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カテゴリ「メガヒット劇場」の記事

「関ヶ原」6/16(土)よる8:00ほか

 池井戸潤の小説『空飛ぶタイヤ』が長瀬智也主演で映画化され、公開中。池井戸はいま、もっとも映像化作品の多いベストセラー作家の一人だが、『空飛ぶタイヤ』はかつて仲村トオル主演で連続ドラマ化もされている。このように優れた小説は、スタッフとキャストがそれぞれ別の布陣で映画化、ドラマ化されることが少なくない。山崎豊子の『白い巨塔』は田宮二郎主演の映画版(66)が有名だが、その後、田宮主演作も含めてなんと4度にわたりドラマ化されている。特に2003年の唐沢寿明版は、いまなお多くの人の記憶に刻まれているだろう。'17年に岡田准一主演で映画化されてヒットした、司馬遼太郎の『関ヶ原』は'81年に加藤剛主演でドラマ化されている。髙村薫の『マークスの山』や横山秀夫の『半落ち』は、映画、ドラマの順で、やはりスタッフとキャストを一新して製作された。

 横山と言えば、近年の代表的な"競作"に『64(ロクヨン)』がある。ドラマ版は主演、ピエール瀧の存在感を軸に肉厚の物語を骨太に構築し、第70回文化庁芸術祭賞のテレビ・ドラマ部門で大賞を受賞した。一方、映画版は佐藤浩市を主人公に据えた2部構成となって群像劇の趣が強まり、ラストは瀬々敬久監督(『友罪』ほか)が原作にひとひねりを加えており、興行的にも成功を収めた。

 長尺の小説はエピソードや描写を細やかに紡ぐことができる連続ドラマと確かに相性がいい。一方、時間的な制約のある映画は時間の圧縮と空間の配置、すなわち小説の世界観を俯瞰するセンスがより必要となる。どちらにすべきということではなく、メディアの特性が異なるからこそ、"輝かせ方"も違って当たり前なのだ。たとえば、'06年に山田孝之と綾瀬はるかの顔合わせでドラマ化された東野圭吾の『白夜行』は、キャラクターのありようにぴたりと寄り添うことで感涙を呼んだが、堀北真希と高良健吾を迎えた'11年公開の映画版はハードボイルドな色彩が強まり、まるで古典的名作戯曲に接するような感触が衝撃だった。同じ悲劇的なストーリーを見つめても、ドラマと映画ではここまでフォルムが変わるという好例である。

 角田光代の『八日目の蟬』『紙の月』も、ドラマと映画では印象ががらりと変わった。前者のドラマ版は檀れい扮する"誘拐犯である母"の視点で描かれたが、映画版は井上真央演じる"誘拐犯に育てられた娘"が主軸となっている。どの登場人物にスポットを当てるかで映像化は異なる達成を見せるし、一つの小説から多様な可能性が生まれるのだ。後者では、原田知世主演のドラマ版が原作の雰囲気を踏襲した人間ドラマであるのに対して、宮沢りえ主演の映画版では横領に手を染める銀行員であるヒロインの犯行の過程が丹念に映し出され、サスペンスの濃度が上がった。物語は同じでも、ある意味「ジャンルが違う」と言ってもいいほど対照的である。

 原作小説、ドラマ版、映画版、いずれかを楽しめたのであれば、作り手が別の味付けを施した他のメディアも味わってみてはどうだろう。新たな視点に驚かされ、さまざまな発見があるはずだ。

文=相田冬二


[放送情報]

関ヶ原
WOWOWシネマ 6/16(土)よる8:00 ほか


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「四月は君の嘘」6/10(日)よる6:45ほか

 今、数多くの作品が作られている青春ラブストーリーというジャンル。若手俳優&女優の人気のバロメーターにもなっており、絶大な支持を集めている。その理由は、ティーンも大人もキュンキュンさせる魅力がたっぷり詰まっているからだ。

 魅力の代表的なものの一つが"秘密"。例えば、亀梨和也と土屋太鳳が共演した『PとJK』では、警察官の功太と女子高生の歌子が"結婚"という秘密を共有することで、二人の恋はさらに燃え上がる。警察官と女子高生、社会的に見れば許されざる恋に思えるが、二人が織りなす内緒の結婚生活は歌子の無邪気さも手伝って、とても微笑ましい。そして、そんな歌子を愛おしく思い、優しいまなざしで見つめる功太の大人なふるまいにキュンキュンさせられる。特に功太が歌子の学校の学園祭を訪れるシーンでのコスプレデートは、結婚という秘密を抱える二人だからこそのドキドキが詰まっている。

