ラブコメ映画のメッセージ(2015/12/8)

2015/12/09

ラブコメ映画のメッセージ_re.jpg

今回のテーマは『ラブコメ映画のメッセージ』
中井圭さん、二宮健さん、松崎健夫さん、池田裕子さんでお送りしました!



もうすぐクリスマス!
二宮監督、実はラブコメ好きということで2回目の出演です!

≪あなたはいま、Happy?どん底?≫
まずは今回の放送ラインナップをチェック!ラブコメというよりは、クリスマス時期に観るのに良い恋愛映画ということで集められているのだろうと健夫さん。天明さんはクリスマスへの弾みがつく映画ばかりで、こんな恋しなければよかったというのは一切ないと話しましたが・・・それには疑念があると中井さん!本当に悲しい人は浮かれたものを観ても弾みはつかない、そもそもどん底の人があえてラブコメ見るかは議論になる、ということで意外と繊細な問題です・・・!

そこで視聴者の皆さんにも、あなたはいま、Happyか、そこそこか、どん底か、の3択でアンケート!
結果は・・・なんと61.0%でダントツのどん底率!!!!
そこそこは28.7%、Happyが10.3%ということで、意外と闇を抱えている人が多い様子・・・!
やはり一つにまとめ過ぎるのはよくありません。一般論はいらんということで、ぷらすとらしくぐっと踏み込んで掘り下げていきます!

≪ラブコメが成り立つ4つの条件≫
ではまず、そもそもラブコメとはどういうジャンルを指すのか、その定義を教えてもらいました。
意外と線引きが難しいラブコメ。健夫さんも定義はあると言えばあるし、ないと言えばないと話します。
ラブコメとは、基本的に恋愛映画ではなく、コメディから派生したジャンル。
コメディにはもともとスラップスティック・コメディとシチュエーション・コメディの2種類がありました。スラップスティックは役者のドタバタコメディ。シチュエーションは物語が主体で、滑稽な状況や会話によって笑わせるもの。会話が必要になるのでサイレント映画の時代にはスラップスティックが主流であったのが、映画に音がついたことシチュエーションが増え、30年代には新たにスクリューボール・コメディが登場します。スクリューボールは変化球という意味。早口でやり取りをするような作品が生まれ、男女がハイテンポな会話を繰り広げながら誤解を重ねて予想もつかない方向に行ってしまう、というような作品が作られます。これが、おそらく今一般に想像するロマンティック・コメディの原点。

その上で、ラブコメが成り立つには4つの条件があります。
①男女が初対面
②最初はお互い悪い印象
③その二人が行動する内に相手を知り惹かれあう
④基本はハッピーエンド
これがベーシカルなラブコメの条件となります。ラブコメが生まれた背景には、ヘイズコードやその前の性表現が厳しかった時代状況が。ラブコメは性表現ができないからこそ、そこに至るまでの過程や男女を描く面白さで発達したジャンル。逆を言えば、表現が規制されたからこそ隆盛を誇ったジャンルでもあり、もし規制が無かったら、生まれていなかったかもしれません。

インターネットの発達やジャンル分けの需要についても踏まえつつ、ジャンルの多様化についても語られましたが、ラブコメも、このベースを抑えながら変貌を遂げています。ジャンルとは、過去のジャンルを壊したり、いくつかのジャンルを合わせたりして、新しいものを作り出そうとすることで形成されるもの。放送ラインナップを見ながら話していた時に、これってラブコメなの?という疑問が生まれたのも当然で、要素を加え、新しいものを更新しようとするほど他ジャンルに手が伸び、どこからどこまでという線引きが難しくなるものでもあるのです。

≪ラブコメの変貌≫
二宮監督は、一昔前のTHE・ラブコメ映画について、女性目線で語られる物語と、男性目線で語られる物語で、システムが違う気がすると提起。でも、「トワイライト」以降時代が変わって、男目線で描かれてきたアクション映画に、複数の男に言い寄られる心情をベースとした女性目線のラブコメ要素で描かれるスペクタクル大作が出始めた気がすると話します。

