教えて新宅さん! 猿スペシャル編(2015/6/12配信)

2015/06/16

新宅先生猿スペシャル編_re.jpg

今回のテーマは『教えて新宅さん! 猿スペシャル編』
西寺郷太さん、新宅広二さん、池田裕子さんでお送りしました!


OPトークでは新宅先生が東京都のデング熱対策の講習会に行ったことから、蚊の生態が面白すぎる!と蚊の話題に。

蚊の主食って人の血だと思われがちですが、実はなんと花の蜜を吸う虫だという事実に一同驚愕!

しかも血を吸うのは雌だけで、産卵まえにエネルギーを摂るために血を吸っているのだとか。

このほかにも、意外なところで生態系を支える生物や、乳酸菌トークで早速盛り上がりました!蚊の話はまた別の機会にたっぷりしたいということなのでお楽しみに!


さて、この日は猿第2弾!冒頭、猿の話はもうさすがに出ませんwと言っていた新宅先生ですが、まだまだ興味深い猿のお話がいっぱい!

今回は「猿の惑星」シリーズ全作品を一挙放送する「猿の日」にちなみ、今までとはちょっと毛色を変え、霊長類学から見た「猿の惑星」について伺いました!


「猿の惑星」は1968年にシリーズ第一作目が公開。新宅先生も同じ年の生まれで、しかもその年は申年という運命的な作品として思い入れが深いのだとか。映画評論家じゃないからバックグラウンドや裏エピソードなどは知らないとしながらも、オールナイト上映に行ったりビデオを買ったりするくらい好きだという作品です。また、新宅先生世代の理系に進む人の動機には、SFの小説や映画を見た時のときめきやワクワク感をベースに、職業を選んだ人は少なからずいるんじゃないかなとも語られました。


まず話題にのぼったのが「猿の惑星」というタイトルの訳について。

原題は「Planet Of The Apes」。

日本には猿が1種類しかいないので、作中に出てくる動物を指す言葉は猿のひとつしかないのですが、英語圏にはざっくり分けて3種類、モンキー、エイプ、レムールがいます。

これを訳すと、モンキーが猿、レムールは原猿類、そしてタイトルにあるエイプは類人猿。つまり、正確に訳するなら「類人猿の惑星」ということになるのです。

類人猿は尻尾が無く、ゴリラ、チンパンジー、オラウータン、ボノボ、テナガザルなどがいる人に近いグループ。

類人猿と猿の違いには武器の有無があり、類人猿は速く走れる、大きな牙がある、などという武器を持ちません。

また、顔の表面の毛や、臭腺を残すレムールとは違い、モンキーやエイプは表情がダイナミックで、顔で感情を伝えることができるほか、目も進化して色や表情を見分けてコミュニケーションをとることができます。


これらの特徴をふまえ、実際の猿とは異なる点と映画的な役割を挙げていただきました!

まずはこの映画でもポイントとなっている目の動き。

新宅先生が撮影された写真とも比較しながら映画の猿たちと実際の動物の眼を比較しましたが、映画の猿の特徴は眼光が鋭いこと。これは白目があるから。人が演じているので当たり前なのですが、白目は人と動物を分ける一つのポイント!

人間はどちらを向いているか分かるようになり、進化の過程で見つめ合う、目をそらす、ガンを飛ばす、嘘がばれる、など目つきから出る情報が多く、目だけで感情が分かるというのは非常に高度なこと。

見せて頂いたゴリラの写真はほぼ黒目ですが、動物については目でのコミュニケーションができないというより、しないようにしているのだと語られました。

だからこそ白目が多い猿が出てくるのは違和感でもありますが、猿っぽい見た目で滑稽にならないためにも目は重要なポイント。猿の形をしていても感情面は目で演技をしていて、それが重要な役割をしているのだと語られました。

ゆうこしは黒目を大きくするカラーコンタクトを感情が分からないからと制作者が嫌がるということが、理にかなっていると納得した模様。

新宅先生もサイエンティフィックにではなく経験的にそういう風に行きついたのだろうと話ました。


さらにもう一点の気になるところが肌の色。

チンパンジーにとって顔が肌色なのは幼児のサインで、大人になると黒くなり、成人のサインにもなるのです。新シリーズでは結構リアリティが追及されていますが、旧シリーズは顔が肌色で、それが黒いと怖いんだけどなあという新宅先生。ただ、顔を黒くするとゴリラとチンパンジーが見分けにくくもなるので、リアリティを求めるよりシンボリックなものにしているのだろうと考察。チンパンジーが学者、ゴリラは軍人、オラウータンが政治家、というように上手くキャラ付けされていて、当時はリアリティよりキャラ設定やアイコンを見ている人が分かるように、意図的にしていることが分かると話されました。


番組中盤は作品の重要なキーワードとなる『猿は猿を殺さない』という掟についてトーク!

