アナとアニメの帝王(2015/5/8配信)

2015/05/11

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今回のテーマは『アナとアニメの帝王』
中井圭さん、添野知生さん、松崎健夫さん、玉木碧さんでお送りしました!


大のディズニーファンという碧ちゃん。なんとこの日はアナのドレスで来てくれました!髪の毛もリボンをつけてばっちりセット!気合たっぷりです!

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まずはみなさんの子供の頃のディズニー体験について伺いました。

物心もないうちから自然に入ってきていたという碧ちゃん。この世代はディズニーが廉価版のビデオを家庭に普及させ始めたころで、ビデオを繰り返し見て育ってきた世代です。親御さんも特別好きというわけではなかったけれど、教育に良いからと見せられていたのだとか。対して、あまり映画館でディズニーアニメを見たという記憶はないという御三方。テレビ放映も滅多にないし、劇場の公開規模もそれほど大きくなかったという健夫さん。添野さんは、子供が一番最初に出会う絵本にディズニー作品があり、小さい子供の時にすでに暗記する位読んでいて、あとになってから劇場で出会うパターンだったと振り返りました。健夫さんも絵本とレコードの読み聞かせセットがあったと話し、ディズニーに関しては映画じゃないものが入口になっているということも多くありました。


ディズニーの創始者はウォルト・ディズニー。ウォルト自身は元々アニメーターでしたが、ある時期から実際の制作はアブ・アイワークスが行い、自身は企画立案やお金の算段をする側に回るようになりました。

アニメの歴史としてはディズニー以前から存在していて、初期には「恐竜ガーティ」と言う作品があったり、もっと遡ると映画以前から遊園地で絵が動く見世物があったりもしましたが、会社化しようとしたのはディズニーやフライシャー兄弟が最初の世代。設立当初からディズニーは短編アニメをずっと作っていましたが、この頃には会社が配給会社に食い物にされていたというトラウマが。

作る側は作品を配給会社に売って映画館でかけてもらわないと自分のお金になりません。しかし、配給側としては短編だしアニメーションだし、所詮そういうものと買いたたきにあってしまうのです。最初はコロンビアと契約していましたが、それがかなりの不平等条約。さんざん嫌な目に遭い、しかも自分達が作ったキャラクターを勝手にマーチャンダイジングで使われたりと嫌な経験を一杯したことで、知的財産の保護や、アニメを作り続けるためにしっかりマーチャンダイジングを回すという社風が出来上がりました。


そんな中、長編作品第一作目として登場したのが37年の「白雪姫」。

この作品は初のカラーアニメ。この頃はテクニカラーが発明されて定着しだした初期で、尚且つトーキー化されてからまだ10年。さらにフォトスコープの活用やミュージカル風に歌が入ることなど、その後のディズニー長編の礎となったことがたくさんある本当に特殊な作品でした。

また、1枚1枚絵を描いて成立させるアニメはやっぱりお金も時間もかかるし、それで短編をやってきたけれど収益が上がらないということで、賭けで長編を作って普通に映画館で流そうということ挑戦されたのが「白雪姫」。しかし製作当初はほとんどの人が話に乗ってくれなかったというのは有名な話。伝説によると、自分の資材を投げ出したりしながらもやっと作ったお金で何分かの作品を作り、それを銀行や投資家に見せたところ、素晴らしいからお金をだそうということになったのだそうです。


「白雪姫」のインパクトは大きく、アニメはそれまで子供向けのもので添え物な印象が強くありましたが、商売となって他の会社も作り出すように。この頃に「ピノキオ」「ファンタジア」「ダンボ」なども作られ、ディズニーらしさを印象付ける作品が戦前に作られていきました。

そこで気になるのは、ウォルト・ディズニーって何者だろうということ。ディズニーのことはそれぞれのキャラクターや作品、ディズニーランドについてなど様々な話をしますが、ウォルトについては実態をあまり知りません。

碧ちゃんは絶対的なアイディアとイメージを持っていて、指揮が上手い人なんじゃないかと言うイメージ、中井さんは彼自体が凄まじいというより外枠を作るのが上手いおっちゃん、とそれぞれの印象を語りました。

ウォルト自身は革新的なことをたくさんしていて、会社組織として大人数が分業製作をしてもちゃんと作れるように考案されたのがイメージを共有するためのストーリーボード。

さらに、ウォルトには時代を読む力もあって、長編を作りだしたあとも、短編はテレビが良いんじゃないかとテレビ放送をするようになります。それによってみんなテレビを見るようになるし、ディズニーランド自体もディズニーランドアワーという番組が作られ、映画やテレビだけじゃなく、アニメキャラクターに会える場所も作り出しました。


しかし、ウォルトは66年に逝去。いわゆる黄金期と言われるのが67年の「ジャングルブック」までで、ここから20年、ウォルトを失ったことでディズニーは低迷期を迎えます。健夫さん添野さん中井さん世代が子供の頃に映画を観た印象がないというのはちょうどこの時期に重なるから。ディズニー自体の名前は大きく残り、キャラクターは知っていてグッズを持っていたり、海外旅行でディズニーランドに行ったりはしても、映画館で見るには至らないという時期になります。

