沈黙せずにセガールを語ーる(2015/9/2配信)

2015/09/04

沈黙せずにセガールを語ーる_re.jpg

今回のテーマは『沈黙せずにセガールを語ーる』
立川吉笑さん、松崎健夫さん、梨衣名さんでお送りしました!

まず、セガールは語っていくにあたって大前提があるという健夫さん。
それは、今世の中に出ているセガールの経歴には、嘘の情報がいっぱいあるということ!
いきなりの衝撃の発表にニコ生もスタジオも騒然となりましたが、もちろんそこには様々な事情があることもふまえつつ、セガールを掘り下げていきました! 

セガールは1951年生まれで今年63歳。ユダヤ系の父とアイルランド系の母の間に生まれ、セガール本人はアメリカ人。なのですが、イタリア系だと思っている人も多くいます。
その誤解のきっかけとなったのが、デビュー作「刑事ニコ 法の死角」。この作品は88年の作品で、彼は当時36歳。
当時日本で予告編が流れた時ではこの映画の映像に合わせ、「ベトナム戦争で従軍」「元CIA職員経歴を持つ」「黒帯六段」「マフィアの家族がいる」というナレーションで主人公のニコ・トスカーニが紹介されていました。さらに映画の冒頭では、その紹介の映像と共に、実際のセガールの写真や、日本で道場を開いたときの実際の新聞記事が映されています。
また、当時の映画のパンフレットに記載された名前は「スチーブン・セーガル」。新聞記事の方にはシーガルになっていて、経歴もよくわからず、読み方もよくわからないほど。
経歴には「東洋武術のエキスパート」「東洋武術を決意して17歳で単身東京に渡る」「日本人に英語を教える」「マーシャルアーツのアカデミーを開設」「要人警護の仕事をした」と言ったことも書かれ、どこまでが本当かはわかりませんが、この「刑事ニコ 法の死角」のときのイメージがそのまま思われている節があるようです。

ただ、この作品自体は、ワーナーブラザーズという超大手映画会社の作品で、いきなり30代半ばの無名の新人が現れて主演し、しかも本人が製作にも入り、尚且つ初登場4位のヒット、という凄い作品。アクションスターの中でも、スタローン世代とジャン=クロード・ヴァン・ダム世代の間の丁度抜けているところにセガールが来たことと、合気道が真新しかったこと、ワーナーは過去にも「燃えよドラゴン」で誰も知らない東洋人だったブルース・リーを起用していたこと、などを考えると、ワーナーがゴーサインを出すのも頷けます。
しかも、共演者や作品路線なども含め、ワーナー流行するだろう要素を詰めて意図的に当てにいっている作品だとも言えます。

いろいろと辻褄が合わない点がある中でも今回フォーカスされたのが、17歳で日本へ来た、ということ。実際には来日したのは23歳の時のようなのです。
そのエピソードを読み解く上で健夫さんが引用したのが藤谷美也子さんの「貴重なとき―私の合気道」という本。藤谷美也子さんはセガールが日本で結婚した最初の奥さん。藤谷美也子さんは、半ば騙される形ながら、道場を開きませんかという提案のもとアメリカ遠征の為にロサンゼルスへ。その向こうの道場でセガールと出会ったのです。セガールが道場に通い始めたのは、7歳の時に演武を見たことがきっかけ。藤谷美也子さんと出会ったときからセガールは武術を極めるために日本に行きたいと言っていたらしく、つまりその時点ではまだ日本に来ていないということになります。その後セガールは、帰国した彼女を頼って来日。それが23歳の頃なのでした。
セガールは結婚後に道場主になりますが、外国人が道場することのハードルの高さや、道場を開いたときに騙されてお金に困ったことも。そこで、セガールは合気道を世界に広めるために、映画というツールを使ったらいいのではないかと外国に映画の仕事を探しに行くようになります。その考えは唐突な物ではなく、ドラマのスタントや、マーシャルアーツコーディネーターの仕事で映画に興味を持ち、無名時代から映画界への伝手を見つけてやりとりをしていたのでした。

でも、実はセガールは後にそれまでの経歴を訂正しているのです。
03年頃の「丹波発 ふるさとの君たちへ」というホームページのコラムで1974年10月に来日したと綴られていて、今はちゃんと正しい経歴を言っているのでした。

セガールは「刑事ニコ 法の死角」でデビューして以来、アクションスターの地位を得て約10年ほど興行収入がほぼ1位を走るトップスターとなり、作品は日本でもヒット。
セガールの代名詞とも言えば沈黙シリーズですが、沈黙は日本が勝手につけたタイトル。原題は全く違うのですが、特定の出演者の作品であることを示すためにアイコン的タイトルを付ける伝統が昔からあって、日本ではセガール映画には各社沈黙と付けたのでした。
しかし、沈黙シリーズの第一弾となった「沈黙の戦艦」は、彼のキャリアに陰りを生むきっかけに。沈黙シリーズではそれまでのマーシャルアーツを見せるだけの映画ではなく、ストーリーを重視。合気道を広める事やセガールのアクションの凄さが薄れるきっかけとなったのです。
セガール作品の数字が落ち始めた時期にはジャッキー・チェンの「レッド・ブロンクス」がアメリカ公開され大ヒット。ジャッキー・チェンやジェット・リーがハリウッドへ進出したことによって本物主義のニーズが高まり、本人がほとんどアクションをしなくなったのと比例するように低迷。セガールの合気道ももちろん本物ですが、そこを売りにしなかったことですたれる時代だったのでした。

この本物主義の到来に従い、セガールと同じく廃れて行ったスタローン世代。彼らは先週特集した「エクスペンダブルズ」へと出演していきますが、セガールはその中には入っていないのです。
なぜセガールはエクスペンダブルズに入っていないのか。健夫さんはその理由を、少林寺を紀元としたマーシャルアーツのファミリーツリーで考察。
チャック・ノリスも、ジャン=クロード・ヴァン・ダムも、ジェイソン・ステイサムも、共演者や先輩から受け継がれてファミリーツリーの中にいるのに対し、セガールは関連していても、直接ツリーを辿って行ける繋がりや接点を持ちません。
ハリウッドの中で、文脈や繋がりは凄く大切な物。だから「エクスペンダブルズ」と相性が悪く、本人も出たくないって言っているのだそう。
むしろ、セガールの接点を持たないところや、製作に関わって現場を管理する作品が多いところはチャップリンと似ているところのようです。
「エクスペンダブルズ」に出ているセガールも見てみたいですが、セガールの独自色が強さでスタローンがコントロールできないのかもしれません。

もとは合気道を広めようと映画を始めたけれど、映画に飲み込まれた男、セガール。
スキャンダラスなこともあるけれど、ハリウッドでやっていくうえで難しいことがある中、自分を鼓舞する為にある種のイメージを作ることをやってきたのかもしれないと健夫さんは語りました。

WOWOWでは9/14(月)より沈黙シリーズがから5作品を放送!
ラインナップはコチラ
本日のぷらすととあわせてお楽しみください!

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