ラムちゃんから学んだこと(2015/12/3配信)

2015/12/04

ラムちゃんから学んだこと_re.jpg

今回のテーマは『ラムちゃんから学んだこと』
サンキュータツオさん、国井咲也さん、玉木碧さんでお送りしました!

皆様のおかげをもちまして、この日はWOWOWぷらすと記念すべき900回目の放送!!ありがとうございます!!いよいよ1000回が見えてきました・・・!今後ともどうぞよろしくお願い致します!

そして今回のテーマは「うる星やつら」ということで、玉ちゃん、ラムちゃん仕様で角カチューシャです!!
各キャラクター造型の考察や、押井守監督作を中心に、「うる星やつら」の魅力を語っていきました!

≪諸星あたるの男性像と、ラムちゃんと音無響子の女性像≫
番組はまず「うる星やつら」との出会いや高橋留美子作品についてトーク。絵柄やアニメになった時の衝撃など、当時を思い出して次々とお話が飛び出します。

なかでも白熱したのが、高橋留美子先生が描く男性像と女性像について。
発端は、タツオさんが玉ちゃんに聞いた「ラムちゃんみたいな女の子のこと、どう思う?」という質問。玉ちゃん的には、「あんな可愛い子になれるならなりたいけど、あんなダメ男ハンターはない。あたるにも腹は立つけど、あんな浮気男を好きになるラムちゃんも理解できない」とのこと。
これに国井さんは、ラムちゃんを"惚れたら負けというタイプの若い女の子"というキャラクター造型になっていると分析。一方であたるは"女性に愛してるって言えないけれど、俺は何も言わなくてもわかるだろ、という6,70年代の古風な男"。当時は男性が本当に好きな女性に、好きとか愛していると言う時代ではなく、あたるはそのモデル。とはいえ、硬派というより軟派なところが気になるところですが、タツオさんは、本当に好きだから言えないんじゃないかという意見。本当に好きじゃない人には思っていないからこそ好きだと言えるけれど、本当に大事な人には言えないというキャラクター造型なのではと考察されました。

たしかに、後の「らんま1/2」や「犬夜叉」を通じて男性像も変わっていて、男の子がこうありたいと思う男性像、女性がこうあってほしいと思う男性像が投影されています。高橋留美子先生はそのチューニングの合わせ方が天才的。
そして、同じ創造主からラムちゃんと「めぞん一刻」の音無響子が生まれていることに衝撃を受けたとタツオさん。ラムちゃんと対比するように、嫉妬してやきもちを焼いて、好きと言葉で伝えられず、可愛げがない響子さん。でもそれがあたるの女性版だと考えると、あたるは他の女の子に行くのに対し、思っている人がいるからこそ固くなってしまっている響子さんには、素直になれない可愛さが見えます。
同じ時期にラムちゃんと響子さんを描き分けている高橋留美子先生。先生自身は響子さんに一番似ていると言っているそうですが、きっと先生の中にふたりがいて、響子さんは自分に似せたキャラクター、ラムちゃんはこうありたいという理想の自分の投影なのかもしれません。

≪ビューティフル・ドリーマーと押井守≫
今回のお話の中心となったのは劇場版第2作目、「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」。1作目に引き続き、アニメ界の鬼才・押井守が監督を務めました。
まず、もう冒頭の時点で天才!!と熱弁されたのがラムちゃんの最初の登場シーン。
ぷるるるる、というお馴染みの音とともに、スカートの翻りと髪がふわっと下に降りて行く描写だけで、彼女が今そこに降り立ったことを見せるポエジーで素敵な表現がされているのです!!
本作は劇場版2作目でテレビアニメも放送されていたので、ラムちゃんが飛ぶ女の子であることはわかっていますが、直接的に飛んでいる描写はしていないのに、飛んできたとわかる描写は衝撃的。その冒頭の学園祭シーンの人の動き方も度肝を抜かれる程動きまくりですが、そういうところに異様な労力をかけておきながら、ラムちゃん登場の神秘的な演出は一気に引きこまれること間違いなしです。

≪押井守ワールド≫
そして、傑作であるとともに、怪作でもあるのがビューティフル・ドリーマー。
1作目、「うる星やつら オンリー・ユー」が原作ものの劇場版として王道だったのに対し、ビューティフル・ドリーマーはかなり押井守ワールドが全開。オンリー・ユーを気に入った人ほど、押井監督の美学・哲学・作家性の強さに衝撃を受けただろうと語られます。国井さんにとっては当初から凄く気に入った作品であったけれど、一緒に観に行った周りの友達たちには、よくわからなかった、俺が知っているうる星やつらと違う、という声が多かったと振り返りました。

評価はきっぱり分かれるけれど、好きな人もいてハマる人にはぴったりハマることとなったビューティフル・ドリーマー。この作品にはすでに押井守監督作の片鱗が出ていて、後年の作品を見ても、核としてぶれない部分はビューティフル・ドリーマーに全部入っている気がすると国井さん。
ビューティフル・ドリーマーにも押井監督らしい演出がいっぱい。たとえば車の中で会話するシーンの高速道路のライトの映り込みや、スイカを冷やすシーンの水に反射する空など、押井監督の反射フェチっぷりは要注目です!

またビューティフル・ドリーマーには、自分のやりたいことを全部やっちゃえという野心もあっただろうとタツオさん。
国井さんは押井さんとお話をされた時に、このときは単純にやめたいと思っていて、無茶やってしまえ、という思いがあったと聞かれたそう。そう思って見返すと、作中に出てくる端々に今まで気付かなかった意味を深読みすることもできます。
同時上映問題についても話されましたが、ビューティフル・ドリーマーは別の映画を見に来た人にインパクトを残したかったのかもとの考察も。当時の生理としては、2本見るとどっちが面白かったかな、と比べてしまいがち。その中で自分の作品は負けたくないはず。押井監督はまさに、他の作品と並列化した中で戦っていたクリエイターの世代の1人であり、だからこそ、こういう尖った作品が生み出されたのかもしれません。

≪エンディング≫
昨今のアニメ作品で支持を集める、いわゆる日常系アニメにおける「終わらない日常」についてもさまざまなアニメやビジネスを例に考察されましたが、30年も前にそのテーマに到達していた「うる星やつら」。高橋留美子先生、そして押井守監督の偉大さを存分に感じられる回となりました!

WOWOW動画ではタツオさん、国井さん、海下ちゃんと語った『押井守を語る。』のアーカイブも公開中です!国井さんの押井監督愛が溢れまくり。「うる星やつら」以降の各作品についてもたっぷり語られているので、一層押井ワールドを堪能できるはず!ぜひこちらも合わせてお楽しみ下さい!
ご視聴はコチラ

そして、劇場版「うる星やつら」全6作品の一挙放送は12/29(火)スタート!
ラインナップはコチラから

今回のお話の中心となったビューティフル・ドリーマーはもちろん、全体を俯瞰して見比べて楽しむことができます!
ぜひ今回のぷらすととあわせてお楽しみ下さい!

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