モスラのことも教えて!(2015/6/3配信)

2015/06/04

モスラのことも教えて!_re.jpg

今回のテーマは『モスラのことも教えて!』
立川吉笑さん、添野知生さん、海下真夕さんでお送りしました!

この日は吉笑さん初MC回!オープニングでは吉笑さんの映画遍歴や「チャッピー」トークで盛り上がりました!

今回はモスラシリーズを中心にゴジラや東宝特撮についてもトーク!
まずは今回の配信に合わせてはじめてゴジラやモスラに触れたという吉笑さん、海下ちゃんの、「大人向けなの?子供向けなの?」「テーマ性があるのってシリーズを通しての特徴なの?」「敵なの?味方なの?」など疑問や発見について解説!
ゴジラについては、『ゴジラを語る!』の回で詳しくお話していただいているので、ぜひアーカイブもあわせてチェックしてみてくださいね!

モスラが最初に世に出たのは1961年の「モスラ」。東宝特撮の怪獣映画としては、ゴジラ、ラドン、バランに続く4匹目です。
モスラの企画は東宝の撮影所長が「女性が見に来てくれる怪獣映画を作りたい」と言ったことからスタート。
その意図には、1作目のゴジラは怖いし東京を壊して去っていくし、終わり方も暗いし、そうじゃなく明るい終わり方や気持ち良く終わるのをイメージしていたのではと添野さんは考察。

それを踏まえて挙がったのがカラーでスコープサイズの大画面でやるという事。カラフルな怪獣にということから蛾にすることが決まり、様々なアイディアやストーリーが挙がりました。その段階で、一度外の人に預け、原作を書いてもらうことに。その原作が「発光妖精とモスラ」。中村真一郎さん、 福永武彦さん、堀田善衛さんという一流文学者3人のオムニバスで、3つの短編を繋げて1つのお話に。この3人は東宝の文芸映画路線にいた川端康成さんなど大御所世代より若くて活きが良く、海外の映画やミステリー、SFなども好きという下地がある人たち。この原作が良くできていて、1作目のモスラは原作通りなところが多いと添野さんは語りました。
原作の小美人は4人ですが、映画ではザ・ピーナツのふたり。この相違点の背景なども教えて頂きました!

そして次にモスラが登場するのはゴジラシリーズの4作目にあたる「モスラ対ゴジラ」。通称モスゴジ。
ゴジラが明確に悪役だったのはこの作品までで、これ以降ゴジラは悪役ではなくなっていったのでした。映画界の斜陽でテレビに観客をとられ、予算もかけにくくなっていた中、対象年齢を下げて子供向けにし、ゴジラは地球外から来た怪獣から地球を守って戦う方に立たせたことで、シリアスな東宝特撮の怪獣映画の一つの区切りとなりました。

そしてシリーズ中一番ヒットしているのが「ゴジラVSモスラ」。通称ゴジモス。
動員数的には昭和の方が多いかもしれないけれど、金額的にはゴジモスがトップ。
そして97年のハリウッド版ゴジラの前後3年間の間は、東宝のゴジラは契約上おやすみ。この間に、平成モスラ3部作を作ります。平成モスラはゴジモスまでとは一変し、ファンタジー路線。CGも組み込める時代になったので、モスラもCGで描くように。中でも添野さんのオススメは2作目の「モスラ2 海底の大決戦」!キャラクターもほとんど大人が出ないし、グーニーズタイプの子供向け。これはこれで割り切っていて面白かったり、子役時代の満島ひかりさんが出演していたり、今でも見直す価値はあると紹介していただきました。

さらに番組では撮影技術の面についてもトーク!
ゴジラ回で怪獣を着ぐるみで撮ることになった経緯やその技術についてお話いただきましたが、モスラは操演怪獣。着ぐるみではありません。でも、企画段階では着ぐるみだったかもしれない説もあるのだとか!アイディアスケッチが新聞に載ったことがあり、それは下半身が鳥。上半身は虫で、下はダチョウの様な足がついたデザインなので、もしかしたら人が入るつもりだったのかもしれません。モスラには、いくら昆虫は外骨格しかなくて軽いとは言えど、100mの昆虫って生物学的に成立しないだろう・・・・と思わせるところはありますが、そこもモスラのファンタジックさを際立たせる要素だろうとも話されました。

そして1作目のモスラがそれまでの作品と違って特徴的なのがスコープサイズ。4:3のスタンダードサイズと言われる画面が横に2つくっついたぐらいの横長のサイズで、50年代のハリウッドの大画面ブームの中、20世紀FOXによって作られました。
スコープサイズは縦方向に圧縮された画が撮れるレンズと、スタンダードサイズのフィルムを使って撮影。放映時はこのレンズと同じ比率のものをひっくり返して使用することで、横に広がって観られるのです。
東宝の怪獣映画では、最初のゴジラはモノクロのスタンダードサイズ、3作目のラドンはスタンダードでカラーに、そして4作目のモスラで初めてカラーのスコープサイズが採用されました。この頃は音響も新しいシステムが導入され、技術的に様々な工夫がされていました。

そしてモスゴジもスコープサイズを採用!
海岸で漁師さんが卵を見つけるシーンや、新聞社の背景などにもスコープサイズならではの工夫が沢山!ある構図の中で何が一番特撮映画として面白く撮れるかが考え始められ、スコープサイズで撮られていることを細かく注目するのも面白く見られてオススメです!

