「ヘンな論文」の楽しみ方 (2015/4/30配信)

2015/05/01

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今回のテーマは『「ヘンな論文」の楽しみ方』
サンキュータツオさん、春日太一さん、トミヤマユキコさん、玉木碧さんでお送りしました!

タツオさんの著書、「ヘンな論文」を紐解きながら、論文の世界、そして知を楽しむための秘訣を研究者目線でたっぷり深掘り!
春日さんは番組最後に「10年前に戻った気分。院生ラウンジでみんなで夜遅くまで話していたときを思い出した!」と懐かしそうにおっしゃられていましたが、アカデミックなお話を沢山伺いました!

オープニングトークから早速博士トークで大盛りあがり!
公開審査会の緊張感、論文タイトルが長くなりがちな理由、春日さんの博士号取得までの険しき道のりのドラマ、などなど色んなエピソードが語られました。

論文とは「2015年現在、○○ということが分かり、●●ということが分からないということが分かりました」ということをオフィシャルに残す文書で、100年後の人でもそれが読めるようになっている書式のもの。メディアが報道する研究論文は結果しか出ないことが多いですが、それは100個の内1個見つけた分かったことであり、その裏にある99の分からないってことが分かったということが大事。論文は研究の成果であり、研究の経過報告であり、研究しているという証明でもあるのです。

そこでみなさんが書いた卒業論文についても聞いてみました。
碧ちゃんは眠っている時に見る夢について、天明さんは和式便所と様式便所の座る位置は何故違うのかを研究。
最近は卒業論文を書かなくてもいい場合もありますが、トミヤマさんもそのパターン。でも卒論は書いとけばよかったと思ったそうで、いきなり修士論文に取り掛かったため相当苦労されたそう。
ちなみにその修士論文は江戸川乱歩の初期作品の研究。初期の短編作品だけを取り上げて、その物語内に出てくる屋根裏とか椅子の中など死角ばっかりを調べた論文なんだとか!
研究をするうえでまず最初に行うのが、過去に同じ研究をした人がいないかを確認する作業である先行研究。研究者が多い分野だと、先行研究だけでかなりの時間を費やす必要があります。トミヤマさんが研究した江戸川乱歩も相当学問人口が多いので、先行研究が大変だった様子。春日さんは先行研究がないからこそテレビ時代劇を選んだそうですが、それはそれで先行研究がないなりの苦労があったようです。
タツオさんも日本語と笑いの研究では、笑いの研究はいっぱいあっても、レトリックとして切り込んだ人がいなくて苦労したのだとか。こんなことやってて何かの役に立つの?時間の無駄なんじゃないの?研究テーマ変えた方が良いんじゃないの?など悩みながら、他の人は何を研究しているんだろうと図書館へ。
そこで会ったのがヘンな論文たち!そうした論文に勇気づけられ、ヘンな論文収集が始まったのです!

まずは皆さんに本の感想を伺いました!
トミヤマさんは、「おもしろかったし、かたよった意見かもしれないけど、日本語表現とか文章表現の授業の教科書にしたい!」と絶賛!論文にはコピペするようにそっくりそのまま引用する直接引用と、自分で言い換えて書く間接引用があるけれど、下手な人がすると引用した論文が本当に伝えたかったことが曲がってしまう可能性も。この本はそれぞれの論文ももちろん面白いけれど、書き手のタツオさんが直接引用と間接引用を巧みに使いながら論文を紹介。笑えておかしいんだけど、盛ってないしあくまで研究に対してはリスペクトした状態で紹介しているスタンスが取れているのが奇跡に近いと思うと語られました。
実は春日さんもトミヤマさんと全く同じ意見!最初は直接引用のスタイルが多い本だと思っていたのだそう。まさかタツオさんが噛み砕いて自分の文章で出し直しているとは思っていなくて、それは一歩間違うとタツオさんのフィルターが入った別物になることが恣意的に起こることもあるけれど、読んでみてその要約能力にすごく驚いたと語りました。

