都会と映画、そして独身(2015/4/14配信)

2015/04/15

都市と映画と独身.jpg

今回のテーマは『都会と映画、そして独身』

速水健朗さん、宇野維正さん、梨衣名さんでお送りしました!

この日は速水さんの初持ち込み企画!速水さんは「シングルトン」と言う本を読んで、独身に興味を持ち始めたのだとか。シングルトンとは単身生活の独身者のこと。梨衣名ちゃんもシングルトンです。かつて独身生活は結婚するまでのつなぎの段階でしたが、現代の社会を構成するシングルトンは仕事をして自分の生活を楽しんでいる人が増え、その存在が変わってきています。そうした都市型独身生活者層を、人生を自分で選択している人達と定義すると、シングルトン映画を再構築できるんじゃないかと話す速水さん。そのきっかけとなったのが「ブリジット・ジョーンズの日記」で、この作品には独身女性の恋と仕事の悩みが綴られ、都市化・女性の自立・当時の好景気下のロンドンの発展が全て入っていると語られました。

 

また、人々の憧れを描くテレビドラマにおける独身像についてもトーク。

トレンディドラマの二大スターとしてテレビドラマ界を引っ張ってきたのが木村拓哉さんと織田裕二さん。

この二人の共通点は、私生活では結婚しているにも関わらず40代に入るまでずっと独身を演じ続けてきたということ。木村拓哉さんはこの春のドラマで初めての既婚者役。この二人は日本の累計的な独身像でした。また、職業物を演じてきた二人でもありますが、その職種は対局的で、木村拓哉さんは男の子の憧れの職業を、織田裕二さんは公務員を演じてきました。職業物になっちゃったのは、家族を演じさせたくない視聴者の力学もあっただろうと語った速水さん。宇野さんは、遂にこの二人が独身じゃなくなる時代の変わり目にいて、独身カルチャーが映画やドラマの世界では一蹴したんじゃないかと考察。80年代以降はトレンディドラマが憧れでしたが恋愛ものが少なくなり、織田裕二さんと木村拓哉さんが既婚者役を演じるようになったように、家族が憧れとなってきたのかもしれません。

 

番組中盤では、恋愛映画特集以来の準備をしてきてくださったという宇野さんにより、独身映画を四分類!

◆マーティン・スコセッシ型「ダチ(=仲間)最高!」

結婚はしていても結婚生活不適合者だったり、女好きというより仲間とうだうだしているホモソーシャルが描かれるのが特徴。スコセッシのベースには、カトリック的な処女じゃない女は娼婦という古い価値観があり、まともな恋愛関係を築けないのは女性をその2分類にしかしていないから。

また、独身者の狂気を描く巨匠でもあり、処女性への思い込みから狂気に走る男性や、都市で独り暮らしをする独身男性が狂っていく様なども描かれます。

 

◆ウディ・アレン型「恋ってやつは・・・・・・」

都市が独身映画と密接に関わっていることを象徴するNYの二大巨匠の一人ですが、スコセッシと違うのは恋愛至上主義なこと。ウディ自身も年を重ねても独身の気持ちで若い女の子にずっとときめいていて、若い女性に対する執着は異常なんだとか。また、ウディにはユダヤ系背景があり、家庭での母の抑圧のカウンターが独身であり、独身は都会の成功者ではなく家族から逃れるための発明だったとも語られました。

 

◆ロバート・アルトマン型「男が独りで生きるということは」

「ロング・グッドバイ」に象徴される、ハードボイルドのチャーミングな在り方の原型。男が独りで生きていくうちに、マイルールができて自分のスタイルを作りすぎる男の系譜を描いていて、家を潔癖に保ち自分の城になっちゃってる状態もその一つ。

 

◆マイク・ニコルズ型「結婚は偽善だ(それに、まだヤりまくりたいんだもん)」

ニコルズは夫婦生活の欺瞞性を描いた「バージニア・ウルフなんかこわくない」の舞台の演出でデビュー。

結婚生活に疑問を呈することから始まった作家で、「クローサー」では結婚が如何にフラジャイルなものであるのかを描写。結婚は偽善だと否定するが故にに独身を描くタイプです。

 

これを踏まえて、みなさんの独身時代についてもトーク。

番組冒頭で「30代前半までを独身で過ごして地獄だった」と語った宇野さん。恋愛至上主義的なのが20代後半まで続いたのが、だんだんダチ最高+狂気に共存移行していって、最終的にはハードボイルドの方へ行って部屋が綺麗になり、ニコルズ型以外は段階的に踏んだと語ってくれました。

 

また、この4つは男性目線な分類でしたが、女性の独身にも当てはまるという梨衣名ちゃん。

女友達が多い独身はスコセッシ型、結婚欲が強すぎて慎重になっちゃうのがウディ型、趣味が充実して満足している独身はアルトマン型、バツイチの男の人に魅力を感じる人はニコルズ型。スコセッシ型の「セックス・アンド・ザ・シティ」が出てきたように、女性が一人で生きることを肯定的に描くことも最近の傾向です。

 

番組最後はみなさんが持つ独身イメージの役者さんを発表!

梨衣名ちゃんが好きなのは阿部寛さん。宇野さんは独身を演じさせて最高な役者としてジェイク・ギレンホールとライアン・ゴズリングを、速水さんは女性の独身役の憧れとして深津絵里さんを挙げてくださいました!

 

今回は珍しい3人の組み合わせでしたが、それぞれの結婚経験からのお話や、社会的思想のお話まで興味深いお話を沢山聴くことができました!次この3人で何話す?といろんなテーマも出ましたが、またこの組み合わせでの回にも期待です!

 

そしてWOWOWでは【恋するふたりの文学講座】を4/16(木)よる9:00より放送!

http://bit.ly/1cvb6b0

 

大都会ニューヨークと地方のオハイオ、2つの土地を行き来しながら心が揺れ動く主人公の独身男性ジェシーのヒューマン青春ラブストーリーです。今回のぷらすととあわせてお楽しみください!


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