これは、時代に映画が共鳴しているのではと中井さん。それはラブコメに限らず、様々な映画が時代の要請を受け、かつてあったフォーマットから変貌を遂げています。
元々、今のラブコメの原型、スクリューボール・コメディの原型ができた30年代は世界恐慌で経済状況が悪い時代。現実が厳しいからこそ映画の中だけでも夢を見たいという背景がジャンルの生まれた理由と言われています。
同じく、60年代も公民権運動やベトナム戦争などで暗い時代でしたが、ラブコメは作られていません。それは、あまりにも暗すぎて楽しいものなんて見ていられず、逆にバッドエンドの作品を見た方が、現実に即していて映画を観た気になるからと、アメリカンニューシネマが生まれました。
80年代は景気が良く、「ロッキー」を始め強いアメリカを謳う映画が作られ、シリーズ内でも試合の勝ち方も変わっていったように、その時の社会状況が国民に対してどう影響したのかがポイント。同じ様な状況に見えてもそうでないところがあって、それが変容に繋がっていきます。
だからこそ、ラブコメという様式や構造を辿ったとしても、アプローチや評価が変わるのはラブコメの面白いところ。クリューボールが変化球であるように、作る側は手を変え品を変え、元のひな型を踏襲しても、さらに別の形で変化球へとなっていっているようです。

≪ラブコメ映画の評価軸≫
では、観客はラブコメに何を求めているのか。ゆうこしは基本的にラブコメをあまり見ないながらも、好きなラブコメは出てくる女性に憧れること、共感することができるかがポイントだと話します。その上で、話題の中心となったのが「(500)日のサマー」。ゆうこしは誰にも共感できなかった派。一方で、二宮監督は『誰かの人生を変える力がある映画』、中井さんは『20年後にも名作・傑作として語られる映画』と評価するほど大好きな映画です。

果たして女性が好きなラブコメ映画、男性が好きなラブコメ映画とは何なのか。
例えばゆうこしを女性の代表、二宮監督や中井さんを男性の代表だとすると、男性は共感よりも映画で描かれていることが面白いこと、女性は共感できるか否かが重要。それによって評価が変わるとすると、男性が好きなラブコメと女性が好きなラブコメは種類が違うのかもしれません。

では「(500)日のサマー」がこれほどまでに評価された評価軸とは何だったのか。
この作品はどちらかというと男性目線で作られた作品。でも一方で、サマーに共感した女の子も結構いるはず。そうでないと、これほどまでの女性の支持の多さが成立しません。
サマーに共感できる女性の母数がある程度いて、トムに共感できる男性もある程度いるという状況が、「(500)日のサマー」の作品の評価になっていると思うと中井さん。
また、ラブコメのフォーマットがもはやなくなっているとの話がありましたが、「(500)日のサマー」もまさにそうで、男女の真実を突き詰めて、実際はどうなのかを映画の中に当てはめていった面白さがある作品でもあります。

ラブストーリーでずっと長く見つづけられている作品は、ハッピーエンドではないものの方が多いと言われます。それは実人生の中で、多くの人は何度か恋愛をしても、上手くいくことより上手くいかないことの方が多いからこそ、共感するところが多くあるから。
でも、ラブコメのひな型はハッピーエンド。そう思うと、「(500)日のサマー」は元々あったラブコメのひな型を壊してできた物なのかもしれません。

≪おすすめラブコメ作品≫
最後におすすめのラブコメ作品を教えてもらいました!
ゆうこし:「ホリデイ」「ニューヨークの恋人」「プリティ・イン・ピンク 恋人たちの街角」
二宮監督:「世界に一つのプレイブック」「(500)日のサマー」「恋しくて」「あの頃ペニー・レインと」
健夫さん(結婚してからでも観られるラブコメ):「結婚の条件」「最高の恋人」「こちらブルームーン探偵社」
中井さん:「ハイ・フィデリティ」「ターンレフト・ターンライト」「エンド・オブ・ザ・ワールド」

そして、冒頭でどん底の人でも観られるラブコメがあるとの話が出ましたが、そんな人には「アバウト・タイム~愛おしい時間について~」や「(500)日のサマー」のサマーがオススメ!「プリティ・イン・ピンク 恋人たちの街角」もアリかも?「恋しくて」は立場次第との事でした!

どん底にいる時は虚無感に浸っている方が回復が早い、との話もありましたが、アプローチはいろいろ。ラブコメで楽しい気持ちになってあげて行く方法もある一方、「(500)日のサマー」のようにベースにある暗いものを見る事で立ち直ることもあります。々に『恋って何よ』回に次ぐ中井さんの闇が垣間見える回となりましたが、中井さんは映画が自分の鏡になることを強く実感したとの事でした!

WOWOWの≪特集:クリスマスに恋したい!≫は12/23(水・祝)スタート!
ロマンティックな話題作・秀作を計12本お届けしますので、ぜひ今回のぷらすととあわせてお楽しみ下さい!
ラインナップはコチラ

そして、二宮監督が大好き、キャメロン・クロウ監督の【あの頃ペニー・レインと[特別編集版]】も1/7(木)午前4:00から放送しますのでお見逃しなく!

二宮監督、いつかはラブコメを撮りたいとのこと!いつか観られる日が楽しみですね!

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