現在は実験や野生下で猿が猿を殺す例は発見されていますが、当時はまだその例が浸透していない時代で、作り手側の「動物達は清く人間が汚いもの」という思想がベース。

これは郷太さんが人種のぶつかり合いにも置き換えられるのではと言ったように、公民権運動をはじめ、いろんなメタファーがシリーズにたくさん散りばめられています。

新宅先生は当時の時代背景について解説。5,60年代はいろんなものが近代化する過程で、核戦争や人種差別、公害など、人間が人間を追い詰め、不安にさせる要素がピークだった時代。その背景を考えると、動物が清いものだという掟を象徴的に求めたのだろうと語られました。


当時は食べるためや子孫を残すため以外に、妬み・憎しみ・やっかみで殺すのは人間だけだと思われていたし、今もそう思われているという新宅先生。ゆうこしもその1人。

でも、よくよく研究されるうちに、子殺し・復讐・アブノーマルなセクシャルなどのダークサイドが動物にも沢山あることがわかってきたのだそう。オオカミの復讐は有名な実話があり、新宅先生もチンパンジーの子殺しの映像を見たことがあるのだとか。しかも、その映像ではただの勢いやイラっとしてやった事故ではなく、殺すことに興奮しているようなヘンな雰囲気が。また、子殺しをやる群れと絶対やらない群れなど個体による違いもあるようで、快楽の殺しとまでは言わなくても、色のついた殺しが動物にあることが少しずつわかってきているようです。


この個体差については、それぞれに名前がついていることや、ポテンシャル・パワー・戦術など個体によって違いがあるのも「猿の惑星」の面白さ。ちなみに猿に命名したのは日本の学者が最初だと言われ、そもそも霊長類学は日本のお家芸。学問カテゴリとしての日本独自の発展やその特徴についても教えて頂きました!


番組終盤はプロ目線の動物映画についてトーク!

新宅先生はB級でもC級でも動物モノは好きだそうですが、見るときは自分ならこうやって捕まえるのになあとか、制作者が怖がらせようとしていることでも今のは怖くないなあといった見方をしているのだとか!

動物パニック映画で間違えているという要素のひとつとして挙げられたのは、人を襲う前にガオーとかシャーと威嚇すること。威嚇は怖さの裏返しで弱い動物がすること。本当に襲ってくる奴は、静かに無表情で真後ろまで来ていてガブっと襲うのだとか・・・・!それじゃあ映画にはならないけれど、専門家が見ると今いけるなあと思ってしまうのだとか。そういった襲う前のSEや雄叫びをあげるのは、スリラーの手法に近いのかもと語られました。


また、新宅先生はSFと科学の関係について、今は極端に発想力が落ちているのではないかと提起。

想像力は科学の進歩の原動力。ジュール・ヴェルヌは「人間が想像できるところまでは実現できる」という格言を残し、月面旅行も潜水艦も飛行機も人間の発想力に向ってサイエンスが実現してきたことですが、その原動力として漫画やSFの映画が大事だと思うと語りました。


この他にも、動物愛護と実験の関係性、動物園の猿の飼育員と個体の相性、人類滅亡後の生物の進化の推測、血液型のお話などなど沢山のお話を伺いました!


WOWOWでは6/27(土)に、"猿の日"と銘打ち、「猿の惑星」シリーズ全8作品を一挙放送!

最新作「猿の惑星:新世紀(ライジング)」は初放送です!

ぜひぷらすとと合わせてお楽しみください!


また、今回配信中には出なかったのですが、こちらの写真は、新宅先生が持ってきてくださった資料の数々!

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CDや本は「猿の惑星」グッズ。頭蓋骨はチンパンジーの大きさで、ボノボは置いてあるゴリラマスクを被って怖がらせようとするほど頭がいいのだとか!

まだまだ気になるお話がいっぱいな新宅先生回。次回をどうぞお楽しみに~!

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