2018/04/13 up

【伝説の男】遺伝か!?世界一不運な無敵の刑事ジョン・マクレーンは一家でツイていなかった...

「ダイ・ハード/ラスト・デイ」5/6(日)よる7:00

 WOWOWで5月、一挙放送されるシリーズの強烈キャラの主人公をピックアップし、作品の魅力をお伝えする、題して【伝説の男】コラム。今回、紹介するのは『ダイ・ハード』シリーズの主人公ジョン・マクレーン刑事。

 スタートから、はや30年となる『ダイ・ハード』シリーズ。今もなお、第1作は名作として愛され続け、続編4作もアクション映画のお手本と人気の、伝説的大ヒット・シリーズだ。もはや「まさか!? いや、待望の!」ともいうべき最新の第6作『Die Hard Year One(仮題)』が製作中ということを、永遠のジョン・マクレーンことブルース・ウィリス自身がアメリカの人気トーク番組「The Tonight Show Starring Jimmy Fallon」で明かしたばかり。こうなると心配なのは、ブルース・ウィリス自身の年齢と健康状態だけだが、当の本人がやる気満々なのだから、第6作を心待ちにしたいところだ。

 このシリーズの最大の魅力は、なんといってもジョン・マクレーンが常に不運で巻き込まれ人生だということ。じっとしていれば問題が起きない、というわけでもなく、とにかく彼とマクレーン家の家族には不運がつきまとい、彼がフツーの刑事のままではダメな状況ができあがる。正義感ゆえに、見過ごすことができない彼は、どんなに不運でツイていない状況でも悪に立ち向かうヒーローとなるところに、観客は思いきり肩入れしてしまうのだ。そこで、彼のこれまでの不運ぶりを、立ち向かうテロリスト達ではなく、彼個人のイケてない環境から振り返りたい。

 第1作('88)では、クリスマス・イヴで別居中の妻ホリーを訪ね、NYからLAに向かったことが運の尽きでテロ事件に巻き込まれるわけだが、そもそもホリーと別居しており、家庭が破綻していたことに注目。彼女は旧姓を名乗っていたことで、テロリストにジョンとの関係を気づかれなかった(途中気づかれる)が、彼らは離婚訴訟中とみるべきだろう。娘ルーシーと息子ジャックはホリーのもとで暮らしているが、それもジョンが家庭をないがしろにした仕事人間だったということから。う......、自らダメな環境を作ってる......。

detail_180413_photo02.jpg© 1988 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

 第2作('90)では、前作の事件解決をきっかけにホリーとよりを戻し、LAで生活しているジョン。だが、このときの彼はアメリカ一の有名刑事になっていた。なぜなら第1作の事件で人質を救った英雄として、マスコミに取り上げられてしまったから。クリスマス休暇を家族で過ごすため、たまたま空港に居合わせ、麻薬王奪還を図る反政府組織によるテロ事件に巻き込まれるというアンラッキーぶり。

detail_180413_photo03.jpg© 1990 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

 第3作('95)でのジョンは、ホリーとまた別居することになりNYに戻っている。しかも、そのせいか、アルコールに溺れて停職中。このとき、子どもの説明はないが、よもや酒浸りの父に親権があるとは思えない。おまけにこのときの敵は、第1作で殺したテロリストの兄という、全てが身から出たサビ状態。

detail_180413_photo04.jpg© 1995 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

 第4作('07)では、もう完全にホリーと離婚しており、子どもとの面会がサイバー・テロ事件に巻き込まれるきっかけに。第1作ではホリーが旧姓を使って難を逃れていたが、このときは娘が父を死んだことにして母親の姓を名乗ったことにムッとしている。いや、そりゃ父の姓を名乗ったら、いろんなことに巻きこまれると思いますし......(結局巻きこまれるんだけど)。

detail_180413_photo05.jpg© 2007 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

 第5作『~ラスト・デイ』('13)ではNY市警の警部補まで出世しているジョンが、音信不通になっていた息子ジャックがロシアで身柄を拘束されたと知り、父親面で迎えに行くことで謎の武装集団に襲撃されるはめになる。そのジャックは実はCIAのスパイになっており、不仲だったジョンにも仕事を打ち明けていなかったための事件なのだが、もはやこの運の悪さは親譲りとしかいいようがない。

detail_180413_photo06.jpg© 2013 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

いずれのエピソードにしても、ジョンと家族の間には、積年の不和がある。それゆえに、作品を面白くしているところもあるのだが、ジョンが偶然にも巻き込まれるテロリストとの対峙の一方で、このようなトホホな夫/父の姿を思ってみてほしい。この視点で観ると、無敵のヒーローと崇められるジョン・マクレーンから、どこにでもいそうなフツーの男を感じられ、作品を楽しく観られるはずだ。

[放送情報]

「ダイ・ハード」全5作一挙放送

『ダイ・ハード』
WOWOWプライム 吹替版 5/3(木・祝)午後0:00
WOWOWシネマ 字幕版 5/6(日)午前10:00

『ダイ・ハード2』
WOWOWシネマ 字幕版 5/6(日)午後0:15

『ダイ・ハード3』
WOWOWシネマ 字幕版 5/6(日)午後2:30

『ダイ・ハード4.0』
WOWOWシネマ 字幕版 5/6(日)午後4:45

『ダイ・ハード/ラスト・デイ』
WOWOWシネマ 字幕版 5/6(日)よる7:00

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