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カテゴリ「メガヒット劇場」の記事

「エイリアン:コヴェナント」7/14(土)よる10:00ほか

 長きにわたり、一大ユニバース(作品世界)を形成している『エイリアン』シリーズ。WOWOWでは『エイリアン:コヴェナント』初放送に合わせて一挙にシリーズ全作をお届けする。そこで改めて、個々の作品を「監督に注目」して、駆け足で振り返ってみたい。

 まず記念すべき1作目。『エイリアン』(79)の監督はリドリー・スコットだ。今や誰もが知る巨匠であるが、当時はまだ、一部にしかその才能が伝わっていなかった。CF界を活躍の場とし、母国イギリスで初の商業長編映画『デュエリスト/決闘者』(77)を手がけ、第30回カンヌ国際映画祭で新人監督賞を受賞したばかり。そして、『エイリアン』に抜擢されると一躍大ブレイク。「密室にヤバいクリーチャーが侵入してくる」というシンプルなプロット、シチュエーションを活かしたサスペンスフルな演出と映像センスで"SFホラー映画"のエポックとなってしまったのだ。

 シガーニー・ウィーヴァー扮する主人公、女性クルーのエレン・リプリーは閉ざされた宇宙船内で最後まで生き残り、変形を繰り返してきた地球外生命=エイリアンの生体(ゼノモーフと呼ばれる)と死闘を繰り広げる。自らストーリーボードを描くヴィジュアリストのリドリー・スコットは、映画の肝であるエイリアンの造型デザイナーに異端の画家H・R・ギーガーの起用を決断! 彼自身、美術大学時代に絵画やグラフィック・デザインを専攻していた"アーティスト"であった。

さて、このSFホラーの金字塔は、続編『エイリアン2』(86)では違った相貌を見せることになる。公開時のキャッチコピーは「This Time It's War.」。すなわち宇宙海兵隊が銃火器を手にし、植民惑星を壊滅させた無数のエイリアンたちに立ち向かうアクション満載のパワフルな戦争活劇に転換。監督・脚本は『ターミネーター』(84)をヒットさせて、イケイケ状態のジェームズ・キャメロン。彼の際立った作家性であるミリタリー趣味と、母性に裏打ちされた強いヒロイン像が作品内へしかと刻まれた。男前な女性狙撃手はキャラが立ち、主人公リプリーは最強の戦士となり、クライマックスにはパワーローダー(運搬用重機のパワードスーツ)に搭乗して操縦、エイリアン・クイーンとの頂上"母性"バトルは今でも語り草だ。SFホラーを俺流の"戦争アクション"に染めあげたジェームズ・キャメロンは、「監督によってスタイルが変わる」という当シリーズの"トーン&マナー"を決定づけた。

detail_180713_photo02.jpg「エイリアン2」© 1986 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

前2作で、新進気鋭のクリエイターの登竜門的色合いが一段と濃くなったが、90年代に突入して作られた『エイリアン3』(92)は、完全な新人監督が選ばれた。デヴィッド・フィンチャー。これが現在、完璧主義として有名な鬼才の長編デビュー作である。早くに映画界を目指して高校卒業後にはI.L.M.(インダストリアル・ライト&マジック)に就職。ディレクターに転身してからはCM畑で頭角を表し、さらに1980年代後半はスティングの「Englishman In New York」、ポーラ・アブドゥルの「Straight Up」「Forever Your Girl」、マドンナの「Vogue」といったMVでも注目され、いきなり本作を手がけることに。リプリーが辿りついた流刑惑星を舞台に、囚人の飼い犬を宿主にした一体のドッグ型エイリアンが4足歩行で暴れまくるのだが、デヴィッド・フィンチャーはそのデザインを再びH・R・ギーガーに依頼、独特の陰鬱な世界観を構築し、緊迫感あふれる展開の中にエイリアンのPOV(一人称視点)映像も盛り込んで、才気の萌芽を見せている。

detail_180713_photo03.jpg「エイリアン3」© 1992 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

続く『エイリアン4』(97)は、いったん完結したシリーズを再生させる試みとなった。前作で体内に寄生され、究極の選択を迫られたリプリー。それから200年後、残された血液のDNAから、軍事利用の研究材料のためクローン人間として復活する。監督には(相棒マルク・キャロと組んだ)ブラックコメディ『デリカテッセン』(91)、SFダークファンタジー『ロスト・チルドレン』(95)で異彩を放っていたジャン=ピエール・ジュネがフランスから招聘された。奇々怪々な異次元空間を創り上げることに長け、本作はシリーズ中、どこかユーモラスだが最もグロテスクな描写が詰まった一本に。恐怖感を煽る初の水中シーンや、クローンのリプリーと新生命体ニューボーンとの残酷かつ悲愁に満ちた対決もジュネ監督らしい。

detail_180713_photo04.jpg「エイリアン4」© 1997 Twentieth Century Fox Film Corporation.

