演芸とビジネス(2015/12/14配信)

2015/12/15

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今回のテーマは『演芸とビジネス』
西寺郷太さん、立川生志師匠、射場好昭プロデューサー、浅賀優美さんでお送りしました!


今回は渋谷らくごでもおなじみ、落語家の立川生志師匠をお招きし、ビジネスとしての演芸を考えました!

≪高い?安い?1公演:5400円≫
まずはWOWOWで放送される「博多・天神落語まつり」の話題からスタート。日本最大の落語フェスとも言われるこの会は、博多に東京・江戸落語家と、大阪・上方落語家の両方からそうそうたるメンバーが集結。
今年で9年目を迎えた「博多・天神落語まつり」ですが、博多座で初めて落語の興行が行われたのが5年前の談志師匠と生志師匠の親子会というほど、福岡はそもそも落語文化とは遠い土地。それを9年も前からそれだけの人を集めたという、物凄いパイオニア的存在です。
それもこれも、プロデュースを手掛ける三遊亭円楽師匠の鋭い嗅覚やビジネス感覚があってのことですが、特筆すべきは料金。チケットは1公演あたり5400円。これを安いと感じるか、高いと感じるか、きっと人によって違うと思います。
ミュージシャンからするとかなり安いと郷太さん。でも、落語界からすると高いのです。落語会は1公演に大体5,6人の高座が見れて、1500円や2000円。これには看板の師匠方が出ても地方自治体が打つ興行は補助金が出たり、それをより多くの人に見てほしいからとお手ごろな価格で設定されたりしています。しかし、自分で手打ちするなら、小屋代や宣伝代を考えると3000円や4000円はもらわないと自分のギャラが出るかどうか。
この厳しい状況に対し、談志師匠は「俺が1500円や2000円で行ったら、若いやつらが上がらない。だから俺は5000円以上取らないと行かない。予算やギャラとは関係なく、俺の値段が1500円と言われるのは嫌だ。」と最低ラインを5000円にしていたそうです。もちろん考え方はそれぞれですが、チケット代を高くするのは自分の身入りだけでなく、業界自体のステータスを上げることも考えられているし、業界のトップを走る人がやらないと底上げできないことでもあります。

≪面白いだなんてどこにも書いてない≫
「誰でもできることを、誰よりも特別にやる人が一番偉い」が持論だと郷太さん。たとえば歌うことも、走ることも、基本は誰にでもできる事ですが、それを上手に歌ったり速く走ったりは誰にでもできる事ではありません。そして、落語家が行う"話す"、ということも同様。だからそれだけのチケット代を取って良いと思うと話します。

ぷらすとでも映画の1800円は高いのか問題がよく話題に挙がりますが、でもつまらない映画かどうかは観るまで分からないし、チョイスしたのは自分のアンテナに何かが引っかかったから。落語であれば、行ったけどつまらなければ次は来てくれなくなります。そういう勝負は映画も音楽も落語もテレビもみんながやっているし、めぐりあわせもあるだろうと生志師匠。
なんと談志師匠は、高座中に行った古典のギャグに対し、酔っぱらったお客さんに「つまんねーよ」と言われたことがあるのだとか。普通は無視して続けるところですが、談志師匠は「誰だ」と噺を中断。そして「つまんねーっつったな。どこのパンフレットに面白いって書いてある」と言い放ったそう!どこにも保証はしていないのです。でももちろん他のお客さんは爆笑だったとかw
なので、夢中にさせるのは見せる側の仕事でもありますが、きっと観る側も、夢中になって入り込むことが値段の感じ方を変えるかもしれません。

≪生志師匠激白!談志師匠の秘話≫
番組中では談志師匠の直弟子である生志師匠だからこそ知るエピソードが次々と飛び出しました!入門のお願いに行った時のこと、他の師匠との空気の違い、オリジナリティへの考え方、二つ目昇進のときのこと、お中元・お歳暮のリフォームエピソード、などなど、厳しい修行中のお話から、爆笑エピソードまで、貴重なお話を沢山教えて頂きました!

