岡本喜八の戦争映画(2017/7/13配信)

2017/07/14

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今回のテーマは『岡本喜八の戦争映画』
サンキュータツオさん、春日太一さん、早織さんでお送りしました!

この日のぷらすとは、3月に『若山富三郎を語る。』回以来に春日さんが登場!前回も濃厚トークを繰り広げられたので久しぶり感があまりないね~と話しつつ、今回も無双トークが炸裂!
なぜ今回戦争映画をテーマにしたのかそこから語っていきました。

岡本喜八監督は映画を全部で33本撮影しており、時代劇やコメディ、ギャング映画など数多岐に渡り撮影しています。岡本監督に思い入れがある春日さんは「全部やるのは難しいので、今回は"独立愚連隊"の放送があるため、戦争映画にしようと思った。戦争映画は岡本喜八映画の全ての要素が盛り込まれているのでこれを語れば岡本喜八の全てを語ることが出来る」とのこと。
ここまでの導入が分かりやすく「論文の"はじめに"を聞いているみたい」とタツオさん。

岡本監督は明治大学に進んだのち映画界に入ります。ですが、戦局の悪化に伴い兵隊として招集され、国内の基地を回り特攻隊の予備訓練をさせられていました。
いつ死ぬか分からないなか、終戦を迎え再び映画界へ戻ってきます。
そこから10年助監督生活を経て、監督としてデビューを果たします。
当時の日本映画のなかでは異質でアメリカ映画のようなアクションとコメディをひたすら制作。
岡本監督の演出スタイル、馴染みのない人へ語る上で分かりやすいように話すと『シン・ゴジラ』での庵野監督との関係性が重要なのだそう。
なんでも、庵野監督に最も影響を与えたのが岡本監督。実際庵野監督を構成した監督は3人いるそうで、岡本喜八、市川昆、実相寺昭雄。この3人は凄く似ている部分と全く似ていない部分をそれぞれ持ち合わせており、その良いとこ取りをしたのが庵野監督。
岡本監督の対談で庵野監督は「個人の人生観、フィルムの演出家としても多大な影響を受けている」とコメントしています。

そして『シン・ゴジラ』では牧教授として写真で登場。これがすごく重要なメッセージになっているそうで「僕の見立てとしては、庵野監督の根底には、もしも岡本監督が"シン・ゴジラ"を撮っていたらどうなるかというシミュレーションかと思うくらい、演出がほぼ岡本喜八イズムになっている」とのこと。主人公の長谷川博己さんは牧博士に導かれるままに動いて、結果ゴジラと戦っています。これは庵野監督と岡本監督の関係性そのもので、岡本監督に導かれるままに映画を作っていった。もう一方で、ゴジラ出現を予告していたということで戦う側両方を支配していたのが岡本監督であり、最後に大きく写真があるということは、作品世界を支配していたのも岡本監督であるということ。「全体を通して岡本監督への意思表示をしている。そうでなければ誰でもいいからね。」と先週とは全く違う春日さん的『シン・ゴジラ論』が語られました!

ここからはWOWOWで放送される『独立愚連隊』についてじっくりトークしていきました。
岡本喜八イズムが一番出ているのが『独立愚連隊』。そもそも『独立愚連隊』とは、戦場組織のはみ出し者、いらない人たちの集まり。彼らが上からの命令を聞かずに動き回った結果任務が上手く行く話。
岡本監督が戦争映画で何をやりたかったのかというと"スピーディーでテンポの良くコミカルなアクション映画"として戦争を描いていきました。
戦後の戦争映画は『ひめゆりの塔』『きけ、わだつみの声』『ビルマの竪琴』など戦争の悲惨さや理不尽さを正面から訴える作品が多く、敗戦国のためエンターテインメントにすることが難しくあり、タブーでした。それに対し岡本監督は「自分は社会派物は作れない」と言い切っています。

西部劇を作りたかったと話す監督は小道具として拳銃や機関銃を使用したかったが日本ではリアリティに欠け不自然になってしまうため戦争にしぼったそう。そして西部劇的アクション映画を作るために『独立愚連隊』を作り始めだとか。最前線に立つ人たちが悲壮感もなく手りゅう弾で遊んでいたりするようなシーンなどが多く、皮肉の為に戦争全体を茶化してやろうではないかと作られました。これが人気が出てシリーズが作られていきますが、前作よりは殺人シーンを減らし、喜劇を増やし、戦争映画なのにもかかわらずハッピーエンドと痛快になっています。あえて茶化して作っていったのはなぜなのか。それはハリウッドのようなアクション映画を作りたいというのも1つありますが、演出的な意図があり、日本の娯楽映画しか作らなかった師匠のマキノ雅弘監督に「映画はおもろくなきゃアカン」とずっと言われ続けていたそう。もう1つは岡本喜八監督本人の戦争体験。彼の戦争体験があえて真正面から戦争映画は作らないというスタンスにかえていきます。
「ささやかな戦争体験だったけど、自分にとっては痛烈だった」とインタビューで答えているのだとか。

他にも『日本のいちばん長い日』『肉弾』『ジャズ大名』など各作品についても細かく無双トークしています。
ここには書ききれないので、ぜひアーカイブをチェックしてください!

最後まで話を聞いて早織さんは「臓器がプルプルしている。重厚でした。」と感想を残しました。

WOWOWでは、岡本喜八監督が、邦画では珍しい痛快タッチの戦争アクション映画と評判を取った「独立愚連隊」シリーズ8作品を7/18(火)よる7:00~一挙放送!!
番組詳細はコチラ

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