「ユリゴコロ[PG12指定]」9/15(土)よる10:15
斎藤工さんと板谷由夏さんが、話題の映画の魅力を語りつくす映画情報番組「映画工房」。今回は、吉高由里子、松坂桃李、松山ケンイチ共演のミステリーヒューマンドラマ『ユリゴコロ』を取り上げます。「イヤミスの女王」と呼ばれる沼田まほかるの小説を、実写版「心が叫びたがってるんだ。」の熊澤尚人監督が映画化。
斎藤「イヤミスは日本映画の新ジャンルじゃないけど、そういう流れになっていますね」
板谷「うん」
斎藤「漫画原作だけではなく、イヤミスは映画と相性が良いので、注目していきたいなと思っています」
吉高、松坂、松山という豪華キャストの中、実質的主役は松坂が担い、彼演じる亮介が父親の部屋の押し入れで見つけたノートをもとに回想していく形で物語が展開。複雑な関係が糸をほぐすように浮かび上がり、驚愕の真実を知った亮介にさらに過酷な現実が襲い掛かっていく。渾身の演技で見せる松坂、どこか捉えどころのない役柄の吉高、相変わらずの安定ぶりの松山ら実力派陣に加え、前半に登場する佐津川愛美が強烈な印象を与える。
斎藤「タイトルでは想像できない内容じゃないですか?」
板谷「はい。前半は特に」
斎藤「そうですよね」
板谷「えっ! というような描写もたくさんありますし、けっこうグロテスクなシーンもあります。観ているとどんどん吉高の淡々としたナレーションに巻き込まれていくという。吉高ちゃんがこうずっと淡々としゃべっている感じに、なんかおどろおどろしい感じの映像とともに巻き込まれていくと、とんでもないことが待っていたみたいな」
斎藤「吉高さん、僕としては本領発揮かなという気がします。松坂さんや松山さん、CMに出演したり、映画やドラマ作品で主演を務められるような方たちが、見てはいけないような顔を全員がしていました。佐津川愛美さんも含めてですけど。みんな"してはいけない顔"を、このステージでふんだんにしているというか。だから顔がけっこう印象に残っています。物語もすごく特徴的ですけど、同時に何が残っているかというと演者の顔。見たことのない顔が焼き付けられました」
板谷「怖い。何かぞわっとした、いま(笑)」
板谷「『ユリゴコロ』ぜひWOWOWシネマでご覧ください」
最近あまり映画を観ていないあなたにこそ観てほしい作品を、映画解説者の中井圭さんが紹介する、「ナカイの1本 ナカチョイ」のコーナー。今回は『ビジランテ』(17)を紹介します。
9/16(日)よる10:00 [R15+指定]
©2017「ビジランテ」製作委員会
【話題の映画やWOWOWシネマならではの特集の魅力を、映画好きの俳優、斎藤工と板谷由夏が語りつくす。映画との新たな出会いを提供する映画情報番組・映画工房】
最新記事
-
2020/07/24 up
山崎ナオコーラの『映画マニアは、あきらめました!』
第17回『あの日のオルガン』
-
2020/07/21 up
メガヒット劇場
私たちがホアキン・フェニックス版『ジョーカー』に共鳴する理由、あるいは"プロト・ジョーカー"説
-
2020/07/17 up
ミヤザキタケルの『シネマ・マリアージュ』
第17回 ありのままの自分であるために。時代を超えて描かれる人間の孤独
-
2020/07/14 up
その他
日本映画界の頂点に立った、韓国人女優シム・ウンギョンとは
-
2020/07/10 up
スピードワゴン小沢一敬の『このセリフに心撃ち抜かれちゃいました』
スピードワゴン小沢一敬が「最高にシビれる映画の名セリフ」を紹介! 第18回の名セリフは「謝るなんてな、ほんのちょっとの辛抱だよ」
-
2020/07/08 up
山崎ナオコーラの『映画マニアは、あきらめました!』
第16回『記憶にございません!』