2018/10/16 up

斎藤工×板谷由夏 映画工房 #355 『パターソン』今は、ジャームッシュをより必要とする時代

「パターソン」10/28(日)よる9:00

斎藤工さんと板谷由夏さんが、話題の映画の魅力を語りつくす映画情報番組「映画工房」。今回はジム・ジャームッシュ監督の『パターソン』を取り上げます。バスの運転手をしながら詩作に励む主人公パターソンの一見ありふれた日常生活を、ジャームッシュ監督ならではの独特のタッチでいとおしく繊細に描いた秀作ドラマ。

斎藤「田舎のおうちで夏の期間だけ出すプールのような、"あ、そうそう、この感じ"ということを多分ジャームッシュに求めていたんだなと、彼の作品を観るたびに思う」

米東部の小さな町パターソン。この地で愛妻や愛犬と仲良く暮らし、詩作に励むバス運転手パターソンの一見ささやかでありふれた日常を、細部にさりげないこだわりやひねったユーモアを利かせながらいとおしく活写。その絶妙の語り口と独特の心地良さが評判を呼び、世界中で多くの映画賞に輝いたほか、日本でも異例のロングランヒットを記録した。『沈黙-サイレンス-』(16)のアダム・ドライヴァーが主人公を好演するほか、永瀬正敏も印象的な演技と存在感を披露する。

板谷「何かゆっくり流れている感じが...。何も起こらないような、何か起こっているような日常みたいなね」
斎藤「本や詩ともまた違う。ジャームッシュのテンポが、味わう速度ってこうだったよなという」
板谷「分かる」
斎藤「"ピッチを調節してくれている"と思いましたし、ジャームッシュがより必要な時代になっていると思った」
板谷「今ね。追いかけちゃうよね、やっぱり」
斎藤「浸りたいですね」

最近あまり映画を観ていないあなたにこそ観てほしい作品を、映画解説者の中井圭さんが紹介する、「ナカイの1本 ナカチョイ」のコーナー。今回は『悪女/AKUJO』(17)を紹介します。

『悪女/AKUJO』
10/24(水)よる11:00 [R15+指定]

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