アル・パチーノを語る。(2015/6/19配信)

2015/06/22

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今回のテーマは『アル・パチーノを語る。』
中井圭さん、松崎健夫さん、玉木碧さんでお送りしました!

俳優を語るシリーズ、今回はアル・パチーノ!碧ちゃんもこれまで観てこなかったそうですが、今の若い世代の人は意外と見ていないという人も多いかもしれません。でもそんな人ほど知って欲しい、名優の歩んだ道を語りました!

アル・パチーノは1940年のNY、マンハッタン生まれで、いわゆるシシリー系の移民家庭に育ちました。両親は2歳の頃に離婚。母と祖父母と共に、昼間でも道を歩けないと言われたほど治安が悪いブロンクスで貧しい暮らしを送っていました。彼が演技に目覚めたのは、たまに連れて行ってもらえた映画のシーンを真似したことで母が喜んでくれたことから。そして、内向的な自分がブロンクスという場所で生き抜くために、観たものになりきって虚勢を張り、友達を作るきっかけでもありました。

俳優を目指すきっかけとなったのは、旅芸人が芝居をする劇場で、チェーホフの「かもめ」を観たこと。しかし劇を観て衝撃を受けたのではなく、その何日か後に近くのコーヒー屋でその時の主役の男が店員やっているところを目撃したから。別世界の人だと思っていたのに、近い感じに思えたそうです。演じることが好きだったのはもちろんだけれど、「役者って儲からないんだな、やめよう」ではなく、「俺にもできるかも」と思えたことがきっかけとなったのでした。

そして、一度は演劇学校に入るものの、お金がなくて退学。その後様々な仕事をするも、一方でやっぱり俳優を諦めきれず、18歳のときに演劇学校入学し、一生の友であり師になるチャールズ・ロートンに出会いました。このチャールズと出会ったことで彼が演出の舞台に出演し役者デビュー。自分がいる環境以外のことを演じられるのは自分が変われる感じがするし、内向的で言いたいことが言えなくても、演技の上なら言えることが自分にとって快感だったそうです。

アル・パチーノの演技の特徴は、即興を好むことと、同じ演技をしないこと。彼は後に、色んな著名人やスターを輩出しているアクターズスタジオでも学び、メソッドと呼ばれる感情記憶による演技手法を習っていますが、あまり実践はしていません。即興については、「シー・オブ・ラブ」の時に稽古中に台本関係なしでいきなり演じ始め、それを撮影したビデオからセリフを書き起こすという手法も実践。なりきるのではなく自分の中から出たものを整理して役作りに生かすことをしています。また、映画で監督にどう演技したいですか?と聞かれるのは嫌いで、シーンの意図を説明して指示してほしいし、その上で切磋琢磨しながら演技を高めるのが一番腑に落ちるというタイプ。だからこそ、役者も監督も即興できる相手じゃないと組みにくい人でもありました。

その結果、83年までは映画に1年に1本も出るか出ないかという頻度。今でこそ一つの作品に入れ込むやり方もあるけれど、あれだけのスターで出れば出る程儲かる時代に、毎年1本も出ていないというのは少ない方。
やはりその時々の即興で如何様にもできることの方が役者の本望と思うところがあったようで、映画は向いてないと思っていたんだろうと健夫さん。自分の役作りの手法は映画には合わず、本数を絞って選んでいました。
舞台では69年29歳の時に「The Indian Wants the Bronx」でオフブロードウェイのオビー賞を受賞。
その舞台が運命で、当時の大スター、フェイ・ダナウェイが観劇していたことから、その時の彼女のマネージャー、マーティン・ブレグマンがアル・パチーノのマネージャーに。彼は後のヒット作でプロデューサーを務めることになりますが、アル・パチーノが「Does a Tiger Wear a Necktie?」でトニー賞を受賞したことをきっかけに、マーティンが映画出演の背中を押しました。しかし初めての映画には反省事項も。カメラに向かって訴えかけることや、フレーミングの関係性など映画の必須条件を認識していなかったのです。

