恐怖の構造 怖い演出とは何か?(2015/8/18配信)

2015/08/19

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今回のテーマは『恐怖の構造 怖い演出とは何か?』
中井圭さん、添野知生さん、海下真夕さん、そして『ムカデ人間3』に出演している北村昭博さんでお送りしました!

過去にも何回かお送りしてきたホラー回。今回は、「怖い」を喚起させる演出や構造に迫りました!

低予算で誰でも撮りやすく、登竜門になりやすいホラー映画。
笑いの感覚は生活に密着するものであるがゆえに、コメディで世界を席巻するのは難しい一方、「怖い」という感情は、人の中に根源的に共通する要素です。

まず添野さんはスティーヴン・キングの自伝兼歴史書「死の舞踏」から、「ホラーはふたつの不安の反映である。」という言葉を紹介。ホラー映画には常に、いつの時代・どこの国でも、社会的不安の反映か、個人的不安の反映がされています。
社会的不安は国や歴史によって大きく変わるため、その時代でないとわからず古びていくという性質がある一方、人間に付随する個人的不安は時間が経っても変わらないため、普遍的であるという性質をもっています。

このお話をふまえて、歴史を辿りながら、様々なホラーの演出について語りました!
ホラー自体は元々、グラン・ギニョール劇場で行われていた残酷劇を映画に取り入れて勃興。
最初のホラー作品だと言われているのは1896年のジョルジュ・メリエスの作品。もう100年以上前の作品になりますが、恐怖の対象は悪魔・コウモリ・骸骨・幽霊・魔女と、何が怖いと思われていたのかという題材は今と全然変わらないのです。

メリエスのホラーにはグラン・ギニョールの残酷主義は反映されていませんが、残酷主義自体はその後のドイツの表現主義やサイレントの殺人の映画などに繋がっていきます。残酷描写自体は映画の初期からありますが、アメリカでは1920年代後半からのヘイズコードで描けなくなるため、それ以前の方が残酷描写やエロティシズムは盛んだったのでした。

人体損壊描写は痛そうだから嫌だし、理解できないという添野さん。何で人は残酷な物を見たいんだろうなあと思っているそうですが、中世では絞首刑が見世物として娯楽であった名残があるのではないかと考察。残酷主義や死の恐怖を身近に感じることでゾクゾク来て、自分が生きてることを実感するのかなあと語りました。

ホラー映画で重要なのは撮影監督と、夜の闇と影の使い方!そこが工夫のし甲斐があるところでもあるし、撮影技術が拙かった頃から発達した現代に至るまで、不思議と変わらないところ。そして、怖さの演出には見せる怖さと、見せない怖さがあります。

「想像した恐怖は一番怖い」とのコメントもありましたが、予想ができないものを描くのではなく、客に予想させる演出が上手いのではないかという中井さん。そういう意味でホラーは、予想させる演出ができないと面白いものは作れないんじゃないかという考察になるほどな~と頷く一同。
これはJホラーにも通ずることで、日本的な恐怖は何かが出た怖さより、何かがいる怖さ。特に水道をはじめとした水の使い方や、身近にあるものなど、日常の延長にあるものに恐怖をしのばせています。

一方で、見せない演出は高度なもので後に出現したものだと思うという添野さん。見世物にルーツがあるものなので、最初は何でも見せることで喜ばれていましたが、表現も観客もだんだんと洗練され、見せなくても怖がってもらえるようになったのです。
モノクロ時代に見せない演出は生まれますが、50年代にカラー映画の出現で、いきなり見世物に逆戻りしたことも。色がつくことで現実性が増し、モノクロでは血が出ても黒いだけだったのが、カラーになったことで自分の世界の延長線に。当時は鮮やかなことが大事だったので、照明テカテカで暗さがないホラーも作られていたようです。

そんなカラー映画出現後の60年代に、見せない方向性で頂点を極めた作品として紹介されたのが「回転」と「たたり」。
「回転」は照明をはじめとした撮影技術に加え、幽霊登場までにさんざん恐怖や嫌悪感を蓄積させる演出が秀逸!そして「たたり」はキングの分類でいう「個人的な不安」がきちんと描かれていて、ホラーのつなげ方が物凄く上手くできている作品だと紹介していただきました!

そしてここで、『ムカデ人間3』に出演している北村昭博さんがスペシャルゲストとして登場~!北村さんは普段ハリウッドで活躍されていますが、今回映画のプロモーションの為に来日されているのです!

人間の口と肛門をつなげる。その異常なアイデアで全世界を絶句させ、世界各国で爆発的大ヒットと上映禁止騒動を繰り返してきた映画史上最もヤバいシリーズ『ムカデ人間』。そんなシリーズの第1作目に出演され、その先頭を務めた北村さん。今回の3作目は北村さんを始め、これまでのムカデ人間オールスターズが出演していて、500人が繋げられるのが見どころ! 

番組では、ハリウッドに渡った動機や、『ムカデ人間』の出演経緯、タランティーノが1作目の公開初日に見に来ていた時のこと、クレイジーな映画さながらのクレイジーな舞台裏など貴重なお話を伺いました!

さらに北村さんからは、「恐怖」の作り方について、世界の様々な映画人とお仕事をされてきたからこそのお話が!
アメリカはとにかくホラーを見る時観客がうるさい!と北村さん。
「NOーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」とビビって叫びながら観るので、満員のお客さんとホラーを見るのが面白くて好きになったのだとか。むしろ隣で叫ばれるのが怖いわ、とのことw

だからこそ、日本のホラーとアメリカのホラーは全然違うもの。日本ならやり過ぎに思われることも、観客のテンションを超えて行くインパクトとハイテンションな演出が必要。日本の様に静かな環境で魅せるホラーと、出来上がっている観客に見せるホラーでは、根本的に文法が違うし、作る側もハイテンションな物をぶちかまさないと観客の方がうるさくなってしまうのだとか。

北村さんの生の意見に、盲点だったなあ~と添野さん。
エクストリームなものを見ると笑っちゃう。怖さの先の先には笑いがある。といったお話もありましたが、『ムカデ人間3』もホラーを突き抜けてコメディに寄ったハイテンションな1作。北村さんも「ホラーからくるコメディを味わってもらいたい!」とメッセージ!

ホラー映画の初期から振り返ってきた今回。海下ちゃんはホラーがこんなにもハッピーにみんなに繋げられて良かったと話し、さらに、あとで繋がってもらえますか・・・?と嬉しそうな「ムカデ人間」ファンな海下ちゃんなのでしたw

『ムカデ人間3』はいよいよ今週末、8/22(土)から公開!
日本でもみんなでハイテンションに盛り上がったらおもしろいはず!みなさん是非劇場へ!
映画詳細・公開劇場はコチラ

そして、WOWOWでは≪2週連続!戦慄のホラーナイトスペシャル≫と題し、あの手この手で怖がらせるホラー映画を連日放送中!
添野さんオススメの【悪霊のはらわた】や、日本のホラーとして他の世界にはない斬新な演出がされていると海下ちゃんが紹介した【喰女-クイメ-】も放送されます!
ラインナップはコチラ

ぜひ今回のぷらすととあわせてお楽しみ下さい!

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