2018/09/14 up

『あさひなぐ』に見る、アイドル乃木坂46の"女優力"

「あさひなぐ」9/29(土)よる9:00

 2017年にリリースした17thシングル「インフルエンサー」が初のミリオンセールスを達成し、第59回日本レコード大賞を受賞。数多くのTVCMに出演し、メンバーのソロ写真集も驚異的な売り上げを記録している。結成から7年、乃木坂46は文字通りの国民的アイドル・グループへと成長した。

 そんな彼女たちが出演し、スマッシュヒットとなった映画『あさひなぐ』。二ツ坂高校の薙刀(なぎなた)部に所属する少女たちの青春を描いた、こざき亜衣のコミックを実写化した本作において、彼女たちが見せた演技に改めて注目したい。

 まずは、薙刀部の2年生エースである宮路真春を演じた白石麻衣。本作では前半の部活説明会シーンにおけるマイク・パフォーマンスから、容姿端麗かつストイックという、"原作者の憧れが詰め込まれた"キャラを好演。ファッション・モデルとしても活躍し、同性人気も高い彼女にとって、まさにハマリ役と言えるだろう。

 真春のライバルとして登場する、國陵高校薙刀部の一堂寧々を演じる生田絵梨花。『レ・ミゼラブル』のコゼット役や『ロミオ&ジュリエット』のジュリエット役など、ミュージカルでも活躍する彼女。それだけに本作では、部内でも孤立するほど攻撃的な性格の1年生エースを抜群の演技力&表現力で熱演。メンバーの強い意志からほぼ吹き替えなしで行なわれた試合シーンも見どころである本作だが、中盤のクライマックスといえる真春VS寧々戦は、2人の息遣いまで伝わるほど緊迫感ある仕上がりになった。

 そして、メガネがトレードマークの主人公、東島旭を演じた西野七瀬。彼女は'15年に放送された同じ乃木坂主演のスポ根ドラマ『初森ベマーズ』でも、天然キャラが魅力の文化系ヒロインを演じた。旭はその発展形と言える役柄だが、英勉監督の演出も光る。『ヒロイン失格』『トリガール!』など、英監督といえば変顔や絶叫など、"トゥーマッチ"な演出で若手女優の新たな顔を引き出すことが特徴的だが、本作ではできるだけ西野の素の部分を生かしている。従来のトゥーマッチ演出は顧問の小林を演じる中村倫也などに生かすことで、彼女の魅力をさらに引き立てたのである。さらに、当初は薙刀に興味がなかった新入生の旭がその才能を開花していく姿は、アイドルになることに興味のなかった少女が、母親がオーディションに応募したことをきっかけに、グループのセンターを務めるまでに成長した、西野自身のサクセス・ストーリーにもリンクしていくのである。

 ほかにも、清楚なぽんこつキャプテンのイメージが強いなか、活発でヤンキー気質な八十村将子に扮するため、茶髪にイメチェンした桜井玲香や、お嬢様キャラが笑えるほど自身とシンクロする紺野さくら役の松村沙友理。そして、もともと女優志向で、本作でも地味さが特徴の野上えり役を安定感のある芝居で魅せた伊藤万理華('17年12月にグループを卒業)など、『あさひなぐ』は各メンバーの魅力に満ち溢れている。

 ハードなスケジュールのなか、登場人物同様、薙刀に懸けた乃木坂メンバーと英監督のコラボは、監督が目指した「コメディを積み上げて、爽快感と感動がある王道の青春映画」を実現させた。彼女たちのファンでなくとも、それまで持っていたイメージを大きく覆してくれるはずだ!

文=くれい響

[放送情報]

あさひなぐ
WOWOWプライム 9/29(土)よる9:00

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