恋愛映画のエトセトラ(2015/10/29配信)

2015/10/30

恋愛映画のエトセトラ_re.jpg


今回のテーマは『恋愛映画のエトセトラ』
サンキュータツオさん、宮地昌幸さん、玉木碧さんでお送りしました!

宮地監督、お久しぶりの登場~!今回のぷらすとは極私的恋愛映画論。
宮地監督のフェイバリット恋愛映画を中心に、様々なタイプの恋愛映画を掘り下げました!

最初に、良い恋愛映画は記憶についての物語だと提起した宮地監督。乙女ロマンティック映画やファンタジーとかにももちろん良いものはいっぱいあるけれど、ちゃんと抉ってきてほしいと語ります。

その上でいくつかのパターンに分けて作品を紹介してもらいました!

まず、「失って大切さに気付く」、とはよく言いますが、只中にいる時はその大事さが分からず、失って客観性を持ってわかることを描いているのが『(500日)のサマー』と『ブルーバレンタイン』。

初恋切ないものシリーズでは『恋恋風塵』『風立ちぬ』がオススメ。恋愛映画としてはもちろん、ノスタルジーものとしても良く、シンプルな男女間な物語としても◎。

中年恋愛失恋シリーズは大体ラストに中絶まで行くけれど、ここまで描かないとこのシリーズは回答を得られないのが見ていてしんどい。でも救済があると宮地監督。
このシリーズには『こわれゆく女』や『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』がありますが、中でも最近の変わり種で面白かったというのが『her/世界でひとつの彼女』。
奥さんにふられて自信を失っている主人公の男性が、パソコンのOSの女の子に恋をするお話。OSの奥さんはガンガン学習して超自分好みの良い女性になっていきます。それは男性にとって育児要素でもあるもの。しかし、最後に男性はOSの進化にふられることに。それはつまり、自分好みの女性像を作り、妊娠して出産して子育てして、しかも手放して見送るまでの男性が妊娠するストーリーだったのではと考察。そこで痛快に振られることでもう一度立ち直ることができ、相手と合わないところをどう楽しむか以外に救済がないことに気付くということなのです。

そして、男女の記憶の仕方に違いがあることがわかるのが『ゴーン・ガール』と落語の『芝浜』。先月のシブラク中継でも立川生志師匠の『芝浜』をお届けしましたが、『ゴーン・ガール』とそれぞれ通ずるところがあると宮地監督。女性の嘘に男性が復讐される話で、男性はいつでも素であり、女性は常に女性像を演じているという前提のもと、女性の嘘の一点張り理論についても話されます。

また、これも恋愛ものじゃないかなと紹介されたのがアルツハイマー恋愛シリーズ。
『アウェイ・フロム・ハー 君を想う』では老夫婦の奥さんがアルツハイマーに。旦那さんのことは忘れてしまい、病院にいる別の男性とティーンエイジャーみたいに恋をしてしまいます。旦那さんは15年くらい前に浮気していたことを思い出して贖罪の気持ちで耐えようとしますが、もしかして、ぼけている演技なのでは、とも考え始めます。
この女性の嘘やとぼけ方は『芝浜』にも通じるもの。とぼけの上手さとそこに振り回される男性が贖罪の気持ちを持っていくのが上手に出ています。
また、アルツハイマーになって時間軸が混乱すると、『わが母の記』のようにいきなり少女に戻るなどタイムトラベルも自由自在。そう考えると『ハウルの動く城』のソフィーも、アルツハイマーになっている人の脳の中のファンタジーと取ることもできるのです。

そして、日本映画で秀逸だと語られたのが『ぐるりのこと。』。
中年夫婦が倦怠期をどう乗り越えるかのストーリーで、大体の物語は子供ができることで離婚の危機を乗り越えられるのが良くあるパターン。でも『ぐるりのこと。』の二人には子供ができません。子供という必殺カードは使えないけれど、夫婦という極小の世界で色んな役割を演じながら、薄氷を踏むように問題を乗り越えて行く二人の20年くらいを追いかけた非常に繊細な物語です。

この紹介を受けて、『芝浜』を再考察。
『芝浜』の二人にも子供がいません。話は旦那さんがお酒におぼれ、夫婦仲も悪く最悪なところから始まりますが、腕が良く町内からの信用も厚い魚屋を営んでいた旦那さんが、なぜ酒に溺れるのか不思議だったというタツオさん。それは物語では語られないけれど、流産だと思うと話し、宮地監督も強く同意。
2人の間に、話せない、言葉に出してはいけないものが生まれ、旦那さんは奥さんを責めたくないし、責めたくなっている自分も責めてお酒に逃げる。しかし今度は奥さんが一点張り理論で嘘をつき、その一件以降辛くなるのは奥さんになります。あれは実は男にとってのお酒、女にとっての嘘が上手く機能するお話なのです。

この説を受けて宮地監督は
・追いかけさせることで主導権を握りたい
・追いかけさせることで主導権を握らせる
・追いかけることで主導権を握る
・追いかけることで主導権を握らせてあげる

このどれかがいつも絶えず上手に入れ子になりながらファンタジーとして飽きさせないのが良い恋愛映画であり、『芝浜』も同じくその入れ代わりが絶妙。
『ぐるりのこと。』も『芝浜』も、必殺カードでハッピーエンドには持ち込めない分、普遍性があるのかもしれません。

この他にも、「恋はデジャ・ブ」「ミッション:8ミニッツ」「インセプション」「エターナル・サンシャイン」「時をかける少女」「夏への扉(小説)」「アニー・ホール」「恋人たちの予感」「ビフォア」シリーズ、などなどオススメ作品をいっぱい列挙してもらいました!

そして、今回の映画を受けて読んでもらいたいのが宮地監督初のオリジナル小説『さよならアリアドネ』!⇒http://amzn.to/206LXaW
現在・未来・過去の時間を錯綜するタイムトラベルラブコメです。今回紹介してもらった映画は露骨に影響を受けていて、未婚や結婚に失敗した人ほど読んでほしいとのこと。
しかもプレゼントに3冊サイン入りでいただきました!来月のプレゼントになりますのでどうぞ奮ってご応募ください~!

WOWOWでは英国産ロマンティックSFコメディの快作、【アバウト・タイム~愛おしい時間について~】を11/22(日)よる9:00 ~初回放送!

さらに、宮地監督にオススメしてもらった【ゴーン・ガール】と【500日のサマー】も放送致しますのでお楽しみに!
詳細はコチラから

恋愛は生きる動機になり得るのか、自立している人の恋愛について、などなど幅広い恋愛論が語られましたが、恋愛観は非常に個人的な感覚。人それぞれの価値観があるからこそ、奥深い恋愛を様々な作品でお楽しみ下さい!

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