2018/04/18 up

【伝説の男】アニメVS実写!"白夜叉"と呼ばれた男、坂田銀時のベスト・バウト

「銀魂」 5/26(土)よる8:00ほか

 WOWOWで5月、一挙放送されるシリーズの強烈キャラの主人公をピックアップし、作品の魅力をお伝えする、題して【伝説の男】コラム。今回紹介するのは『銀魂』の主人公・坂田銀時。

 コミック原作のヒーローは数多く登場したが、『銀魂』の主人公・坂田銀時もそのひとり。通称・銀さんこと銀時は天然パーマの銀髪に、いつも眠そうな無気力な顔。糖尿病一歩手前になるほどの甘党でパフェが大好き。ふだんはぐうたらなダメ男だが、実は15年前、地球に襲来した宇宙人と戦った攘夷戦争の英雄で、勇猛な戦いぶりから"白夜叉"と恐れられた伝説の志士。その胸の奥には今も熱い炎が燃えていて、いざとなれば仲間たちを守るために命を懸けて戦う。つまり、シリアスなエピソードとギャグを絶妙にブレンドした『銀魂』の作品世界そのものを象徴する人物だ。

 空知英秋原作の人気コミック『銀魂』は、2006年のアニメ放送開始から中断を挟んで4期のTVシリーズ、2本のアニメ映画、さらに実写版の映画が作られるほどファンを獲得したが、その最大の理由は、こうした普段のぐうたらな姿からは想像もつかない"やる時はやる男"銀時のカッコよさにあると言えるだろう。では、どこがどうカッコよいのか、3本の映画で銀時の名バトルに迫ってみた。

 まずはアニメ映画『劇場版 銀魂 新訳紅桜篇』('10)。銀時は、人工知能を持ち人間に寄生して進化する妖刀・紅桜の遣い手・人斬り似蔵と対決。最初は愛用の木刀・洞爺湖を折られ瀕死の重傷を負うが、2度目の戦いでは、紅桜と同化して生きた刀の怪物となった似蔵と互角以上に渡り合う。かつての志士の戦いの記憶が無意識のうちに甦り、紅桜の進化するスピードに負けないパワーを発揮したのだ。ムダのない究極の剣を目指して作られた紅桜を破壊し、「世の中にムダな物なんてない!」という銀時の想いの強さにシビれること請け合いだ。

detail_180418_photo02.jpg©空知英秋/劇場版銀魂製作委員会

 もう1本のアニメ映画『劇場版 銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ』('13)は、5年後の未来に飛ばされた銀時が攘夷戦争で倒したはずの強敵・魘魅と再戦。動きを見切ってしまう魘魅に追い詰められ、絶体絶命の銀時は死んだふりで油断させて倒すが、相手の正体は何と驚くべき人物だった! クライマックスで攘夷戦争の時代に戻った銀時が、仲間たちと共に魘魅の軍団に立ち向かう姿は感動必至だ。

detail_180418_photo03.jpg©空知英秋/劇場版銀魂製作委員会

 そして紅桜による辻斬り事件が大事件へと発展する実写映画『銀魂』('17)は、銀時役の小栗旬をはじめ豪華キャストがコミックのキャラクターそっくりの扮装とメイクで登場し、名シーン&名ゼリフを見事に再現している点が見どころ。紅桜が触手を伸ばして銀時を危機に陥れる場面や、完全体となった怪物紅桜とのバトルなどの見せ場もVFXを駆使して実写化されているが、銀時が新井浩文演じる似蔵の必殺の一撃を間一髪でかわし、急所を外して紅桜を受け止める殺陣など、生身の俳優が演じていることで迫力や臨場感がアップしている。

detail_180418_photo04.jpg©空知英秋/集英社 ©2017映画「銀魂」製作委員会.

 中でも注目なのは、攘夷戦争を共に戦ったかつての盟友・高杉晋助(演じるのは堂本剛)との一騎打ちだ。この2人も実力は互角で決着はなかなかつかないのだが、最初の刀での立ち会いでは銀時が高杉の刀の上に飛び乗るという、アニメ版にはなかった驚くようなアクションが登場。続いて、これも実写版ならではの演出で、2人がボクシングやプロレス技で格闘を繰り広げる肉弾戦が描かれる。以前は同じ目的で戦った同志だったにも関わらず、今は世界を滅ぼそうとする高杉と、その世界とそこに生きる仲間たちを守るために戦う銀時の生き方が全力でぶつかり合う姿は、まさに手に汗握るベスト・バウトだ。

 こうしたアニメでも実写でも同じように見る者の心を捉える、おとこ気あふれるカッコよさが銀時の、そして『銀魂』という作品の面白さを支えているのである。

文=中島紳介

[放送情報]

「銀魂」実写×劇場版アニメスペシャル

『劇場版 銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ』
WOWOWシネマ 5/26(土)よる6:05ほか

『劇場版 銀魂 新訳紅桜篇』
WOWOWシネマ 5/26(土)午後4:25ほか

『銀魂』
WOWOWシネマ 5/26(土)よる8:00ほか

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