2019/01/22 up

斎藤工×板谷由夏 映画工房#369『ローマンという名の男 信念の行方』 鑑賞者と主人公の距離がみるみる縮まっていく作品

「ローマンという名の男 信念の行方」2/3(日)深夜0:30

斎藤工さんと板谷由夏さんが、話題の映画の魅力を語り尽くす映画情報番組「映画工房」。今回は、人気男優D・ワシントンが第90回アカデミー賞で主演男優賞にノミネートされた社会派ドラマ『ローマンという名の男 信念の行方』(17)を取り上げます。ワシントンが主演に加えてプロデュースも担当した意欲作。監督・脚本を務めたのは、『ナイトクローラー』(14)が高い評価を受けたダン・ギルロイ。ワシントン演じる人権派弁護士が、法曹界の厳しい現実に直面していくうちに抱く苦悩をリアルに描く。ワシントンの徹底した役作りが見どころで、なんと体重を18kgも増量し、自身の役の髪形や衣装にも意見を出したという。

斎藤「これはもう、デンゼル・ワシントン..."印"というか。ブランドになっていますよね」
板谷「本当ねー」
斎藤「彼が出ている映画、彼が何を選ぶか、何をどう演じるかというものを、チェックせざるを得ない」
板谷「そうなんですよ」
斎藤「ある時から、そういう域に達しています」
板谷「本当に...何か見逃せないものね」
斎藤「で、観たらやっぱり、すごいじゃないですか」
板谷「やられるんですよ」
斎藤「信頼と実績の」
板谷「デンゼルです」

ロサンゼルス。小さな法律事務所で働く有能な弁護士ローマンは、社会的弱者に味方するが真面目過ぎて、気難しい性格でもあった。ある日、所長が心臓発作で急逝したのを機に事務所が経営破綻寸前だった上、資金調達に不正があったことを知ってショックを受ける。そんなローマンを大手法律事務所のピアスは自分の事務所で働かないかとスカウトするが、そこでローマンはあるコンビニでアルメニア人の店員が殺された事件を担当し...。2人の感想は?

斎藤「僕の注目ポイントは髪形です。ミニアフロというか。髪形から役作りしている。でも意味があるじゃないですか」
板谷「あります。今回、デンゼルは工くんと同じようにウェイトをちょっと増やしているし、歩き方違うし、衣装の感じとか、何か隙がないというか、役作りがもう完璧だよね!」
斎藤「倒れているホームレスを、彼なりの救い方で助けるシーン。そこにすごくこのキャラクター、この映画のメッセージが全部詰まっています。どの映画にも象徴とするワンセンテンスがあるかと思うんですけど、今回はあのシーンだった。行方知れずの弱者がどうなっていき、それに対して主人公が何をしているかという、とても象徴的なシーンだと思います。そこから始まる第2章は観ているとしんどいですけど、そこで初めて共感していく。それまでは『こういう人なんだ。立派な人だな』と距離があるんですけど、途中から『ちょっと自分にも心当たりがあるぞ』という」
板谷「なるほど~」
斎藤「距離がどんどん近づく映画だなと思いました。主人公の人間味というか...。彼の善でない部分も応援している自分もいたし。でも彼の職業的なことも含めて、それだけでは済まないのですが」
板谷「そうねー。『ローマンという名の男 信念の行方』、ぜひWOWOWシネマでご覧ください」

最近あまり映画を観ていないあなたにこそ観てほしい作品を、映画解説者の中井圭さんが紹介する、「ナカイの1本 ナカチョイ」のコーナー。今回は『孤狼の血』(18)を紹介します。

『孤狼の血』
WOWOWシネマ 2/3(日)よる10:00[R15+指定]

detail_190122_photo02.jpg©2018「孤狼の血」製作委員会

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【話題の映画やWOWOWシネマならではの特集の魅力を、映画好きの俳優、斎藤工と板谷由夏が語りつくす。映画との新たな出会いを提供する映画情報番組・映画工房】

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