中でも、特にニコ生に衝撃を与えたのが月見そば事件!!
談志師匠、すごく厳しくて怖い人というイメージが先行していますが、1対1になると結構優しい一面も。生志師匠が談志師匠と二人で地方に行った時のこと。お昼前、ちょっと小腹が空いたくらいの時間で、そばでも食うか、と談志師匠に言われてふたりは駅の立ち食い蕎麦屋さんで月見そばを1杯注文。

お蕎麦が出てきて、生志師匠は談志師匠と自分のカバンの置き場所を探していたところ、ふと見ると談志師匠が月見そばを食べ始めている。なんだ、自分の分だけだったのか・・・と思って立っていると、談志師匠は一言「行けよ」。

行けよ?・・・行けよ??どこに・・・????と疑問符ばかり浮かぶ生志師匠。その行先を探していたところ・・・なんと月見そば!!1杯のどんぶりを二人で左右からつついて半分こするということだったのです!!w
1つを分けるにしても、カレーなどもう少し固形物的な物だったり、取り皿をもらったり、順番に食べる、というのならまだしも・・・食べているうちに蕎麦と蕎麦が繋がるし、つゆが飛ばないか気になるし、しかも月見を割らないように気を付けなきゃいけないし、かなりの高ハードルですw

とはいえ、嫌いなやつとならしないこと。いつもしている訳ではないし、後輩からもそんな話は聞いたことが無いそうなので、どういうつもりだったかは分かりませんが、生志師匠だけが体験した珍エピソードでした!

≪落語家は個人営業≫
落語家にも様々な流派がありますが、東京は四つ、落語協会、落語芸術協会が二大勢力で、円楽一門、そして立川流の4つがあります。
その中で、立川流がビジネス面で他とは違うのは寄席に出ないこと。東京には4つ定席があり、そこに落語協会と芸術協会は入っていますが、立川流は脱退しているので寄席に出られず、自分達で場所を作るしかありません。とはいえ、他の流派に所属していても寄席に頼らない人もいて、今ある程度落語界で看板のある人は、若い頃にそういうことをやってきた人達が多いと生志師匠。たとえば、自分で興行を打てる志の輔師匠はその代表格。
なので、流派はいろいろあれど、どこに所属していても基本は関係なく個人営業。事務所も流派ごとにあるわけではなく、基本は個人事務所で、一人でお仕事をもらうそうです。もちろん仲が悪いわけではありませんが、やはり個人芸であるが故の特性かもしれません。

≪エンディング≫
どんなジャンルであっても、この人を見ている間は楽しい想いができるという安心感は、表に立つまでに積み重ねられた努力と時間があるからこそ感じられるもの。日本ではエンターテインメントへの報酬が低い、との話もありましたが、私たちが支払うお金は、そこに対する対価であることをより強く実感できました!

WOWOWでは東西から名だたる噺家が集まる夢の祭典【日本最大の落語フェス「博多・天神落語まつり」2015】の「其の壱」を2016年1月2日(土)午後1:30~放送!


さらに、【はじめての談志×これからの談志】を1/2(土)午後5:30から放送!
今回放送するの演目は「粗忽長屋」 と「芝浜」!引き続き1月から5か月連続で全10作品、DVD化されず未公開だった演目も交えてお届けしていきます!

そして本日のゲスト、生志師匠の著書「ひとりブタ: 談志と生きた二十五年」も絶賛発売中!
この本、なんと談春師匠が読んだ後、「赤めだかを先に出していてよかった」と最高の賛辞を贈ったほど!
弟子だから語れるエピソードがいっぱいで、郷太さんも『俺も今「ひとりブタ」読み始めてとまらない^_^! 』ツイートしていたとおり、皆さん必見です!

今回のぷらすととあわせてお楽しみ下さい!

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