この後に、同名のコミック作品を原案にしたスピンオフ企画、というか番外編『エイリアンVS. プレデター』(04)と『AVP2 エイリアンズVS. プレデター』(07)が作られたが、ついに真打ちが動き出した。全てを仕切り直すかのように1作目の監督、75歳になったリドリー・スコットが『プロメテウス』(12)を発表したのである。『エイリアン』へと繋がっていくエピソード・ゼロ的な前日譚で、こちらは宇宙船プロメテウスに乗った調査チームが"人類の起源"を求め、未知の惑星に旅立つ。1作目でリプリーたちが見た(大量の不気味な卵を積んだ)巨大な遺棄船、そしてコックピットに座っていた(胸部を何者かに破られた痕のある)あの異星人の謎に迫る展開で、エイリアン誕生の秘密を解いていく。と同時に、リドリー・スコットが「歴代SF映画ベスト1」と語る、スタンリー・キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』(68)のテーマへも接近、それは『プロメテウス』の続編、『エイリアン:コヴェナント』(17)においても深化している。つまりは、「創造主と被創造者」との関係で、両作に登場する(マイケル・ファスベンダーによって演じられた)アンドロイドが大きな鍵を握る。ということは、リドリー・スコットのもう一つの代表作『ブレードランナー』(82)とも関わりを持っていくわけで、"SFホラー映画"から始まったエイリアン・ユニバースは、その基本線を守りつつ、深淵なる思考実験を進めているのである。

detail_180713_photo05.jpg『エイリアンVS. プレデター』© 2004 Twentieth Century Fox Film Corporation.

文=轟夕起夫


[放送情報]

エイリアン2[完全版]
WOWOWシネマ 7/14(土)午後0:30ほか
エイリアン3[完全版]
WOWOWシネマ 7/14(土)午後3:15ほか
エイリアン4[完全版]
WOWOWシネマ 7/14(土)午後5:45ほか
エイリアン:コヴェナント
WOWOWシネマ 7/14(土)よる10:00ほか
エイリアンVS.プレデター[完全版]
WOWOWシネマ 7/15(日)午後0:00ほか
AVP2 エイリアンズVS. プレデター[完全版]
WOWOWシネマ 7/15(日)午後2:00ほか


「関ヶ原」6/16(土)よる8:00ほか

 池井戸潤の小説『空飛ぶタイヤ』が長瀬智也主演で映画化され、公開中。池井戸はいま、もっとも映像化作品の多いベストセラー作家の一人だが、『空飛ぶタイヤ』はかつて仲村トオル主演で連続ドラマ化もされている。このように優れた小説は、スタッフとキャストがそれぞれ別の布陣で映画化、ドラマ化されることが少なくない。山崎豊子の『白い巨塔』は田宮二郎主演の映画版(66)が有名だが、その後、田宮主演作も含めてなんと4度にわたりドラマ化されている。特に2003年の唐沢寿明版は、いまなお多くの人の記憶に刻まれているだろう。'17年に岡田准一主演で映画化されてヒットした、司馬遼太郎の『関ヶ原』は'81年に加藤剛主演でドラマ化されている。髙村薫の『マークスの山』や横山秀夫の『半落ち』は、映画、ドラマの順で、やはりスタッフとキャストを一新して製作された。

 横山と言えば、近年の代表的な"競作"に『64(ロクヨン)』がある。ドラマ版は主演、ピエール瀧の存在感を軸に肉厚の物語を骨太に構築し、第70回文化庁芸術祭賞のテレビ・ドラマ部門で大賞を受賞した。一方、映画版は佐藤浩市を主人公に据えた2部構成となって群像劇の趣が強まり、ラストは瀬々敬久監督(『友罪』ほか)が原作にひとひねりを加えており、興行的にも成功を収めた。

 長尺の小説はエピソードや描写を細やかに紡ぐことができる連続ドラマと確かに相性がいい。一方、時間的な制約のある映画は時間の圧縮と空間の配置、すなわち小説の世界観を俯瞰するセンスがより必要となる。どちらにすべきということではなく、メディアの特性が異なるからこそ、"輝かせ方"も違って当たり前なのだ。たとえば、'06年に山田孝之と綾瀬はるかの顔合わせでドラマ化された東野圭吾の『白夜行』は、キャラクターのありようにぴたりと寄り添うことで感涙を呼んだが、堀北真希と高良健吾を迎えた'11年公開の映画版はハードボイルドな色彩が強まり、まるで古典的名作戯曲に接するような感触が衝撃だった。同じ悲劇的なストーリーを見つめても、ドラマと映画ではここまでフォルムが変わるという好例である。

 角田光代の『八日目の蟬』『紙の月』も、ドラマと映画では印象ががらりと変わった。前者のドラマ版は檀れい扮する"誘拐犯である母"の視点で描かれたが、映画版は井上真央演じる"誘拐犯に育てられた娘"が主軸となっている。どの登場人物にスポットを当てるかで映像化は異なる達成を見せるし、一つの小説から多様な可能性が生まれるのだ。後者では、原田知世主演のドラマ版が原作の雰囲気を踏襲した人間ドラマであるのに対して、宮沢りえ主演の映画版では横領に手を染める銀行員であるヒロインの犯行の過程が丹念に映し出され、サスペンスの濃度が上がった。物語は同じでも、ある意味「ジャンルが違う」と言ってもいいほど対照的である。

