「役者は一日にしてならず」出版記念! (2015/2/26配信)

2015/03/02

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今回のテーマは『「役者は一日にしてならず」出版記念! 』

サンキュータツオさん、春日太一さん、早織さんでお送りしました!



OPトークでは3か月ぶりの出演で緊張ぎみだと話していた春日さん。しかし今回もそんな緊張は感じさせない程の無双トークが炸裂!

この日は春日太一さんの著作「役者は一日にしてならず」の出版を記念して、春日さんが触れた役者魂をたっぷり伺いました!

 

「役者は一日にしてならず」は春日さんの週刊ポストでの連載の書籍化で、単純にそのまとめではなく、連載時には掲載されなかったエピソードを加筆収録!16名のベテラン俳優さんがどういう来歴で役者になり、どんな仕事を経て何を考え役を選んできたかがわかる春日さんならではの1冊!登場する俳優さんや本の詳細はコチラから要チェックです!⇒http://jidaigeki.no-mania.com/Entry/169/

 

春日さんはインタビューの最初に必ず、「何故役者になったのか」を聞くそうですが、なんと、役者になろうと思ってなった人はほとんどいないのだそう!皆さんなんらかの挫折を経て、流れ流れて役者の仕事に就いた人ばかり。滞納している学費返済のお金を稼ぐ為に、監督になりたかったけど大学に入れずどうしようか迷っているうちに、料理人を目指していたけど修行するのが嫌でやめた、ホテルマンとして就職したけど出世できず他の仕事を探しているうちに、などなど役者の仕事が好きだったり役者に憧れてなる人はインタビューを行った人の中にはいなかったのだそう。近藤正臣さんの「役者は目指すもんじゃない、消去法でなるものだ」という言葉はまさにこのことを象徴しています。どの人も、挫折してこの道に来たけど、もう引き返せない、この道しかないと必至にしがみついてきた人ばかり。憧れでなると、ちょっとの挫折で現実と理想のギャップに悩むけれど、先に挫折しているために、そのギャップに悩まずにこういうもんだと現実を受け入れることができるそうです。

 

インタビューを行うまでは、役者とは自意識と自我の塊で、目立ちたがり屋だからこの仕事をしているんだと誤解していた春日さん。しかしインタビューを通して、役者は絶えず自意識や自我との葛藤の中にいるということに気付いたのだそう。役者が持つ自意識はどうしたら技術が身につくのか、表現することができるのか、という向上心であり、まさに職人。目立ちたがりよりもむしろ内向的で内省的な人が多く、役がないと喋れないという人も。役と言う仮面があるから自分の中の内面が自由に動き出し、役を演じることで内省的な自分を解放できるという意識には早織さんも共感。演技レッスン受け始めた当初は、台本があるから声を出せたり、人物に感情を投影して演技をする中にリラックスしてる自分を見たのが一番の驚きだったと語りました。

 

こうしたインタビューの中で、春日さんは名優の4つの条件を発見!

・高い自己抑制意識

・自己コントロール

・厳しい自己評価

・ロジックの先を追い求める意識

 

1つ目は俺が俺がという我を出さず、自分は役や作品の部品に過ぎないと抑制する意識。その上で、演技が自分の感情に引っ張られすぎず、どう画面に映るべきか、果たしてその選択がドラマの中で正しいのか、を計算しコントロールする客観性が2つ目の条件。3つ目は一番厳しいお客さんの目を自分で持つということで、「名演技だった」と言われたとき、「その作品に良く気付いてくれたね」、「その作品を観てくれありがとう」はあったとしても、嬉しそうな顔する人はいないのだとか。そして役者はこれらの計算や技術、意識を積み重ねそれを発射台にして、ロジックの向こう側にある感性の世界に飛び込むのだそう。

 

次に語られたのが「脇役論」

脇役は主役をどう立てるかが第一。その為には自分がかっこつけてはダメ。脇役が頑張りすぎてしまう場合がありますが、目線をどうしたらいいかわからなくなり芝居が喧嘩してしまいます。すっと存在を消し、消えているからこそ存在するが良い脇役。脇役は演出家としての計算が働いていて、主役を輝かせるために、全体の歯車として自分が何をするか考えています。

そこで重要になるのが受けの芝居。例えば犯人の独白を聞く刑事など話しの聴き手役のこと。うんうん頷きまくってもそちらに意識が行ってしまうし、ぼーっと聞いているだけでは画を殺してしまいますが、良い役者は何もせずにそこにいるだけでも、犯人の独白が余計ドラマチックに匂い立ってくるのだそう。

その受けの芝居のテクニックが目線と呼吸。人は普段会話するとき、お互いの目を見つめ続けて会話することはほとんどありません。だからこそ、聴いているだけなのに存在する受けの芝居では目を合わさずどこか一点を見つめているのだそう。上を仰ぐように見ていると興味がない素振り、腕を組んで下を見ていると考えている様子を表すなど、ただ相手を見つめるだけでは画として伝わらないことを目線で表現しています。

さらに、「へぇ~」と息を吸うと興味を持っているように、「ふーん」と息を吐くと退屈な様子を見せるなど、呼吸によって見え方が変わる受けの芝居の奥深さを実感しました。

 

この本の中でインタビューされている16名の役者さんは、全員悪役を演じたことがある人。

役者さん自身は悪な人ではないのに、どうしたらあんなにすごい悪役を演じられるんだろう、何故あんな目をできるんだろうと思った春日さんは、「悪を演じるってどういうこと?」をインタビューの中でぶつけたのだそう。その中で、近藤正臣さんは「善人より悪人の方が演じていて面白い」と回答。善人は一通りだけれど悪人は複雑で、色んな側面や触り甲斐があるのは悪役の面白さ。悪を悪と思い憎々しく怖そうに演じてもお客さんにその怖さは伝わらないため、その道に行くしかなかった人だと思って演じるのだとか。しかしそれは役者の道に行くしかなかった自身とも重なること。自分自身と背中合わせな影の存在として生々しく実感を込めて捉えているからこそリアルに演じられるようです。

 

俳優の美意識や台本の読み方、さらに肉体論や春日さんのインタビュー技術についてまで、この他にもここには書ききれなかった超濃厚なお話が満載の配信となりました!ちなみに、脇役論の中にあった目線をはずすテクニック、春日さんは配信中に実践されていたのです!近日W流にアーカイブ公開予定ですので、ぜひチェックしてみてくださいね!

春日さんの著作「役者は一日にしてならず」は現在発売中!1616通りの人生と役者論、必見です!!⇒http://jidaigeki.no-mania.com/Entry/169/

 

WOWOWでは春日さんがインタビューされた役者さんも出演している「金田一耕助」シリーズの5作品を3/1()一挙放送!⇒http://bit.ly/1LPUrv8

「役者は一日にしてならず」、そして本日のぷらすととあわせてお楽しみください!


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