2019/08/20 up

映画界でもザ・グレート・ワン! マッスル・モンスター、ロック様に夢中!

「セントラル・インテリジェンス」8/31(土)よる9:45他

文=相馬学

 今世界で最も愛されているハリウッド・スターは誰か? そう問われたとき、真っ先に名前が挙げられるのが、ドウェイン・ジョンソンだ。先ごろ公開された人気シリーズの最新作『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』('19)は最初の週末だけで約1億8000万ドルもの世界興収を記録(Box Office Mojo調べ)。昨年来、『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』('17)、『ランペイジ 巨獣大乱闘』('18)、『スカイスクレイパー』('18)と主演作の公開が相次ぎ、日本でもすっかりお馴染みの顔となった。主にアクション映画の分野で活躍目覚ましいドウェインだが、彼はなぜ、こんなにも愛されるスターとなったのか?

他の人気記事はこちら

 ご存じのとおり、ドウェインのエンターテインメント界でのキャリアは、WWE(旧WWF)のプロレスラーとして始まった。ザ・ロックというリングネームで頭角を現わした彼は、WWEのスーパー・スターへと上り詰める。鍛え抜かれた筋肉質のボディは強さの象徴。その一方で表情の豊かさは人を引きつけずにおかない。そして何より、トークにも振る舞いにも卓越したユーモアが宿っていた。俺様キャラの鮮烈なイメージゆえに、彼のことを、愛情を込めて"ロック様"と呼ぶ日本のファンも少なくない。そんな資質は、俳優に転向した現在も存分に活かされている。

detail_190820_photo02.jpg『ランペイジ 巨獣大乱闘』8/11(日・祝) 午後5:55他
© Warner Bros. Entertainment Inc.

 スクリーンに映ったドウェインの姿で、まず目を引くのは、やはりボディビルダーのように隆起した筋肉だ。人間離れしたそれはアクション・スターとしての存在感を強く印象づけるとともに、時として出演作をファンタジーに変化させてしまう。たとえば、『ジュマンジ~』での猛獣襲来からのサバイバル。『ランペイジ~』での巨大動物との戦い。そして『スカイスクレイパー』での、超高層ビルを舞台にした義足の男のアクロバティックな奮闘。いずれも、普通の人間であれば死んでいる状況。いや、タフな人間でも生き残るのは不可能だ。しかし、ドウェインが演じると、「この人なら生き残れるのではないか?」というファンタジーを観る者に与えずにおかない。彼のマッスルは荒唐無稽なアクションに説得力を与えている、というわけだ。

detail_190820_photo03.jpg『ランペイジ 巨獣大乱闘』
© Warner Bros. Entertainment Inc.

 多くの観客は、この荒唐無稽さを「ありえねー!」と思いつつ笑って楽しんでいるが、ドウェインはそれを百も承知だ。プロレスラー時代からエンターテイナーだった彼は、コメディ・スターとしての資質を兼ね備えていた。それは俳優としてのキャリアの初期に出演したコメディ『Be Cool/ビー・クール』('05)で、ゲイを演じたことからも明らか。『ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金』('13)では、そんな自身の体躯を活かし、筋肉は豊富だが頭は空っぽの犯罪者をコミカルに演じた。見た目こそ最強のタフガイだが、決して格好をつけたりせず、笑われたり、笑わせることを恐れない。それがドウェインの役者としての強い武器なのだ。

 そんな彼の個性が存分に発揮されたのが、『セントラル・インテリジェンス』('16)。ハイスクールの頃は学校一の人気者だったが、しがない会計士の仕事をしていることに負い目を感じている男が、学校でイジメに遭っていた同級生と久しぶりに再会。高校時代はデブで冴えなかったが、今や筋骨隆々のマッチョマンで、しかも仕事はCIAのエージェント! そんな同級生と行動を共にするうちに、男は大事件に巻き込まれていく...というコメディ・アクションだ。

detail_190820_photo04.jpg『セントラル・インテリジェンス』
© 2016 Warner Bros. Entertainment Inc., Universal City Studios Productions LLLP and Ratpac Dune Entertainment LLC. All Rights Reserved.

 ドウェインが演じるのは、このCIAエージェント。世界の危機に立ち向かう頼もしい男で、バーでチンピラたちに絡まれても一瞬にしてのしてしまうタフガイだ。しかし、高校時代を思い出すと途端に顔つきが暗くなり、顔から自信が消え去ってしまう。一見すると無敵と思えるほどマッチョなドウェインがタフなアクション演技の一方で、そんなトラウマを体現してみせるのだから、ギャップな笑いが込み上げてくる。さらにクライマックスでは全裸になることもいとわず、文字通り体を張った熱演を見せる。

 共演のケヴィン・ハートは全米で人気のコメディアンだが、そんな彼とノリの良い掛け合いを披露。ドウェインとハートはその相性の良さを活かし、『ジュマンジ~』で再共演を果たし、その後の作品でも頻繁に顔を合わせている。本作では他にも、『モンスター上司』('11)のジェイソン・ベイトマン、『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』('11)のメリッサ・マッカーシーといった全米で大人気のコメディ俳優が出演しており、ドウェインは共演場面の設定に応じて、異なるコメディ演技を披露。単に強いだけではなく、とてつもなく愉快な男...それこそが、ドウェインの個性であり、人気の秘密でもあるのだ。

detail_190820_photo05.jpg『セントラル・インテリジェンス』
© 2016 Warner Bros. Entertainment Inc., Universal City Studios Productions LLLP and Ratpac Dune Entertainment LLC. All Rights Reserved.

 公開中の『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』にしても笑いの要素は多分に含まれているし、今後公開される『ファイティング・ファミリー』('19)、『ジュマンジ/ネクスト・レベル』('19)もコメディ色は強い。自身の個性を踏まえて、スター街道を驀進するドウェイン・ジョンソンから、今後も目が離せない!

  • 文=相馬学
    アクションとホラーをこよなく愛するフリーライター。雑誌や劇場用パンフレット、映画サイトなどでお仕事中。

[放送情報]

ランペイジ 巨獣大乱闘
WOWOWシネマ 8/30(金)午前9:30
WOWOWシネマ 9/16(月・祝)午前4:30
WOWOWライブ 9/23(月・祝)午前6:00


セントラル・インテリジェンス
WOWOWシネマ 8/31(土)よる9:45
WOWOWプライム 9/3(火)よる8:00
WOWOWシネマ 9/10(火)午後3:15


スコーピオン・キング
WOWOWシネマ 8/25(日)深夜2:45


TOPへ戻る

期間限定WOWOW WEB会員なら話題の最新映画が1200円(ムビチケ)

最新記事

もっと見る

© WOWOW INC.