まず一番手は劇場公開されるや、世の女性たちの心をザワつかせた『娼年（R15＋指定相当版）』（'18）の松坂桃李。朝ドラ、大河ドラマと出て、ヒット作は数知れず。ここ数年、従来の好青年なイメージを打ち破り、『彼女がその名を知らない鳥たち』（'17）での不倫クズ男や『孤狼の血』（'18）での暴力団抗争に巻き込まれる刑事など演じる役どころも幅広い。とはいえ、本作で演じた役どころはチャレンジングであり、驚きだった。

　何しろ演じるのは、さまざまな女性たちのお相手をする娼夫。松坂は先に同役を舞台版（'16)で演じ、文字通り、体当たりの演技を絶賛された。その舞台版でも組んだ三浦大輔監督の下、さらに過激で濃密なセックス・シーンに挑んでいる。当然、脱ぎっぷりも最高。性描写に一切妥協することなく、計算され尽くしたアングルで撮影された映像だからこそ、より松坂の体の美しさも際立つ。演じた当時20代後半、長い手足にほどよく筋肉がついた背中が美しく、中性的な色気が漂い、なんともエロい、エロすぎる。加えてソフトな低音ボイスが甘く響く...。思わず、下世話な気分全開にして妄想たくましくせずにはいられない。ヒャー、たまりません！

　次に注目したいのは、池松壮亮。13歳のときにトム・クルーズ主演の『ラスト サムライ』（'03）の子役でハリウッド大作に出演した彼も、7月9日で29歳に。青春モノからラブ・ストーリーにコメディに出演、塚本晋也監督の時代劇『斬、』（'18）では時代に翻弄される浪人役を好演するなど、どんなキャラクターもリアルに演じる実力派俳優として、多くの映画監督たちから重用されている。

　そんな彼が松居大悟監督の『君が君で君だ』（'18）で、なんとブラジャー着用のトンデモな裸姿を披露。本作は好きになった女性が憧れる男（尾崎豊、坂本龍馬、ブラピ）に成り切るため、自分の名前を捨て、彼女をひたすら見守り続けた3人の男の姿を描く異色のラブ・ストーリーだ。池松は尾崎豊に成り切っている男なのだが、ふとしたきっかけから今度はブラを着け、身も心も彼女と同化しようとする。女性モノの下着が池松の肉体美を強調しており、無駄な肉のない身体とムキっとした上腕は一見の価値あり！ 筋肉に食い込むブラジャー紐は滑稽でちょっとイタい。だが、必死に彼女の口ぶりをマネる心情を思うと切なくて、ひとりの女性を好きになったこじらせ男の思いがリアルに伝わってくる。ブラ着けた裸なんですけど...ね。

　そして、3本目は、2018年5月に惜しくも亡くなった西城秀樹主演のアクション映画『傷だらけの勲章』（'86）。ヒデキが演じるのは、エジプトで起きた一流企業の社長暗殺事件に端を発した殺人事件の謎を追う刑事だが、登場からいきなりの濡れ場で観る者を釘付けにする。それも結構、濃厚なシーンを、現在は名脇役として知られる朝加真由美を相手に繰り広げている。当時、ヒデキは31歳。国民的アイドルから大人の俳優へと脱皮を図っていたのだろうと思われるが、当時のヒデキファンはきっと絶叫ものだったに違いない。しかも、その後にバックヌードで拳銃まで構えて、引き締まったヒップを公開。さらに中盤以降、シャワー・シーンもあり、噂のギャランドゥをのぞかせてもいる。ワイルドなヒデキの魅力を知るには、これ以上のものはない！

　そして、余談だが、本作には、あの伝説の歌姫、ちあきなおみが悪女役で登場。銀座のマダム張りの色気がムンムンと漂う。また、大河ドラマ『太閤記』（'65）の織田信長役で絶大な人気を博した名優、高橋幸治が出演。当時50代前半だが、マッツ・ミケルセンばりの渋～い中年男のエロさを漂わせている。ミケルセン好きなあなた、チェックよろしく！