 一方、広瀬すず&山﨑賢人共演の『四月は君の嘘』、"キミスイ"の愛称で大ヒットした『君の膵臓をたべたい』、人気コミックが原作の『きょうのキラ君』、それぞれの秘密の要素は"病"だ。母親の死をきっかけにピアノが弾けなくなっていた主人公・公生が、天真らんまんなヴァイオリニストのかをりと出会うことで変わっていく『四月は君の嘘』は、二人が心を通わすことになるコンクールから、かをりが自分の病気を告白するシーン、その後の二人の関係性まで甘く切ないシーンの連続だ。

『君の膵臓をたべたい』は、他人に興味がなかった"僕"がヒロインである桜良の病気を知ってしまったことで、まったく親しくなかった二人の距離が縮まる。そこからのクラスメイトの前での"仲良し宣言"や、互いの本心を探る"真実か挑戦か"ゲームなど、高校生らしいやり取りの数々に甘酸っぱい思いが胸に広がる。

detail_180601_photo02.jpg©2017「君の膵臓をたべたい」製作委員会 ©住野よる/双葉社

『きょうのキラ君』は、人付き合いが苦手なヒロイン・ニノが学校一のモテ男・キラの秘密を知り、彼を笑顔にしようと奮闘する姿がキュート。学校イチ地味なヒロインとクラスの人気者という相反する二人の恋ということに加え、クールなふりをしているが、実は泣き虫というキラのキャラクターのギャップもポイント高し!

detail_180601_photo03.jpg©2017「きょうのキラ君」製作委員会 ©みきもと凛/講談社

 さらにもう1作品、これまでとは違う"秘密"を抱える二人が登場するのが、二階堂ふみと山﨑賢人が共演した『オオカミ少女と黒王子』。こちらは嘘から始まる真の恋を描いた作品で、「恋人がいる」と友達に嘘をついていたオオカミ少女のエリカが、学校イチのイケメン・恭也に理想のカレを演じてもらう代わりに恭也に絶対服従するというもの。コメディ色が強いが、恋に不器用すぎるドS王子・恭也の意外な一面に乙女心をくすぐられる。

 言わば"秘密と嘘は恋の隠し味"。現役ティーンはもちろん、かつてティーンだった大人たちも存分に胸キュンを味わってほしい。

文=馬場英美

[放送情報]

君の膵臓をたべたい(2017)
WOWOWシネマ 6/9(土)よる8:00 ほか

PとJK
WOWOWシネマ 6/9(土)よる10:00 ほか

四月は君の嘘
WOWOWシネマ 6/10(日)よる6:45 ほか

きょうのキラ君
WOWOWシネマ 6/12(火)よる7:00 ほか

「シン・ゴジラ」 5/20(日)よる6:45

 石原さとみに会ったことがある。といっても、かなり前の話だ。『包帯クラブ』('07)と、それから『フライング☆ラビッツ』('08)の公開前にインタビューをする機会を得たのだ。
 当時の彼女はデビューして3~4年経っていて、映画の出演はまだ数本ではあるもののテレビドラマではヒロインとして重用され、すでに一定の人気を確立していた。が、まだ現在のような"女性層の絶大なる支持"は、なかったと思う。インタビューでの印象は、20歳過ぎにして早くも地に足が着いており、ハッキリと自分の考えを伝える"意志の強さ"が印象に残った。

 だからここ数年の"勝ち気女子"キャラでの飛躍は、さもありなん、といった感じではあったのだが、しかしそれでも『シン・ゴジラ』('16)の彼女には驚かされた。あの「ガッズィーラ」である。いや、その英語発音を揶揄しているのではない。日系三世のバイリンガル、米国大統領特使カヨコ・アン・パタースンという戯画化された役柄は、登場するたびに場の空気を変え、見る者に異質感を与えるよう、総監督・脚本の庵野秀明にそう造詣されていたのだから。

detail_180517_photo02.jpg©2016 TOHO CO.,LTD.

 最初の登場シーン、長谷川博己扮する内閣官房副長官の矢口蘭堂に対し、「現政権のレポートを読んで、私が判断したの。過去も興味深い。使えそうな人物としてRANDOU YAGUCHIがベターな選択、不服でも?」とネーティブ発音を織り交ぜた弁舌でメンチを切り、「何をしてもいいけど、私に汚点を残さない仕事をして」と上から目線でズバッと言い放つところからグッとつかむ。特に、Mっ気のある"叱られ好き男子"にはたまらないものが!
 巨災対(巨大不明生物特設災害対策室)に乗り込むと、蘭堂に「どうも日本語の敬語が苦手なの。そろそろ、タメ口にしてくれる?」と突っ掛かり気味に提案。「では、遠慮なく。米国はゴジラをどうする気だ? 研究対象か、それとも駆逐対象か?」と聞かれると、「それは大統領が決める」と素っ気なく返し、「あなたの国は誰が決めるの?」とド直球で問題の核心を突く。こんな特異なキャラクター、日本映画初ではないか。本作の監督・特技監督担当、樋口真嗣の『進撃の巨人ATTACK ON TITAN』('15)にて石原さとみがやっていた調査兵団分隊長・ハンジ風に言えば「こんなの初めてー!」である。

