コーエン兄弟を語る。(2015/5/18配信)

2015/05/19

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今回のテーマは『コーエン兄弟を語る。』
西寺郷太さん、松崎健夫さん、福永マリカさんでお送りしました!


独自の映画を作り続けるコーエン兄弟。途中、郷太さんが「びっくりボウスキ」にツボって涙を流すほどに抱腹絶倒し続けるなんてハプニングもありましたが、彼らのキャリアと映画について、とことん語りました!


番組はまずコーエン兄弟ってどんな人たち?そもそも本当に兄弟なの?というテーマからスタート!「いやー松崎ブラザーズなんてのもいるくらいだからねぇ~」とにやりな健夫さんでしたが、コーエン兄弟は実の兄弟。兄はジョエル、弟はイーサンで3歳差の兄弟です。

兄弟は元々8mmカメラで映画を撮っていましたが、ジョエルが大学卒業後にサム・ライミの「死霊のはらわた」の編集助手をした縁から兄弟は交流を持つようになり、2人でサム・ライミの「XYZマーダーズ」の脚本を書いたことでメジャーにデビュー。

そしてその間に二人で作った映画「ブラッド・シンプル」の公開で一気に有名になりました。


「ブラッド・シンプル」が世に出た経緯は、当時のアメリカとしては重要だという健夫さん。

まずジョエルが80年に脚本を書き始めたことから制作がスタート。81年に映画を作るための資金集めをし、翌年から撮影。83年は配給先を探し、84年に公開となりました。

ここでポイントとなるのが自主制作だということ。彼らはミネソタ州育ち。映画を作る現場と離れたところで育ち、知り合いに頼んでハリウッドに近付けるというわけでもないので、自分達で何とかしなければなりません。

そこでまず資金集めの段階では本編の前に予告編を作成。それを見せて、地元のお金持ちや友達からお金を集めます。完成後も、インディー映画なために公開の目処が立たず、配給先を探すために映画祭や上映会に出品したことから公開に至りました。


さらに特徴的なのがカメラワーク。ぐいーんとカメラがアップで寄るような画を作りましたが、こうした誰も観たことのないような画を自主制作でやってみようとしたのがコーエン兄弟なのです。

当時は「シャイニング」で起用されたステディ・カムでの撮影が有名に。普通の手持ちカメラを持って走ると揺れまくるところを、バネの干渉で揺れにくくするというのがステディ・カム。コーエン兄弟もこれを使いたかったのですが、機材は出たばかりで高くて手が出せません。

そこで兄弟はシェイキー・カムを利用!太い長い棒にカメラをくっつけて、その両端を二人で持って走るというだけのものなのですが、手に持って走るより揺れないし、かなりローアングルでの撮影も実現!


こうした絵作りへの意識と共に絶賛されたのが「ブラッド・シンプル」というタイトル。

これは元々ダシール・ハメットの小説「血の収穫」の中に出てくる言葉を引用しているのですが、この小説は黒澤明監督の「用心棒」の下敷きに。さらにその「用心棒」はイタリアでセルジオ・レオーネ監督作「荒野の用心棒」の元になり、そのセルジオ・レオーネのバイオレンス的なものが好きだったコーエン兄弟が再びタイトルに引用したのです!この巡り巡る結果が、評論家からすると評論の対象にしやすかったになったこともポイントとなりました。


コーエン兄弟は元々、兄が演出・監督で弟が製作、兄弟で脚本とクレジットしていました。

しかし実際のメイキングや本人達の証言からは、明確な分業はしていません。

ジョエル・コーエン&イーサン・コーエンとする名義は04年の「レディ・キラーズ」から。それまでは他の部署の仕事を奪わないようにとする映画監督組合の規定で、ダブルネームのクレジットは認められていませんでした。

一方で挑戦的なのが、編集者を「ロデリック・ジェインズ」とクレジットしていること。実際にコーエン兄弟の監督作に関わる編集者に、この名前の人はいません。この名前は、組合の規定に引っかからずに兄弟で編集する為に二人がつくった別名義なのです!

また、兄弟で監督ってやりにくくないですか?と聞かれた際には、ずっとやってきたことだから不思議なことじゃないと言っています。さらに周りのキャストの話では、意見を聞きに行くとどちらに聴いても同じ答えが返ってきて、同じ考えを持っているのだとか!とはいえ全てはそうだとは思合わないという健夫さん。兄弟だからこそいがみ合わずに話し合いがしやすかったり、自己中心的な映画になることを避けられるんじゃないかと考察。郷太さんは、意見が一致しているならお互いの指導をフォローし合ったりできて、役者にとってはやりやすいんじゃないかなと話しました。


番組中盤は彼らのキャリアを追いながら作品の特徴を深掘り!

キャリアの中で大きな転換期となったのが「バートン・フィンク」。それまでの作品はバリー・ソネンフェルドが撮影監督をしていましたが、「バートン・フィンク」以降ロジャー・ディーキンスが撮影監督を担当。これにより、「ブラッド・シンプル」でやってきたような奇抜なカメラワークではなく、美しいアート寄りな画になっていくのです。


ディーキンスとコーエン兄弟の相性の良さは画へのこだわり方に現れています。ディーキンスは初めてのハリウッドの仕事で自分が撮りたい画を実現できないと言う経験をしていますが、それを実現できたのがコーエン兄弟の監督作。コーエン兄弟は絵コンテを描いたストーリーボードを作っていて、それを再現することを注視。目標があるから兄弟でやっていても意見が合うし、撮影監督としても、ストーリーボードにある絵をどうしたら映像にできるか考えるのでやりがいがあるのです。

さらに、カットによってレンズの種類を変更することや暗闇の表現についてなど、撮りたい画を実現するための考えがコーエン兄弟とディーキンスでしっかりと合致。冒頭、マリカちゃんも画の綺麗さへの感動を語ってくれましたが、こうしたことからも、コーエン兄弟作品は画が特徴的で洗練されていると感じるんじゃないかと語られました。


また、音楽をずっと担当しているのがカーター・パウエル。この人の音楽は特徴がないのが特徴で、色んな種類を合わせて画に合うものを作る天才。健夫さんは、逆にどのサントラを聴いたらいいってのがないのが残念ではあるとしながらも、それだけ画に合わせる職人的な仕事をしているのだと語られました。


そして最後は健夫さんのコーエン兄弟作品ベスト3として「ファーゴ」「ビック・リボウスキ」「ノー・カントリー」を紹介してもらいました!

この三作品にはコーエン兄弟らしさとして挙げられる、追跡劇・誘拐・盗むなどの要素がそれぞれの作品に入っています。

また、彼らは様々なインタビューの中に「日常の風景が不気味に変わることがある」「内的意味よりキャラクターが重要」「敵意があっても礼儀正しさがあれば覆い隠せる」「話の筋立てより重要なものがある」といったこと話していますが、上記の3作を年代順に見ると、これらのコーエン兄弟が撮りたかったことが分かるんじゃないかと語られました!


WOWOWではインサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌を5/21(木)よる8:00~放送!


さらに、映画に出会う![コーエン兄弟の世界]と題し、監督作4本を特集します!


本日のぷらすととあわせてお楽しみください!

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