そんな反省点から次に出たのがいきなり「ゴッドファーザー」!
監督のコッポラは三男のマイケル役にアル・パチーノを抜擢。コッポラはトニー賞を受賞した舞台の演技を観ていて、そのときからマイケルに合うと思っていたようです。しかし、超大作なのに知名度も華やかさもないやつは使えないと映画会社は大反対。根気で押し切って撮影がスタートするも、現場の雰囲気はアル・パチーノからすれば求められていない感でいっぱい。そんな辛い状況で、降ろされるに違いないと確信しながらネガティブに演じていたアル・パチーノですが、それがマイケルの役そのものでありコッポラの狙い。ただし、最初はマフィアっぽくなくていいけれど、最後は父に代わるドンに成長しなくてはいけないのがマイケル。でも、毎日あがってくるおどおどしたアル・パチーノのラッシュを観ても、こいつがドンになるの?マズいんじゃないの?という不安から映画会社はやっぱり降ろすことを決断。しかしここでコッポラは、マイケルが変わるきっかけになるシーンを前倒しで撮影。そのシーンを映画会社に見せたところ、再びアル・パチーノにゴーサインが出て、それから圧力もなくなったそうです。

そしてこの作品で初めてアカデミー賞助演男優賞にノミネート!「ゴッドファーザー PART Ⅱ」や「セルピコ」など作品にも恵まれ、毎年のようにアカデミー賞主演男優賞候補になるなど、彼の70年の人生を観て一番輝いているのがこの頃。アル・パチーノ本人が自身の演技でベストだと挙げているのが「ゴッドファーザー PART Ⅲ」で次男が自分を裏切っているのに気付くシーン。碧ちゃんはアル・パチーノの出演作を観て、目で演技する人だと思ったと話してくれましたが、ここもまさに目の演技で、裏切ったことを眼だけで表現しています。

75年には「狼たちの午後」に出演するも、独自の演技プランで役になりきりすぎて、映画出演は疲れた、としばらく映画の世界から離れます。
その間は舞台に出演し、「The Basic Training of Pavlo Hummel」でトニー賞主演男優賞を受賞。80年代には「クルージング」「スカーフェイス」「シー・オブ・ラブ」などで映画出演をしていますが、しばらく浮いたり沈んだりを繰り返し、自主製作の映画を作ったりもしていました。

そして再び復活の兆しが表れたのが90年。「ディック・トレイシー」、そして「ゴッドファーザー PART Ⅲ」が公開。この頃は「恋のためらい/フランキーとジョニー」や「摩天楼を夢みて」などヒット作に恵まれ、ついに「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」では念願のオスカーを獲得!細かく見ると意外と浮き沈みがありますが、沈んでいる時には舞台など何らかの活動を続け、91年にまた大スターとして返り咲きました。

このあとは自分がベテランとして若手との共演もするように。さらに、それまでテレビは出ないと言っていたアル・パチーノですが、00年代には「エンジェルス・イン・アメリカ」という長編ドラマに出演し、ゴールデングローブ賞とエミー賞の主演男優賞を受賞。アカデミー賞、エミー賞、トニー賞3冠という数少ない人物の1人となりました。
とはいえ、アル・パチーノの映画人生を見て、足りないものもあります。それは国際映画祭の評価がないこと。ひとつには映画祭の性格的に新作を呼ぶタイミングが合わないということもあると思うけれど、新作をカンヌで、となったこともなかったと思うと語られました。
また00年以降、出演作が多いのは気になるところ。今までならこんなの出た?という作品に出ていて、お金の為に演技しないと言っているけれど、本当に?と疑問が浮かぶような印象。代表作やアカデミーとも疎遠で、だからこそ、健夫さんは今回のまとめを映画で相手にされてない感じがちょっと寂しいかなというふうにするつもりだったそうですが、なんとその結論が変わるほど良い作品に出会ったのだとか!
それが最新作「Dear ダニー 君へのうた」。9月公開になる作品で、健夫さんはこの日の配信の数時間前に試写を観劇。正直タイトルが残念だな・・・と思うところもあって期待していなかったそうですが、でも!この映画素晴らしいので是非みんな見て!!!!!!!と声を大にするほどの素晴らしい作品なんだとか!
「人生は何度でも輝く」という映画の売り文句と同じく、彼の人生は浮き沈みがあったけれど、もしかしてこの映画でまた上がってくるかもとも思わせるような作品。やっぱりこの人の演技力は半端じゃないし、まだまだこの先にもアカデミー狙えるようなことあるんじゃないかと期待感を寄せました。
今回の配信でアル・パチーノのことを知った人も是非見に行ってみてくださいね!

WOWOWではハリウッドスター アル・パチーノと題し、7/6(月)より連日、出演作5本を特集!

本日のぷらすととあわせてお楽しみください!

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