2019/11/08 up

スピードワゴン小沢一敬が「最高にシビれる映画の名セリフ」を紹介! 第9回の名セリフは「ゴミ掃除と同じで、誰かがやらなきゃきれいにならないんですよ」

「マスカレード・ホテル」11/16(土)よる8:00他

取材・文=八木賢太郎

 映画を愛するスピードワゴンの小沢一敬さんならではの「僕が思う、最高にシビれるこの映画の名セリフ」をお届け。第9回は、木村拓哉扮する潜入捜査官と長澤まさみ扮するホテルマン、正反対のコンビが連続殺人事件に挑む東野圭吾原作の傑作ミステリー『マスカレード・ホテル』('19)。さて、どんな名セリフが飛び出すか?

──この前、ネット上で小沢さんの言葉がバズってましたね。

小沢一敬(以下、小沢)「そうなんだよ。前にここで語ってたことを改めて『ワイドナショー』でしゃべったんだけど」

小沢一敬さんの他のインタビューはこちら >

──連載の第5回『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』で語っていた、「知識を使って何をしゃべるかが"知性"であって、逆に何をしゃべらないかが"品性"」という話ですよね。「名言だ!」と話題になってました。

小沢「だからさ、この連載みたいな場があると、ホントに助かるんだよ。普段の自分の思考が整理されて、番組で振られたときにパッと話せるようになるから」

──では今回もそんな思考を整理しながら語っていただきますが、今回の作品は『マスカレード・ホテル』です。

小沢「俺は東野圭吾さんの原作は読んでないんだけど、小さなエピソードが次々と出てくるから退屈しないし、ひとつも無駄じゃないし。たぶん原作では、もっとひとつひとつのエピソードが丁寧に書かれてるとは思うんだけど、映画は映画で、2時間ちょっとでそういう細かいエピソードの背景までちゃんと見せてくれていて。いい映画を観たって感じだった」

──主演は木村拓哉さんです。

小沢「とにかく俺はさ、木村拓哉さんって人のファンだから。やっぱりすごいな、と思ったよ。役者を大ざっぱに2種類に分けると、どんな役柄にもなりきれちゃうタイプと、どんな役柄でも自分自身にさせちゃうタイプがいるでしょ。木村さんって、世間的には後者だと思われがちなんだけど、実は前者もできるんだよね。よく『松田優作は何の役をやっても松田優作、木村拓哉も何の役をやっても木村拓哉』みたいに言われるじゃん。木村さんは、確かに『何の役をやっても木村拓哉』ではあるんだけど、一方で、どんな役柄にもちゃんとなりきれちゃってる。そういうところがスーパースターなんだなって思う」

──木村さんのファンだというのは、いつ頃から?

小沢「正直言うと、前はあんまり接点がなかったんだよ。だけど数年前に、明石家さんまさんに紹介してもらって一緒に飲んだ時に、木村さんが『今日はすごい楽しかった』って言って、連絡先を交換してくれたのよ。俺は最初はビビっちゃって、ブロックしようかと思ったんだけどさ(笑)」

──スーパースターをブロックしちゃダメですよ。

小沢「そうしたらそれ以来、誕生日とかお正月とか節目に必ず連絡くれてさ。そういう人だから、会うたびにどんどん好きになっちゃうよね」

──先日は、木村拓哉さんがパーソナリティーを務めるラジオ番組『木村拓哉 Flow』のゲストにも呼ばれてました。

小沢「幸せだよね、そんなところにまで呼んでもらって。そのラジオでも言ったんだけど、木村さんとか長澤まさみさんって、『週刊少年ジャンプ』で連載開始からずっと表紙を飾ってる作品みたいな人たちでしょ」

──漫画雑誌は人気がないと表紙を飾れませんからね。

小沢「人気がないと表紙のチャンスもなくなり、だんだん後ろのほうの掲載になり、そして、いつの間にか連載が打ち切りになる。TVとか映画の世界もそれと同じ厳しい世界なんだけど、その中で常に表紙を飾ってきた木村拓哉さんと長澤まさみさんの共演って、ジャンプでいえば『ONE PIECE』と『NARUTO -ナルト-』が合体したようなもんだよ(笑)」

──そんな2人の初共演だけじゃなく、脇の役者さんたちも超豪華なオールスター映画でした。

小沢「とにかく、出てる役者さんたちが豪華過ぎてさ、もう、ずっと観ていられる。そんな映画で、主人公を演じられる木村拓哉さんという役者のすごさだよね。最近、『SNSで炎上しない唯一の方法は、自分の意見を言わないことだ』みたいなことが言われてるけど、俺はそんなつまらない生き方はあり得ないと思ってるのね。だからこそ、『俺はこう思う!』『こうなりたい!』って言い続けて、その"なりたい自分"に確実になっていった木村さんをカッコいいと思うの。あの人は、映画やドラマの主人公だけじゃなく、"木村拓哉"というタイトルの、表紙も飾れる漫画の主人公をずっとやってるような人だから」

