90年代洋楽ロック考2 ブリットポップ編(2015/6/22配信)

2015/06/23

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今回のテーマは『90年代洋楽ロック考2 ブリットポップ編』
西寺郷太さん、宇野維正さん、東美樹さんでお送りしました!

90年代洋楽シリーズ、先月のロック回に続く第2弾という事で、今回はブリットポップに着目!

まずはブリットポップの定義からスタート。
時代的には94年が境目。この年はブラーなら3枚目の「Parklife」、オアシスで1枚目の「Definitely Maybe」が出た年。イギリスにおけるロックはずっとチャートの上位にいたように思われがちですが、実はイギリスはポップ大国。80年代~90年代頭の頃はイギリスのロックがナショナルチャートで1位になりにくかった時代でした。それが94年をきっかけに、イギリスのチャートの7,8割がロックに。このムーブメントを一般的にブリットポップと呼びます。

音楽的な定義だと3つ。
・ソングライティングの再発見
マッドチェスターのノリではなく、連綿とあるブリティッシュロック的なメロディーと、ウィットに富んだ歌詞のソングライティングを見直そうとする動き。顕著なのはパルプやブラー。

・ニュー・ウェーヴのリバイバル
マッドチェスターブーム以前のひりひりしたニュー・ウェーヴの感覚がイギリスのロックだったんじゃないかともう一度見直そうとする動き。象徴的なのはスウェード。

・イギリスをテーマにする愛国主義
一大グランジ旋風が吹く中で、イギリスのロックはグランジに染められてたまるかというムードで、ブラーの「Parklife」にも象徴的なように、イギリス人のライフスタイルが歌に。

基本的にブリットポップのバンドと言うと、2大巨頭としてブラーとオアシスが挙げられますが、ブームの中心にいたのは、ブー・ラドリーズやスーパーグラス、エラスティカ、メンズウェアなど。ブラーとオアシスはブリットポップを作った存在ではあれど、この構図の勝敗は95年には決まってしまうもので、彼らが作った土壌から出てきた後のバンドたちがその中心なのです。

ブリットポップがイギリスで盛り上がるには前時代に評価されたものに対する反動があったと思うという郷太さん。
これに宇野さんはブリットアワードでのマイケル・ジャクソンのステージにパルプのジャーヴィス・コッカーが乱入した事件や、ブリットポップの政治的側面、アメリカとイギリスの音楽シーンなどを例に振り返り、さらにブラーとオアシスが出てきた背景についてもトーク!
ブラーは最初、アイドル系マッドチェスターバンドの中のひとつでした。当初はサイケ路線やアメリカ進出の計画などもありましたが、どちらもやめて開き直り「Parklife」をリリース。
オアシスはロックファンにとって一大ブランドになっていたクリエイション・レコーズが神話を形成する中で、アラン・マッギーにスカウトされて93年にデビュー。ノエルが弟リアムと友達がやっていたバンドに、「俺にやらせろ、俺の言うことを聞いたらスターにしてやる」と始めたバンドです。
表舞台で苦労していたブラーと、どうにもうだつが上がらない中で色んな偶然が重なり彗星のごとく現れたのがオアシス。ブリットポップ前夜にそれぞれの物語があり、ブームがきているからいっちょ稼ごうぜ、という後のバンドとは違うところなのでした。

オアシスとブラーが登場し、それなりのヒットを見せ、新しい時代の到来を感じさせるなか、1994年8月14日が訪れます。この日はブラーの「Country House」、オアシスの「ROLL WITH IT」がリリースされた日。オアシスは最初から14日のリリースとしていましたが、ブラーの元々の予定は7日。レコード会社からすると、オアシスが伸してきているし、ブラーは「Parklife」で盛り上がっているし、今やったら勝てるのでは、と1週間遅らせてマッチメイク。でも、結局損するのは後からぶつけた方。1週目はブラーが勝ちましたが、最終的にみんなの気持ちはオアシスに。ブラーはその後もシングルを出していき、ブリットポップもどんどん盛り上がっていきました。そして翌年9月に出たのが「The Great Escape」。これも当然全英一位となりましたが、ここまでがいわゆるブリットポップブーム。その翌月、95年10月にオアシスが「(What's the Story) Morning Glory?」を出すと、半年ほどずっと1位。アメリカでも上位にランクインし、このアルバムが完全に全てを駆逐し、最終的にはオアシスがこの争いを凌駕したのでした。

今回は配信中にブラーとオアシスの楽曲をお届けしました!それぞれ2曲ずつを聴き比べ!
お届けした曲はコチラ!

◆ブラー/「The Great Escape」より、
『Country House』
『Stereotypes』

◆オアシス/「(What's the Story) Morning Glory?」より、
『ROLL WITH IT』
『DON'T LOOK BACK IN ANGER』

さらにその後のオアシスとブラーの足跡も追いつつ、コメントでのリクエストもありレディオヘッドの話題へ。
レディオヘッドは時代的にはブリットポップど真ん中ですが、当時からあまりブリットポップの文脈で語る人は少ないのだとか。ただし、オアシスとブラーはその後の音楽シーンにはさほど影響を与えていなくて、今に影響を残したのはレディオヘッドの独り勝ち。レディオヘッドは最近のジャズシーンにもつながり、後のダンスミュージックの揺り戻しも含めて飲み込んだモンスターになり、オアシスやブラーが成し遂げられなかったアメリカでの成功の持続性も手にしたのでした。

懐かしいな~なんてコメントやツイッターの投稿も観られましたが、今回初めて触れた方も、当時リアルタイムで好きだった方も、もう一度ブリットポップを聴いてみてはいかがですか?

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そして90年代洋楽ロック考の第1弾はW流にてアーカイブを公開中です!

ちらもぜひあわせてお楽しみください!

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