進化するゾンビ(2015/10/15配信)

2015/10/15

ゾンビの進化_re.jpg

今回のテーマは『進化するゾンビ』
立川吉笑さん、松崎健夫さん、海下真夕さんでお送りしました!

今回は海下ちゃんが大好きなゾンビ映画回!なんと「ロンドンゾンビ紀行」のパンフレットには海下ちゃんのコメントと写真が掲載されている程のゾンビ好き!
この日はゾンビ映画がジャンルとしていかに進化を遂げてきたのか、その進化の過程に迫りました!

まずはゾンビ映画の基礎知識から。
ゾンビ映画という呼称は、実は日本独自のもの。健夫さん共著の「現代映画用語辞典」では『生ける屍または歩き回る死体を題材にした日本での呼称』と定義されています。たとえばジョージ・A・ロメロの映画「ゾンビ」は邦題で、原題は「Dawn of the Dead」。海外でもゾンビという単語自体はありますが、ゾンビ映画として呼称するのは日本の独特の言い回しなのです。

ゾンビという言葉や存在の出典は古く、もともとブードゥー教に由来するもの。
死んだ人を生き返らせる意図として呪術を行っているのですが、実際にはゾンビパウダーという麻薬的効果がある粉を用いて、自分の言うことを聞かせて働かせることなのです。
自分が働かずに奴隷のように誰かをはたかすことから始まっていて、死んだように反抗することもなく、生ける屍として自分の意思とは関係なしに働かせることが元の発想。ブードゥーにあった文化が、ゆくゆく80年代に日本の中でゾンビ映画という定義になったのでした。

そして、今いわゆる私たちが想像する、死んだ人が生き返って人を襲う形はモダンゾンビと言われるロメロの「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」以後に確立されたもの。もとはモンスター映画の系譜にあり、最初は吸血鬼映画の文脈でできあがりました。たとえばゾンビに噛まれるとゾンビになるというのは、吸血鬼に噛まれて吸血鬼になるというところからきた要素です。
そして、最初のゾンビ映画だと言われるのは「恐怖城」。これはブードゥー文化に基づく考え方がベースになっていて、好きな女性に言うことを聞かせるためにゾンビにして、恋人が取り返しに行くというちょっと恋愛映画っぽいつくりになっていました。モンスター映画の人気にあやかっているので、この時はゾンビが主役というより、ゾンビは人が対抗する脇役。モダンゾンビとは考え方が違ったのです。

それが30,40年代ごろのこと。50年代はSFブームでゾンビ映画が作られなくなりますが、60年代には、どこかに立てこもって一人で戦う、死んだ人間が襲う、などゾンビ映画の下地になる要素を持つ映画が生まれます。そしてついに68年、それまでの作品に影響を受けているロメロが初監督作品として、ゾンビ映画の礎となる「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」を生み出します。
この作品がゾンビ映画に貢献したのは、ゾンビに対する考え方が変わったこと。第三者がゾンビにされるかもしれないという怖さから、自分がゾンビにされるかもしれない怖さに変わったのです。最初は添え物でしかなったのがゾンビというキャラクター自体が主役になり、モンスターのひとつとして認められるようになりました。

そして、この映画で描いたことからゾンビ映画の5つのルールが生まれます。
1.超自然現象で死者が蘇る
2.人肉を求める
3.緩慢な動作
4.人体を噛まれた人物も感染してゾンビになる
5.頭部を破壊するか切断すると活動が止まる

このルールに則って、後に何百というゾンビ映画が作られることに。この作品はゾンビ映画の聖書的存在でもあるのです。

亜流版が出るとジャンルが廃れると言われますが、その後10年ほどはまたゾンビ映画があまり作られなくなる時代に。そして80年代は時代の空気を感じ取ってか、ゾンビ映画もそれ以外のジャンルにもディストピアものが作られるようになります。ゾンビ映画では「サンゲリア」などが作られ、スプラッシャー描写など、血しぶきを上げる描写を重視する映画に変わっていきます。
その流れの中で、ゾンビが市民権を得るきっかけとなった重要な作品がマイケル・ジャクソンの「スリラー」のミュージックビデオ。モンスター映画やクラシックホラーなどに関わる人が映像を作ったこともあり、ゾンビへのハードルが下がるきっかけになりました。