──いつでも一番手の位置にいて、その生き方を貫いている人ですもんね。

小沢「今は、なりたい自分になろうとすると文句言われる時代だから、ちょっとでも批判が飛んでくると自分を貫くのが怖くなったりするけどさ、そんなときに勇気づけてくれるのが、"木村拓哉"という存在なんだよ」

──その先には、常に矢面に立っている木村さんがいると。

小沢「そう。みんな、木村さんを目指さないとダメだよね。もちろん、見た目はなれないけど(笑)。あの人みたいに生きていけば、みんな他人の意見なんて関係なくなって、人の悪口を言ってる時間すらもったいなくなると思うよ」

──そんな今回の作品の中で、小沢さんがシビれた名セリフは?

小沢「ゴミ掃除と同じで、誰かがやらなきゃきれいにならないんですよ」

──連続殺人事件を解明するためにホテルに潜入するエリート刑事、新田浩介(木村拓哉)と、彼の教育係を任されたホテルマン、山岸尚美(長澤まさみ)。お互いの立場の違いから幾度となく衝突してきた尚美に対して、新田が「自分が警察官を目指した理由」を熱く語る場面のセリフですね。

小沢「このセリフを聞いて、仕事とは何だろう? と思わされたんだよね」

──それは、どういう意味で?

小沢「これは極論なんだけど、人間が生きていく上で必要な仕事って、3つしかないと思うのね。衣、食、住。つまり服を作る人と、家を作る人と、食べ物を作る人。でも、より良い社会生活を成立させるためには、さらに警察官とか、消防士とか、医者とか、政治家とかっていう仕事も必要になってくる。そういう中で、俺たちの仕事って何だろう?って考えたの」

──そこの枠には入らない仕事ですよね、確かに。

小沢「そう。生きてく上で必要な仕事でもないし、より良い社会生活のために必要な仕事でもない。じゃあ、何かっていうと、多分、俺たちの仕事って、みんなの人生に差し色をするというか、それぞれの人生というデッサンにちょっとしたアクセントの色をつけるような仕事じゃないかな、と思ったんだよ」

──なるほど。またもやバズりそうな、ステキな話です。

小沢「生きてく上では必要じゃないけど、あった方がみんなが楽しく生きていける仕事。必要じゃないけど必要な仕事。そういう仕事をやらせてもらってるからには、ちゃんと仕事しなきゃなって思わされた、この映画を観て」

──あのセリフひとつで、そこまで考えましたか。

小沢「うん。俺たちみたいな仕事をする人がいなくたってみんな生きていける。だけど、それだと生きていく意味みたいなものが失われてしまうから、みんなが生きていく世界を楽しく、色鮮やかに美しくする仕事。それは長澤さんが演じたホテルマンの仕事も同じだと思うけど。だから、無駄な仕事なんてひとつもないよなって思わされたよね」

──なんか、頑張って働かなきゃって気持ちになってきました(笑)。

小沢「"働く"って言い方が、今の日本だと、ブラック企業の問題とかであんまりいいイメージないけどさ。本来、"働く"って漢字は"人が動く"って書くじゃん。"動く"ってことは、"命が動いている"ってことだから。命を躍動させなきゃいけないんだよ。お給料もらうためにしんどい仕事をやれ、とかってことじゃなくて、生まれてきた以上は、それぞれが自分にできることを何かやらなきゃいけないってことなんだと思うんだよね」

──ちなみに、みんなの人生に色をつけているとするなら、小沢さんの色は何色なんでしょうか?

小沢「でも、俺は暗い色なんだよなぁ(笑)。藍色とか冷たい青だよね。(相方の井戸田)潤なんか、まさに暖色系で。なんか、オレンジっぽいでしょ?」

──オレンジっぽいですね、井戸田さん。

小沢「俺がジャイアンツファンで、潤がドラゴンズファンだから、ホントは(イメージカラーは)逆じゃないといけないんだけどね(笑)」

取材・文=八木賢太郎

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  • 小沢一敬
    愛知県出身。1973年生まれ。お笑いコンビ、スピードワゴンのボケ&ネタ作り担当。書き下ろし小説「でらつれ」や、名言を扱った「夜が小沢をそそのかす スポーツ漫画と芸人の囁き」「恋ができるなら失恋したってかまわない」など著書も多数ある。

「このセリフに心撃ち抜かれちゃいました」の過去記事はこちらから
小沢一敬の「このセリフに心撃ち抜かれちゃいました」

[放送情報]

マスカレード・ホテル
WOWOWシネマ 11/16(土)よる8:00
WOWOWプライム 11/17(日)午後1:30
WOWOWプライム 11/20(水)よる7:40
WOWOWシネマ 12/8(日)午後4:00

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