お二人の意見は初の指摘で、タツオさん自身も気にしていなかった点だったとか。この本が仕上がるまでには2段階を踏んでいて、もともとはラジオで紹介する為に喋る前提の台本を起こし、それを今度は読む用に書き直していて、だから自分の意見と先生たちとの意見は分けられてるかもとタツオさんは振り返りました。
そこで、皆さんの好きな論文を挙げていただき、裏話やそれぞれの先生とのエピソードなども教えて頂きました!
トミヤマさんが好きなのは『「湯たんぽ」異聞』!湯たんぽって誰でも知ってそうなことを、あれ?でも良く知らないかもしれないって混乱させにかかる感じがあって最高だった!と語りました。タツオさんには本には未掲載の湯たんぽグラビアの数々や、先生が湯たんぽを所蔵する別荘のお写真を見せて頂きました!

春日さんは『公園の斜面に座る「カップルの観察」』を読んで、「ホテル街を歩いている男女の関係性を考えるのって面白いから、もし自分が学生の時にこれを読んでいたら、自分がラブホテル研究やってたかも!」と男女の距離感研究を興味深く読んだよう。さらに、『「おっぱいの揺れ」とブラのずれ』の181ページから182ページにはタツオさんの狂気が含まれてるからみんな読んで!という春日さん。タツオさんは研究成果がわかったら実践はしたいよねーと話ましたが、トミヤマさんも"アレ"は研究に加担し始めてるところがヤバイと春日さんに同意。タツオさんは、春日さんも"アレ"やってみた方が良いよ!価値観変わるから!とオススメしていましたが、タツオさんの狂気が垣間見えるという噂の"アレ"が気になるあなたは・・・・是非「ヘンな論文」をチェックです!
碧ちゃんがおもしろかったというのは『女子高生と「男子の目」』!碧ちゃんはずっと驚愕だったそうですが、お洒落は男性からの目を気にしてするものではないということに共感!男子校出身の春日さん・タツオさん、女子校出身のトミヤマさんも学生時代を振り返りながらそれぞれの特徴を語りました。
番組内ではこのほかにも、学会発表のギャラリーの人数、博士課程へ行くための覚悟、検証してるだけなんだけど一見ちょっとキツそうに見える研究者特有のハッキリものを言う文化など、研究者あるあるもたくさんお話していただきました!

そして最後はタツオさんに本で紹介されている以外のヘンな論文も紹介していただきました!
◆「坊っちゃん」 と瀬戸内航路
◆竹取の翁の年齢について
◆「追いかけてくるもの」研究--諸相と変容
◆「手づくりお弁当テクニック」による好意獲得と説得効果
◆女子短大生の餅の喫食状況
◆「貸間」名称の変遷に関する一考察--連れ込み宿からラブホテルまで
◆英語の定期テスト高成績者が実力テストで成績が振るわないのはなぜか?
◆「腐女子」 の性的自己決定について

などなど、世の中にはタイトルだけでもわくわくする論文がいっぱい!
CiNiiで各論文の収録刊行物の検索や、PDFを閲覧できるものもあるので、気になった論文は是非チェックしてみてください!

さらにタツオさんは研究に関係がありそうなWOWOWの放送として、
【BBC earth2015】
【国際共同制作プロジェクト もしも建物が話せたら】
【パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間】
【8時間半一挙放送!TM NETWORK DAY】
もピックアップしてくださいました!

今回は各論文にまつわるエピソードはもちろん、アカデミズムな世界も沢山お話いただきました!でもまだまだ全然聞きたいことも話したいこともいっぱい!終了後アンケートの満足度も非常に高い配信となりました!

タツオさんの著書、「ヘンな論文」は好評発売中!
今まさに論文に直面している大学生や院生はもちろん、高校生も社会人も必見の1冊です!
研究者のやりたいことや知りたいことの情熱がたっぷり詰まった論文の世界に是非触れてみてください!

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