また、モスラの飛来や羽ばたく動きに対し、あの画面サイズは必然だったのかもしれないとも考察。
吉笑さんは「今は全部CGでできてその苦労は伝わりにくいけど、当時の技術から考えればとんでもないクリエイティブ。むしろよくあんなのできたよね。どうやってるのかわからん。」と感動した様子。

そんな吉笑さんに、そう思ったらもう一回見てほしい!という添野さん。
このカットってどうやって撮ったんだろうという視点で観るのも楽しさの1つ。モスラシリーズの面白さは、いつもの怪獣映画の巨大なものを見せることとは別に、小さい人をどう見せるかという特有の面白さが。特にモスゴジの面白さは東宝特撮の頂点に近いんじゃないかと思っているのだそう。
さらに東宝特撮において、日本の他作品とも海外の他作品とも違う点は、円谷英二と本田猪四郎と二人監督であること。2人の監督が並び立って特美と本編を別々に撮っているのに、編集でつなぐのが凄く上手いという添野さん。
中でも、モスゴジで小美人が主人公の前に現れるシーンの合成は秀逸。最初から緻密に計算して、最終的にどう編集して合成して使うかを考えて撮られていて、それがもう完成形に近いところまで行っていると語られました。

さらに、吉笑さんがシリーズの魅力として挙げたのは街が壊れること。特に見たことがある景色だと、その痛快さはたまりません。この街を壊すという事は大喜利的に良いお題だなーと話す吉笑さん。次作はどこが壊れるんだろう、自分ならどのオブジェクトをいじるだろうと考える楽しみもあります。
実際には壊せるかどうかの攻防は、壊してほしいという人もいれば、逆の人もいたり、スポンサーとの兼ね合いがあったりと、プロデューサーにとっては大変なポイントだそうですが、見ている側としては醍醐味のひとつ。
そこで気になるのは、2016年のゴジラで庵野さんは何を壊すのか!もう大体決まり始めている頃かもしれませんが、次にどうするのかはとても楽しみです!

また、モスラのメッセージ性についてもトーク。
最初のモスラが作られた当時、アジアの国々が独立するのがブームとしてあり、その流れで弱小民族の怒りをテーマにしようということに。19世紀ごろの欧米から、南の方に現代文明の知らない面白いものがあるのではないか、という南方幻想があり、これが反映されているのがモスラ。そして日本はこの思想をインドネシアに投影しました。デタラメ語と思われがちなモスラの歌も、実はインドネシア語!「あの二人がモスラに使える巫女で、モスラに何かをお願いする」といった意味で、インドネシア語に訳してあるのです。
今になって考えると、日本とインドネシアの繋がりも、原住民の人々の描き方なども酷いものがあるし、奇妙な設定で成り立っていたりもします。しかし、それを今観て非難するのは簡単だけれど、それが一つの娯楽の夢の形としてあったのだと添野さんは語りました。

またモスゴジから平成版にはメッセージが変化。東宝特撮が成功してきた理由のひとつには、時代ごとのトピックを取り入れてきたからということがあり、だからこそ平成モスラの時代には環境破壊が取り入れられました。吉笑さんは、なるほどなあ~と納得の様子。落語でもテーマを時代ごとに変えて伝えやすくするということがあるそうです。

また1作目のモスラはアメリカとの合作ですが、職業婦人がいるのは今までの怪獣映画になくアメリカタッチ。
結果的に新しい客層の開拓に成功し、モスゴジでも女性に人気がでたのだとか。
職業婦人を描くことは、都会的で洗練され、洒落たものを作ると言われていた東宝のカラーでもあり、新聞記者の男性、そこに勤めるカメラマンの女性、若い博士という3人を主人公にするのは東宝カラーの繁栄でもありました。
この博士役を演じたのが小泉博さん。5/31に逝去されましたが、東宝専属俳優として特撮にも多数出演し、特にモスラの顔でした。小泉さんの存在もまた、モスラを都会派にしていた1つの要因でした。

最後は添野さんのオススメ作を発表!
1作目ゴジラを除けば、ラドン、モスラ、モスゴジは外せないという添野さん。
中でもモスゴジはイチオシ!特撮部分以外の本編で何を描くのかということは今でも悩みの種ですが、都会の新聞社であること、働く女性、インファント島などのテーマがあり、本編側のドラマ部分で描かれるものに厚みがあるのがポイント。そこだけ観ても面白いし、逆に言うとなかなか怪獣出てこなくても気にならないし苦にならないのは本編側が良くできているからこそなのです。

WOWOWではモスラ対ゴジラを6/23(火)午前8:45~、そしてゴジラVSモスラを6/4(木)よる7:00~放送!
本日のぷらすととあわせてお楽しみください!

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