市川崑に出会う(2015/4/9配信)

2015/04/13

市川崑に出会う_re.jpg

今回のテーマは『市川崑に出会う』

サンキュータツオさん、春日太一さん、浅賀優美さんでお送りしました!

この日も春日さん完全燃焼の無双トークが炸裂!今回は初めて市川崑作品に触れる人にもわかる入門編として、番組前半は市川崑の人となりとその人生について、後半は作品の特徴を教えていただきました!

 

市川崑監督は一言で言うとモダニストでクールな演出が特徴。そして監督作品には、たくましい女と飄々とした男がマウントを取り合うという法則があります。これは生まれ育ちに大きく影響を受けていて、幼い頃に父親を失い、母親とお姉さん二人の女系家族。子供の頃は絵ばかり描いてて、アニメに出会い虜になります。

これを聞いたタツオさん、「え?!俺じゃん!!あれ?俺、市川タツオ?」と驚愕!

さらに、タツオさんと全く同じじゃねえか!と気付いてザワザワしたという春日さんは配信前夜にタツオさんに「もしタツオさんが男と女のラブストーリー作るならどうしますか?」と質問。すると「ちゃんとした女とだらしない男の物語で、女性が男性を引き上げていくような話が良い」との答え。これは、市川崑監督がずっと描いてきたものと一緒なのです!もはや怖いぐらいの一致具合に一同騒然!

 

ただ、市川崑監督と今のタツオさんには違いがあるという春日さん。それが市川崑監督の奥さんとなる由美子夫人の存在。市川崑監督のキャリアはアニメーターからスタートし、実写助監督の頃に由美子夫人と出会います。助監督時代のモチベーションは、監督デビューしたら結婚するということ。その後「花ひらく」で無事デビューし結婚するのですが、なんとこのデビュー作の脚本を相手が持ってきたのが由美子夫人!

彼女は東宝で英語の通訳をしていた才女。次作の脚本を書いたけどおもしろくない、と夫人に相談してみたところ、じゃあこれどう?とサラッと書いてくれた脚本がとてつもなく素晴らしい出来。そこから二人は和田夏十として共同脚本になり、二人は二人三脚で歩んでいきます。

 

由美子夫人は優秀な脚本家で奥さんであると同時に、プロデューサーでマネージャー。苦しんだときにはアドバイスをくれる頼もしい存在で、二人はのび太くんとドラえもんのような関係性。でも、ただ甘やかすだけでなく、演出に対して厳しくダメ出しもするし良いところは褒めるという人。

春日さんは「タツオさんにはこの女性が必要なんだよな~」としみじみ。タツオさんも「いいな~」「最高じゃん」「女神じゃん」「尊敬できる女性と結婚したい!」と終始羨ましそうにつぶやいていたのでした。笑

 

市川崑作品は、

第一期が試行錯誤期

第二期が都会派コメディ期

第三期が大監督時代

第四機がリハビリ期

第五期が最終期

に分けられます。

 

一期には主人公の男性が主体的ではなくふわふわしていて、バイタリティ溢れる周りの女性がガンガン動いて物語が進む、という演出が夏十さんによって確立。二期には日本的なものから脱却したいと言う価値観から、モダンでクールな世界観とスピーディーな喋りのスタイリッシュな作品を生み出します。情を客観的かつ徹底的に解体した感動させない演出と、台詞を食い気味にカッティングするハイテンポな編集は特徴的。スタイリッシュさは日本家屋やふすまの撮り方に代表される幾何学的空間の映像解釈にも表れています。

 

三期には「ビルマの竪琴」がアカデミー外国語映画賞にノミネートされ、文芸監督としての地位を築きますが、四期に夏十さんが乳がんになり闘病のため断筆。最愛の相方を失い、市川崑監督はゆっくり考えたい宣言をします。ドキュメンタリーやCMを撮り始め、映画の第一線から外れますが、8年後、テレビシリーズの「木枯らし門次郎」で復帰。その後何作か撮りながらリハビリをし、「犬神家の一族」で本格復活しました。

 

なんと今回春日さんは「帰って来た木枯し紋次郎」の直筆生絵コンテを持ってきてくださいました!プロデューサーさんから直々にもらったというお宝です!市川崑作品の特徴に、映像は撮るというより絵と絵を繋げ合わせて作るということが挙げられますが、構図・色味・シルエットへのディテールなど、ビジュアルへの意識の強さがこのコンテからも見てとれます。

 

そして、第五期に二人の最終作、「細雪」を撮ります。この作品のラストシーンは闘病の限界にいる夏十さんが書いたもの。このシーンには二つの意味があると思うという春日さん。ひとつは昔の賑やかだったころを思い出すは夏十さんの心境。そしてもうひとつが「あんたまだ若いんだから気にしなさんな」というセリフに込められた市川崑監督への最後のラブレター。この作品は、エンディングで徹底的に突き放すことで一切涙流させない市川崑作品の中でも数少ない泣ける映画なのです。そして「細雪」は夏十さんが完成を見ないままに遺作となました。

 

夏十さんという羅針盤を失った84年以降、市川崑監督は大瞑想時代へ。沈みゆく日本映画界の人柱とも言われてしまうほどで、監督クラッシャーという悲劇にも遭いボロボロになってしまいますが、後年はテクノロジーに興味を持ち作品作りを行いました。

 

市川崑監督は1915年に生まれ、今年で生誕100年。春日さんは、リアルタイムで観てきた最後の巨匠かもと語りました。

 

春日さんのベスト3は「悪魔の手毬唄」「炎上」「黒い十人の女」。「悪魔の手毬唄」と「黒い十人の女」はWOWOWでも放送がありますのでお楽しみに!

 

また、市川崑監督はキャスティングの名士との話がありましたが、その上手さに加え、市川崑印として出てくるのが浜村純さん。彼は登場すると急に話が不穏になるアイコンなのです。このことを気にしながら観るとまた一層と面白くなるはず!ほぼ全作に出てくるので、ぜひ放送でも注目してみてください!

 

≪映画に出会う![市川崑生誕100年記念]≫4/20()~放送!⇒http://bit.ly/1IPVhW9

 

≪「金田一耕助」シリーズ5作品一挙放送≫5/2()~放送!⇒http://bit.ly/1Gw9sCq

アーカイブ

2018年

2017年

2016年

2016年3月

2015年

2015年3月
2015年6月
2015年7月

ブログを購読する ブログを購読する

WOWOWぷらすと 公式Twitter

WOWOWぷらすと 公式Facebook

ぷらすと 公式Instagram

WOWOWは初月料金なしでお得!ご加入はこちら

▲ページTOPへ