不倫を描いたエンターテインメント(2015/11/19配信)

2015/11/20

不倫絵を描いたエンターテインメント_re.jpg


今回のテーマは『不倫を描いたエンターテインメント』
浅賀優美さん、宇野維正さん、池田敏さん、池田裕子さんでお送りしました!




≪アフェア~情事の行方~≫
まずはWOWOWで放送がスタートした海外ドラマ、「アフェア~情事の行方~」の予告編をチェックし、この作品の特徴を語っていきました!
本作は昨年10月からアメリカのペイチャンネル、ショータイム局で放送され、いきなり今年1月発表のゴールデングローブ賞でドラマ作品賞とドラマ主演女優賞を受賞した話題作。舞台はNY郊外の高級住宅街。そこにあるレストランで働くウェイトレスの女性、アリソンと、彼女の店にブルックリンの方からやってきた子連れのノアが不倫をする衝撃のラブ・サスペンスです。

本作がすごいのは、各話がパート1・2に分かれていて、同じ時間をアリソン側とノア側の両視点から描かれること。でも、同じ場面を描いていても、微妙に違う点が。ノア目線から見たアリソンは可愛いワンピースを着ていても、アリソン目線の時はパーカーを着ていていたり、あの時のアリソンは笑っていたとノアは記憶していても、アリソンは覚えていなかったり、お互い誘ってきたのは相手だと思っていたり・・・それぞれ自分の都合のいいように記憶されているのです。その役者の演じ分けが非常に秀逸。男女のディテールの差、考え方の違い、記憶のすり替えなど、ぜひ細かい違いに注目してみてくださいね! 

≪不倫エンターテインメントのビッグバン≫
そもそも不倫を描いたエンターテインメント作品の全盛期となったのは90年代。日本では「失楽園」「不機嫌な果実」などがありますが、キーとなるのは92年に原作が書かれ、95年にクリント・イーストウッド監督主演で映画化された「マディソン郡の橋」です。当初のスピルバーグ監督、イーストウッド主演という予定が頓挫し、紆余曲折を経てイーストウッド監督主演となりましたが、やはりイーストウッドのフィルモグラフィーでも異色な作品。というのも、彼がやりたくて撮ったというより、あまりにベストセラーとなったので旬なうちに映画化したいという流れで撮ったのだろうと宇野さん。
それほどまでに大ヒットコンテンツとなった不倫ですが、その人気の理由は「マディソン郡の橋」が不倫を美化したから。

不倫のクラシックといえば67年の大名作映画、ルイス・ブニュエル監督の「昼顔」がありますが、注目すべきは不倫をしている女性が主婦売春として描かれていること。つまり、その時代のモラルでは、結婚しているのに他の男と寝るような女は売春婦だ、ということがベースになっているのです。今のジェンダー的にはありえない感覚だし、普通の不倫もあったかもしれませんが、ドラマとして描く上でみんなが納得して見られるのは主婦売春だったのです。
その90年代前半まで続いていたモラルを壊したのが「マディソン郡の橋」や「失楽園」なのでした。

≪女性目線の不倫エンターテインメント≫
実はこの90年代のビッグバンの前に、一度不倫作品が盛り上がった時期があります。社会現象にもなったドラマ「金曜日の妻たちへ」や、85年の「それから」から年に1本ずつ作られた森田芳光監督映画など、80年代にも不倫作品が作られていました。
当時の映画の動員の一要素となっていたのが、女優さんが脱ぐこと。AVすらない時代に、映画で有名な女優さんの裸を見ることが男性にとってのエンターテインメントだった時代でした。
つまり、そういう意味ではあくまで男目線の作品。90年代に、「マディソン郡の橋」を美化したのが女性でしたが、時代を経て男性目線から女性目線へ移行したのです。

これは、現代の昼ドラや、「アフェア」にも繋がること。
物理的にも精神的にも潔癖かつ不倫アレルギーなゆうこしですが、「アフェア」を見られたのは女性の描かれ方がポイント。不倫相手の女性が未婚で若くて、という状況だとダメなのだけれど、アリソンは結婚もしていて、ウェイトレスとして手に職を持っていて、弱い立場ではありません。また、ノアの奥さんの描かれ方も、すごく素敵な良い人として描かれています。「倫を正当化する為に、こんなに酷い相手なら不倫をしても仕方がない、という描かれ方をしないし、どちらも女性が嫌がる女性ではないところが良かった。不倫展開もどちらかというと地味だけれど、だからこそ男性への嫌悪感も少なかった。」と女性目線な意見を話してくれましたが、これらの視点も意図して入れられたものかもしれません。

「アフェア」を好むのも、どちらかというと女性が多いそう。これはちゃんとしたアンケートや調査があったわけではありませんが、ゴールデングローブ賞の審査員に女性が多いことから伺い知れます。また、音楽においても、竹内まりやの「純愛ラプソディ」をはじめ、不倫を歌った歌には女性歌手が多いとも話されました。

≪オススメ不倫映画≫
最後に皆さんのオススメ不倫映画を教えてもらいました!

池田さん:ホ・ジノ監督作「君に微笑む雨」
宇野さん:ロウ・イエ監督作「二重生活」
ゆうこし:イ・ヨンジュ監督作「建築学概論」

不倫というテーマにまだ社会的モラルが強い中国映画、韓国映画。その分、ドラマ性を見出しているものや、ストレートに不倫というテーマを描いた力強い作品、新しい題材として綺麗にフレッシュに作れている作品が作られているのでした。

≪エンディング≫
時代によって価値観が変わってきた不倫エンターテインメント。今回はこの他にも、ポリティカル・コレクトネスについて、スワッピング問題、海外の風俗事情、割り勘不倫の是非、合コンの在り方、などなど様々な話題を語ってもらいました。不倫というテーマはもう古いと言われつつも歴史は相当長く、不倫そのものを肯定する人も否定する人も、エンタメを通じてなら接してみたいという普遍的なもの。不倫そのものは不道徳な行為だけれど、エンターテインメントとして描く上ではその行為を納得させる必要があります。「アフェア」は斬新な手法で、お互いどう思ったかを綿密に描いたからこそ納得できるのかもしれません。

アフェア 情事の行方[R15+指定相当]】はWOWOWプライムにて毎週木曜よる11:00から放送!
第一話を見逃した方も、今夜11/20(金)深夜0:00~のリピート放送や、オンデマンドの見逃し配信でご覧いただけます!
どちらも1話は無料なので、皆様ぜひ今回のぷらすととあわせてお楽しみ下さい!

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