 さて、和田竜の同名ベストセラー小説を、中村義洋監督が映画化した『忍びの国』('17)での彼女は同じ"勝ち気"キャラであっても、違うアプローチでまたすごかった。大野智演じる主人公の伊賀一の忍び・無門にさらわれた武将の娘・お国を演じているのだが、ここでの石原さとみは基本、つつましい。口調も優しく、おっとりしている。しかし、芯の強さはカヨコ・アン・パタースンとも双璧を成し、"叱られ好き男子"をまたも激しく刺激する。例えば無門が"はした金"を持って帰宅しようとした時、家の中には入れず、「無門殿はわたくしを、安芸の国よりさらってきた折、何とおっしゃいましたか?」と問う。無門はぜいたくな暮らしを彼女に約束したのだ。それなのに、家といっても掘っ建て小屋の極貧生活。「本当にわたくしと夫婦になるおつもりがあるのですか?」とダメ出しの連発を食らわす。無表情で、ちょっと目線を外して接するところにゾクゾク。さらに別のシーンでは、足軽から一国一城の主(あるじ)にまでなった秀吉の話をして「侍におなりなさい」と無門に勧める。その言葉がちっとも響かないと分かって、ギロリとにらむ! 目つきの鋭さ、無言の圧のすさまじさに"瞬殺"されること間違いなし。

detail_180517_photo03.jpg©2008和田竜/新潮社©2017映画「忍びの国」製作委員会

 この『忍びの国』も『シン・ゴジラ』も、そうしたキリッとした"勝ち気女子"キャラを押し出しつつ、ストーリーの展開とともに徐々に内面を変化させていくあたりに石原さとみの演技力が活かされているのだが、もっともっと極めて、『女神の見えざる手』('16)でスーパーロビイスト役を体現したジェシカ・チャステインみたいな女優になっていってほしい。"女性はこうあるべき"という"くびき"を解き放っていく、そんな女優に――。

文=轟夕起夫

[放送情報]

シン・ゴジラ
WOWOWシネマ 5/20(日)よる6:45

忍びの国
WOWOWシネマ 5/19(土)よる8:00 ほか

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4月20日(金)全国ロードショー
配給:ワーナー・ブラザース映画 「夜は短し歩けよ乙女」4/8(日)午前9:00 「ガルム・ウォーズ」3/24(土)よる10:00 「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」3/24(土)深夜2:00 「LOGAN/ローガン」3/17(土)よる10:00 「映画ドラえもん 新・のび太の大魔境〜ペコと5人の探検隊〜」4/30(月・休)午後2:00 「機動警察パトレイバー 劇場版」3/25(日)午前5:20 「美女と野獣(2017)」4/14(土)よる8:00
©Disney Enterprises,Inc. 「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」3/10(土)よる8:00
©2017 MARVEL 「映画ドラえもん のび太の海底鬼岩城」3/11(日)午後1:45
©藤子プロ・小学館・テレビ朝日 1983 「イニシエーション・ラブ」3/9(金)よる7:00
© 乾くるみ/「イニシエーション・ラブ」製作委員会 撮影=神保達也、ヘアメイク=鈴木麻水美、スタイリスト=大沼こずえ、衣装=ADORE 「幕が上がる」©2015平田オリザ・講談社/フジテレビジョン 東映 ROBOT 電通 講 談社 パルコ 写真:AP/アフロ 撮影=坪田彩 ©2016 Xenolinguistics, LLC. All Rights Reserved. 写真:ロイター/アフロ
「生中継!第90回アカデミー賞授賞式」3/5(月)午前8:30~(同時通訳)3/5(月)よる9:00~(字幕版) 撮影=中川容邦 「バレンタインデー(2010)」2/14(水)よる6:45
© Warner Bros. Entertainment Inc. ©Disney Enterprises, Inc. 「チア☆ダン ~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~」©2017映画 「チア☆ダン」製作委員会 「セブン[吹替補完版]」2/10(土)午前11:25 「帝一の國」2/24(土)よる8:00
「帝一の國」©2017 フジテレビジョン 集英社 東宝 ©古屋兎丸/集英社

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