブストーリー映画の数々をセレクト!
2/14(土)より全8作品をお届けいたします。

ぜひ今回のぷらすととあわせてお楽しみください!

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