そして、ゾンビ映画的に重要な年となるのが85年。
今までのゾンビ映画の基本を押さえながら、ちょっと違うことをやりましょうと変化球が出始めます。たとえば、笑いの入った作品の1本が「バタリアン」。それまでにSFホラーを作っていた人が半分パロディ的にゾンビ映画として作った作品で、ラストが秀逸でねえ、と健夫さんはニヤニヤ。

さらに、いわゆるキョンシーと呼ばれるアジアのゾンビが生まれた「霊幻道士」が作られたのもこの年。実は海下ちゃんがゾンビ映画を好きになったルーツもこの「霊幻道士」なのです!
今までロメロが考えたルールに従ったものを踏襲しながら、ジャンルを超える作品が世界で同時多発的に作られたのがこの85年。しかも、ロメロ自身は78年の「ゾンビ」の続編となる「死霊のえじき」を作った年でもあり、非常に重要な年なのでした。

その後はゾンビとバディを組む「ゾンビコップ」やブードゥーのゾンビパウダーがどういうものか取材した「ゾンビ伝説」などが作られますが、90年代は「羊たちの沈黙」によってサイコスリラーが流行したことにより、再び作られなくなります。
しかし96年に復活の兆しが見え始めます。それが日本で作られたゲームソフト「バイオハザード」。このゲームを布石に02年には映画化され、00年代以降ゾンビ映画は大量生産されるように。Wikipediaなどのリストで見ると、00年以降から今に至るまでの作品が非常に多いことがわかります。「VERSUS -ヴァーサス-」「東京ゾンビ」「Zアイランド」をはじめ日本の作品も多数非常に秀作も多く、ゾンビが速く走る、などロメロのルールを壊す作品や、恋愛+ゾンビ、青春+ゾンビなど、ハイブリット化した新機軸な作品も作られ始めています。

最後にオススメなゾンビ映画を教えてもらいました!
健夫さん、海下ちゃん共にイチオシなのが「ゾンビランド」
ゾンビのルールを一から教えてくれる1作で、なおかつ様々なジャンルが融合。当時はゾンビ映画で一番稼いだ映画と言われた作品です。
00年以降では「ワールド・ウォーZ」も重要作。もともと低予算で作れると言われているゾンビ映画を、物凄い予算を掛けて超大作にした一本で批評性に溢れた作品でもあります。

そして、まだ0の初心者の方にオススメなのはロメロの「ゾンビ」。バージョン違いがありますが、2作目がオススメとのこと。これで基本を押さえた上で「ゾンビランド」へ、さらに変化球としては「ペットセメタリー」がおすすめです!

吉笑さんはお話を聴きながらゾンビ落語へのヒントを探していましたが・・・ぜひいつかお披露目してもらいたいですね!
 
WOWOWでは10/23(金)よる11:00~≪いとうせいこう&みうらじゅん 金曜深夜の映画祭≫をお届け!
『進化するゾンビの世界』と題し、名コンビ、いとうせいこうさんとみうらじゅんさんが面白おかしく語り合う副音声のコメンタリーを聞きながら、おバカなゾンビ映画を3本立てで楽しむ、空前絶後のオールナイト映画祭です!
今回の放送するゾンビ映画はつっこみどころ満載の3作。だからこそ副音声とともに聞くと楽しさ倍増です!
ラインナップはコチラから

そして、いとうせいこうさんとみうらじゅんさんのコメンタリーの模様はニコ生でも放送とあわせて配信しますので、ぜひテレビとパソコン、ダブルスクリーンでお楽しみ下さい!
配信ページはコチラから

本日のぷらすととあわせてお楽しみください!

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