2018/09/21 up

DCコミックスのスーパーヒーローズ『ジャスティス・リーグ』

「ジャスティス・リーグ字幕版」9/22(土)よる8:00

 『ジャスティス・リーグ』はバットマン、ワンダーウーマンらそれぞれ単体でも主役が張れるスーパーヒーローたちがチームを組み、さらなる巨大な悪と戦うというスーパーヒーロー・エンターテインメント。昨今ブームのアメコミ・ヒーロー映画です。アイアンマンやスパイダーマンが共演する『アベンジャーズ』とは違うの? と思われるかもしれませんが、構造は同じながら、アベンジャーズというのはマーベルというアメコミ出版社のヒーロー集団、このジャスティス・リーグはDCというアメコミ大手出版社のヒーロー軍団と思ってください。DCは今年デビュー80周年を迎えたスーパーマンを輩出したところで、全てのアメコミ・ヒーローはこのDCのスーパーマンから始まったのです。

 映画ではアベンジャーズの方が先ですが、コミックの歴史においてはジャスティス・リーグの方が先。スーパーヒーローたちが共演する、というワクワクするようなフォーマットを開発したのはジャスティス・リーグなのです。日本のスーパー戦隊"××レンジャー"と比較する方もいますが、スーパー戦隊は元々グループ・ヒーローなんです。しかしジャスティス・リーグはそもそもソロで活躍していたヒーローたちが夢の競演をするので"ヒーロー集団"であっても"集団ヒーロー"ではないのです。

 映画『ジャスティス・リーグ』に登場するのは、犯罪者から街を守るダークナイトことバットマン、伝説の女戦士の国アマゾンの姫にして最強の女性ヒーロー、ワンダーウーマン、海底王国アトランティス出身の武闘派王子アクアマン、超高速で移動できる力を身につけたオタクな超人のフラッシュ、そしてあらゆるITと接続できるうえ自身も日々能力がアップデートされるメカ人間のサイボーグです。物語的には、かつてこの世界にはスーパーマンがいたのですが彼はある事件があって死んでしまいました。スーパーマンの意志を継いでこの世界を守ると誓ったバットマンは、この地球に大いなる脅威が迫っていることに気づき、同時多発的に出現したヒーローたちをスカウトしてそれを迎え撃つチーム"ジャスティス・リーグ"を結成しようとしますが...。

 映画としてはスーパーマンの誕生を新たな視点で描き直した『マン・オブ・スティール』から始まる『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』『スーサイド・スクワッド』『ワンダーウーマン』の流れに連なる作品です。また『ジャスティス・リーグ』で本格デビューしたアクアマンは、来年日本でも『アクアマン』というソロ映画が公開。フラッシュやサイボーグもソロ映画デビューが予定されていますから、これからのヒーローを先物買い的に見ておく楽しみもありますよ。

 なお、こういう風に一つの世界観の中で独立した作品を複数走らせて、共演させたり関連付けさせたりする手法を"ユニバース"といいます。先ほどのアベンジャーズのマーベルもそうですが、最近のハリウッドの流行りです。アメコミ映画以外にもユニバース化は広がっており、ホラー映画の『死霊館』シリーズもユニバース化されているし、'19年に公開されるハリウッド版ゴジラは、なんと'17年に公開された『キングコング:髑髏島の巨神』と同じユニバース。'20年にはハリウッド版『キングコング対ゴジラ』が公開予定です!

 というわけで『ジャスティス・リーグ』は、DCのユニバースに属する作品ですが、今までの作品を見ていなくても大丈夫です。"とにかくこの世界にはいろいろなヒーローがいて、宇宙からやってくる敵をみんなで協力してやっつける"というシンプルなお話ですから、なんの予備知識も要りません。しかしストーリーがシンプルな分、各キャラクターの描写やそれぞれの能力を活かしたアクションの見せ場が盛り沢山で、一級のエンターテインメントに仕上がっています。どのヒーローもすごい能力とは裏腹に、それぞれ悩みを抱えています。だから彼らの信じる正義=ジャスティスはみな違う。それを超えて一つになれるかが、とてもドラマティックです。社内の横断プロジェクトで、面倒くさい若手とか他の部署の曲者をとりまとめて何かをしなきゃならないリーダーとかを任せられた方なら、今回のバットマンの苦労がすごくわかると思いますよ(笑)。

文=杉山すぴ豊

[放送情報]

ジャスティス・リーグ字幕版
WOWOWシネマ 9/22(土)よる8:00

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