イーストウッドと音楽(2015/8/25配信)

2015/08/25

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今回のテーマは『イーストウッドと音楽』
西寺郷太さん、添野知生さん、松崎健夫さん、東美樹さんでお送りしました!


今年85歳ながら、現役バリバリで活躍しているクリント・イーストウッド。今回はイーストウッドの音楽に対する側面にフォーカスし、経歴や作品を振り返りました!

役者のイメージを持つ人と、監督のイメージを持つ人に分かれるイーストウッド。彼と同年代にデビューした俳優は、役が付かなくなってくると、引退に近い形になってしまうことが多々ありましたが、イーストウッドはその山を監督になったことで乗り越えて、そこからさらに倍以上のキャリアを築いた変わり種。しかも監督作も初期は中々評価されず、ほぼ老齢に差し掛かって映画作家として成熟期を迎えた遅咲きタイプ。一時は本人のイメージが誤解されて受け止められていたり、ハリウッドスターとしての認知が遅れたりということもありましたが、結果的には、映画人として幸せなキャリアを築いた人物です。

そこで、彼の音楽遍歴も交えながら、その経歴を深掘り!
イーストウッドは元々音楽家になりたかった人。高校生の時にピアノを始め、大恐慌下の貧困から卒業後すぐは大学へ行けませんでしたが、オークランドのクラブでセミプロ的にピアノを演奏。お金が貯まったときには、大学に行って音楽を専攻するつもりでした。しかし、徴兵により陸軍へ。
兵役後も大学に行くことは考えていたそうですが、大恐慌が続く中、ハリウッドに行ってどこかのスタジオと契約できれば食えるらしい、ということで俳優学校へ。そこで訓練生として、たまたまユニバーサルと契約することができました。もともとイーストウッドに俳優になる気は一切なく、もしも大学に行っていれば、彼はミュージシャンになっていたかもしれません。

イーストウッドは自分が演奏することはもちろん、そのほかにもクインシー・ジョーンズと仲が良かったり、チャーリー・パーカーの45年のツアーを見て夢中になったり、ジャズだけでなく、除隊後に木こりをしていたときにカントリーのファンになったりと、様々な音楽に触れてきました。
その音楽的経験が、彼の演技、そして監督作に反映されているところがあるのです。
演技的なアプローチでは、イーストウッドはあんまり派手な動きをしないのが特徴。それは、佇まいや感情を抑えてクールに見える演奏をするジャズのミュージシャンから習ったこと。
当時は身振り手振りでする演技や、内面から役になりきるような役作りが流行っていたため、映画会社は使い辛く、デビュー当時はなかなか売れないということもありました。しかし、派手な動きをしないことは手持無沙汰かもしれないけれど、逆に周りが冷静に見えて落ち着いた感じが出せるのではないかと考えたのです。

そして、監督としての特徴は早撮りであること。
彼はジャズの即興と演出の即興が似ていると言っていて、1テイク目が良いと思っている人。役者が同じ演技を繰り返すことは1テイク目をコピーしたものとして劣化することになるし、一発で決めないと、という緊張感を引き出すこともできるのです。
もちろんそうは思わない監督や、同じ演技を繰り返さない俳優もいるため、相性次第でもありますが、イーストウッドの場合は音楽の経験に紐付けて、その場にあったものを撮った方が良いと思っているタイプなのでした。
ちなみに俳優としても短期集中型。6週間以上の現場は集中力が続かないから嫌というタイプの様です。

そこで、彼がキャリアの中で関わってきた音楽映画に注目!
イーストウッドは最初の監督作、「恐怖のメロディ」も音楽映画。原題は「Play Misty for Me」でMistyが曲名ですが、最初は映画をもっていたユニバーサルに、自社が持っている楽曲に変えてくれと言われていました。しかし彼はねばってMistyにこだわり、70万ドルの映画で2万ドルを許諾費用に使ったほど。それだけの音楽に対するこだわりがあり、キャリア初監督作から音楽に関わっているというのも意義深いところです。

自身がミュージシャンを演じていて、後にミュージシャンになる息子と共演しているのが「センチメンタル・アドベンチャー」。近年のイーストウッド作品の映画音楽は息子が手掛けていることもあり、その原点になっている作品でもあります。

また、チャーリー・パーカーの最晩年を描いた「バード」は、チャーリーの音楽を聴いてもらう事、そしてチャーリーの音楽やアルトサックスのソロは一体何だったのかということを実態として映画にした野心的な作品。チャーリーが演奏したものの中から、彼の音だけを取り出し、それに今のミュージシャンの音を付けて、音源やサントラを作っています。「バード」好きの添野さんには、チャーリーの奥さんに協力してもらい、奥さんが個人的に録っていた未発表曲を貸してもらったエピソードも教えて頂きました!

そして、今回WOWOWで放送される【ジャージーボーイズ】。
主にザ・フォー・シーズンズという実在するコーラスグループの伝記映画ですが、この映画の魅力はそこだけじゃないのも特徴的。イーストウッドは映画の特性を意識して、舞台でやることと映画でできることをミックスしたような演出をしているのです。そのひとつが第四の壁と言われる、登場人物が画面に向かって語りかけてくるような演出。これは他の映画でも使われる手法ですが、イーストウッドは語りかける人達をどんどん数珠つなぎにして第四の壁を超えて語りかけていくことで、一つの物語を多角的な視点で表現しています。この他にも様々な要素がありますが、80歳を超えたイーストウッドという監督が、映画の文法を壊してみようとやっているのも斬新なところ。音楽家志向であった彼にとって初めてのミュージカル映画の監督作でもあり、映画ファンやイーストウッドファンが気持ち良く祝福できる作品だと語られました。

イーストウッドは50年近いキャリアがある中で、語れる側面がいっぱい!
今回は音楽への偏愛に注目しましたが、俳優、女性関係、正義、政治・・・などまだまだネタは尽きません!ぜひ今度は音楽以外の面からも語っていきたいですね!

イーストウッドの監督作【ジャージーボーイズ】は8/26(水)午後3:00~放送!
詳細はコチラから

ぜひ本日のぷらすととあわせてお楽しみください!

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