この時期で重要なのはカリフォルニア芸術大学(通称カルアーツ)とナイン・オールドメン。

ナイン・オールドメンとは初期から黄金期全て支えたディズニーの9人のアニメーター。カルアーツはディズニーが出資した美術学校で、ディズニーは凋落していた20年の間も長編アニメを作るスタッフを育てるための教育に力をいれ、ナイン・オールドメンはカルアーツで教鞭をとっていました。ティム・バートンや、後にピクサーを率いるジョン・ラセターもそこの出身者の一人なのです。


そして転機となったのが「リトルマーメイド」と「美女と野獣」。

「リトルマーメイド」はディズニーが復活を遂げるきっかけとなりました。その要因となったのが歌。もともと「白雪姫」の時にしていた、ミュージカル的要素を入れたアニメーションに回帰したのです。「リトルマーメイド」はアカデミー賞で歌曲賞を受賞。さらに「美女と野獣」「アラジン」をはじめ、このあたりの主題歌賞を毎年のようにディズニーアニメが獲るようになり、それはそれで問題になるほどでした。

ミュージカル映画自体はトーキー以降沢山作られ、それはアメリカ映画の伝統の大きな流れのひとつでもありました。しかし映画界の斜陽で新作としてはなかなか作られない状況に。そんな中「リトルマーメイド」がミュージカルの伝統をもう一度ハリウッドに持ち込み、ディズニー長編を支える柱になったのです。


「美女と野獣」はアカデミー賞で作品賞候補になった初めてのアニメ作品でした。とはいえアニメは実写作品と比べると不利で受賞には至らず。しかし「美女と野獣」は、後の2001年に長編アニメ賞ができるきかっけになったのです。短編アニメ賞はずっとありましたが、ディズニーが作品賞候補になるほどの皆が良いと思う作品を送り出していなければ、長編アニメ賞はできなかったと思うと健夫さんは語りました。

また当時は技術革新も大きく、「リトルマーメイド」までは手彩色のセルアニメでしたが、「美女と野獣」からはコンピューター彩色。さらに、3DCGも大幅導入されていきました。ディズニーはコンピューター技術の発達に合わせて作品の作り方を変えることを考えていて、今何を作るかということだけでなく、先々を見ていたことでこの時期に成功したのです。


更にその後ポイントとなるのが第二低迷期とピクサーの出現。

80年代から90年代にかけて第二期黄金期がありましたが、それを支えたマイケル・アイズナーとジェフリー・カッツェンバーグが袂をわかったことでその勢いは失速。それと同時に、ディズニーと入れ替わるようにピクサー無双の時代が始まります。ピクサーはカルアーツ出身のラセターが、CGに未来があるとディズニーの外に出て作り、「トイ・ストーリー」を第一作目として95年に公開。全編3DCGと言う作品は「トイ・ストーリー」が初めてでした。まだまだCGには苦手とすることは多く、人を描くにはテクノロジーが不十分でしたが、そこで題材にしたのがおもちゃ。それなら当時の技術でもできると思いついたこと、アニメの対象として噛みあったこともヒットの要因となりました。


これらの技術的な印象も強くありますが、脚本に時間をかけてオリジナルの物語を作ることもピクサーのマインド。ディズニーは童話を基にした作品が強く、オリジナル企画は弱いというのも、ピクサーとディズニーの対照的な面のひとつです。


ピクサーとディズニーはしばらく薄い連携をしながら並走状態にありますが、その後、ディズニーの買収により合流。「ボルト」でラセターが本格的にディズニーに帰ってきます。当時は各社が3DCGアニメを作り粗製乱造の時代。ラセターをはじめ、良い人たちがディズニーに集まってきた結果、「アナと雪の女王」に行きつきます。


「アナと雪の女王」は日本では爆発的な大ヒット。最終興行収入で250億円ほど。これはディズニーも想定していなかったほどのフィーバーで、人口比率的にはアメリカとほとんど変わらないくらいの興行収入なのです。

このヒットについて、中井さんは映画に然程関心がない人達の視野にも別のキッカケから入ったからだろうと考察。もともとポテンシャルがあったのは勿論ですが、それでもこれだけ化けたのは違う状況じゃないかと語りました。

第二低迷期に陥った時、歌があっても物語と同期していないという問題がありました。しかし、それがセリフの中で物語を語る歌に戻ったのが「アナと雪の女王」なのです。ある時期には歌曲賞をディズニーに占領されていたことが問われ、一旦はその状況はなくなりましたが、その後に「アナと雪の女王」が歌曲賞を受賞したのは、皆が求めていたディズニーアニメに戻ったからなのです。


また、「アナと雪の女王」はこのヒットで注目を集めましたが、大きく時期的に観ると、ここ数年は「プリンセスと魔法のキス」「塔の上のラプンツェル」などコンスタントに良い作品が出てきた時期。他の作品も甲乙つけがたいほどどれも面白い作品だから、流れでも見てほしいと添野さんは語りました。


ディズニーの歴史を過去からたっぷり追ってきた今回。番組の最後は現在公開中の「シンデレラ」とそれぞれのベスト作品について語ってお開きとなりました!


WOWOWでは5/23(土)午後2:30~アナと雪の女王の吹替え版を放送!

あのブームの時から一歩引いたこの時期に見ると、また新しい見方や楽しみがみつかるかもしれません!

どうぞ本日のぷらすととあわせてお楽しみください!

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