 原作小説、ドラマ版、映画版、いずれかを楽しめたのであれば、作り手が別の味付けを施した他のメディアも味わってみてはどうだろう。新たな視点に驚かされ、さまざまな発見があるはずだ。

文=相田冬二


[放送情報]

関ヶ原
WOWOWシネマ 6/16(土)よる8:00 ほか


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「四月は君の嘘」6/10(日)よる6:45ほか

 今、数多くの作品が作られている青春ラブストーリーというジャンル。若手俳優&女優の人気のバロメーターにもなっており、絶大な支持を集めている。その理由は、ティーンも大人もキュンキュンさせる魅力がたっぷり詰まっているからだ。

 魅力の代表的なものの一つが"秘密"。例えば、亀梨和也と土屋太鳳が共演した『PとJK』では、警察官の功太と女子高生の歌子が"結婚"という秘密を共有することで、二人の恋はさらに燃え上がる。警察官と女子高生、社会的に見れば許されざる恋に思えるが、二人が織りなす内緒の結婚生活は歌子の無邪気さも手伝って、とても微笑ましい。そして、そんな歌子を愛おしく思い、優しいまなざしで見つめる功太の大人なふるまいにキュンキュンさせられる。特に功太が歌子の学校の学園祭を訪れるシーンでのコスプレデートは、結婚という秘密を抱える二人だからこそのドキドキが詰まっている。

 一方、広瀬すず&山﨑賢人共演の『四月は君の嘘』、"キミスイ"の愛称で大ヒットした『君の膵臓をたべたい』、人気コミックが原作の『きょうのキラ君』、それぞれの秘密の要素は"病"だ。母親の死をきっかけにピアノが弾けなくなっていた主人公・公生が、天真らんまんなヴァイオリニストのかをりと出会うことで変わっていく『四月は君の嘘』は、二人が心を通わすことになるコンクールから、かをりが自分の病気を告白するシーン、その後の二人の関係性まで甘く切ないシーンの連続だ。

『君の膵臓をたべたい』は、他人に興味がなかった"僕"がヒロインである桜良の病気を知ってしまったことで、まったく親しくなかった二人の距離が縮まる。そこからのクラスメイトの前での"仲良し宣言"や、互いの本心を探る"真実か挑戦か"ゲームなど、高校生らしいやり取りの数々に甘酸っぱい思いが胸に広がる。

detail_180601_photo02.jpg©2017「君の膵臓をたべたい」製作委員会 ©住野よる/双葉社

『きょうのキラ君』は、人付き合いが苦手なヒロイン・ニノが学校一のモテ男・キラの秘密を知り、彼を笑顔にしようと奮闘する姿がキュート。学校イチ地味なヒロインとクラスの人気者という相反する二人の恋ということに加え、クールなふりをしているが、実は泣き虫というキラのキャラクターのギャップもポイント高し!

detail_180601_photo03.jpg©2017「きょうのキラ君」製作委員会 ©みきもと凛/講談社

 さらにもう1作品、これまでとは違う"秘密"を抱える二人が登場するのが、二階堂ふみと山﨑賢人が共演した『オオカミ少女と黒王子』。こちらは嘘から始まる真の恋を描いた作品で、「恋人がいる」と友達に嘘をついていたオオカミ少女のエリカが、学校イチのイケメン・恭也に理想のカレを演じてもらう代わりに恭也に絶対服従するというもの。コメディ色が強いが、恋に不器用すぎるドS王子・恭也の意外な一面に乙女心をくすぐられる。

 言わば"秘密と嘘は恋の隠し味"。現役ティーンはもちろん、かつてティーンだった大人たちも存分に胸キュンを味わってほしい。

文=馬場英美

[放送情報]

君の膵臓をたべたい(2017)
WOWOWシネマ 6/9(土)よる8:00 ほか

PとJK
WOWOWシネマ 6/9(土)よる10:00 ほか

四月は君の嘘
WOWOWシネマ 6/10(日)よる6:45 ほか

きょうのキラ君
WOWOWシネマ 6/12(火)よる7:00 ほか

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© 乾くるみ/「イニシエーション・ラブ」製作委員会 撮影=神保達也、ヘアメイク=鈴木麻水美、スタイリスト=大沼こずえ、衣装=ADORE 「幕が上がる」©2015平田オリザ・講談社/フジテレビジョン 東映 ROBOT 電通 講 談社 パルコ 写真:AP/アフロ 撮影=坪田彩 ©2016 Xenolinguistics, LLC. All Rights Reserved. 写真:ロイター/アフロ
「生中継!第90回アカデミー賞授賞式」3/5(月)午前8:30~(同時通訳)3/5(月)よる9:00~(字幕版) 撮影=中川容邦 「バレンタインデー(2010)」2/14(水)よる6:45
© Warner Bros. Entertainment Inc. ©Disney Enterprises, Inc. 「チア☆ダン ~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~」©2017映画 「チア☆ダン」製作委員会 「セブン[吹替補完版]」2/10(土)午前11:25 「帝一の國」2/24(土)よる8:00
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