2018/04/27 up

マジパネェ『東京喰種 トーキョーグール』の再現度! 窪田正孝になら喰われたい

「東京喰種 トーキョーグール」 4/28(土)よる9:00-11:15ほか

 TVドラマ『アンナチュラル』も好評を博し、今やお茶の間でも知られるポジションを築き上げている人気俳優、窪田正孝。シャープな風貌、細身だがマッチョな体格で、ファンを引き付けているのはご存知のとおり。そんな彼の個性はTVの世界に収まりきらない。実は映画という分野とも相性抜群なのだ。

 まずは映画における出世作というべき『ガチバン』シリーズ。第7作『ガチバンMAX』に初主演した窪田は、メチャクチャ喧嘩の強いヤンキー高校生、黒永勇人に扮して、とんがった個性をアピール。ワルではあるものの曲がったことが大嫌いで、ストイックな面もある、そんなキャラクターがウケて、窪田は4年の間にシリーズのなんと11作に出演することになった。現在は落ち着いたイメージが強いので、最近ファンになった方には意外に思われるかもしれないが、誰にでも"ヤンチャ"な時代はある!? 何より、身体能力の高さを活かしたアクション演技は注目しないわけにはいかない。

 その発展形と言えるのが、EXILE TRIBEのプロデュースによる『HiGH&LOW THE MOVIE』シリーズで演じたスモーキー役。群像劇ゆえに出番はそれほど多くはないが、アクロバティックかつスピーディなアクションと、クールなキャラクターが強烈な魅力を放っていた。立ち回りには、お得意のヒップホップ・ダンスのエッセンスを見てとることもできる。ちなみに窪田は、EXILEの大ファンであることを公言している。

 そんなアクション演技の一方で、窪田には演技力という強い武器がある。『僕たちは世界を変えることができない。』で、カンボジアに小学校を建てようとする大学生グループのひとりを、抑制の利いた演技で体現。『ふがいない僕は空を見た』では、貧困の中で絶望感を味わい、暴走してしまう高校生を演じて第34回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞した。人気コミックを原作とする『MARS~ただ、君を愛してる~』で演じた、凶暴な情熱を内に秘める若者像も忘れ難い。

 石田スイのベストセラー・コミックを映画化した『東京喰種 トーキョーグール』は、そんな窪田にとって代表作となりうるエキサイティングなエンターテインメント作品だ。舞台は、人間を食らう"グール"と呼ばれる種が潜伏している世界。本が好きなごく普通の大学生、カネキ(窪田)はグールに襲撃され、重傷を負ってグールの臓器を移植されたことから、人肉食の欲求に目覚めてしまう。人間であろうとして欲望に抵抗するものの、強烈な空腹感には襲われる。そんな状況下で、人間社会に溶け込んでいるグールと出会い、グールを取り締まる捜査官たちと攻防を繰り広げながら、自身の運命を受け入れていくカネキの成長の物語。コミックの映画化はイメージの違いからファンの期待を裏切ってしまうことも往々にしてあるが、本作は原作の世界観を尊重し、原作の愛読者にも好評を博した。

detail_180427_photo02.jpg©2017「東京喰種」製作委員会 ©石田スイ/集英社

 それに窪田の演技が大きく貢献したのは言うまでもない。カネキは一見すると目立たない地味なメガネ男子だが、グールというモンスターに変貌し、肉食と人間性の間で壮絶な葛藤を抱えてしまう。窪田は、そんな主人公の苦悩や心の変化に説得力を与え、数奇な運命との格闘を演じてみせる。見る者をカネキにすんなり感情移入させるのは、等身大のキャラクターを繊細に作り出した彼の好演の賜物だ。

 さらに本作にはハードなアクションもある。グールは"赫子(かぐね)"と呼ばれる、捕食器官であり武器とも化す体内器官を持っているが、これを駆使したグールVSグールの、グールVS捜査官のバトルはダイナミックで、目を見張らずにいられない。カネキも、このバトルに身を投じることになるのだが、グールの本能を解き放つその変貌ぶりは野獣的であり、ワイルドではあるが、見方によってはセクシーでさえある。そんなグール像にも窪田の個性はピッタリ、ハマる。肉体はタフなアクションを創造するだけでなく、野性的な空気をも醸し出し、見る者の目をクギ付けにしてしまうのだ。

 『東京喰種 トーキョーグール』には、他の映画やTVドラマでは決して見ることができない窪田の魅力が息づいている。彼が渾身の演技で体現した凶暴な情熱に、この機会にぜひ触れてほしい。

文=相馬学

[放送情報]

東京喰種 トーキョーグール
WOWOWシネマ 4/28(土)よる9:00-11:15ほか

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