2019/09/10 up

俳優デビューから10年。菅田将暉は自らを変革し続ける

「生きてるだけで、愛。」9/12(木)午後3:00

文=轟夕起夫

 菅田将暉。現在、「俳優デビュー10周年イヤー」を駆け抜けている真っただ中の彼のその足跡、軌跡を振り返れば、驚異的な"変化"の連続である。いや、変幻自在、変貌し変形して変成を重ねてきた「トランスフォームの歴史」と呼んでも過言ではない。

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 まず出発点、当時16歳でデビューを飾ったのが"変身キャラ"の代名詞、「仮面ライダー」というのが象徴的だ。2009年、オーディションで「仮面ライダーW(ダブル)」に抜擢され、桐山漣とのW主演を飾った。シリーズ初の、"2人ひと組"で変身する設定だったのがまた、規格外な彼の属性を示していて興味深い。何しろ、菅田が演じた少年フィリップはデータから再構成された実体なきパーソナリティで、変身ポーズをとると昏倒してしまい、桐山扮する相棒、左翔太郎のもとへ魂が入るという極めてユニークなスタイルであったのだ(従って、声もWキャストである)。

detail_190910_photo02.jpg『仮面ライダー×仮面ライダー W(ダブル)&ディケイド MOVIE大戦2010』9/13(金)午前4:15
©2009「W&ディケイド」製作委員会 ©石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映

 映画初出演は、『仮面ライダーW』放送開始前に公開された『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』('09/監督:金田治)。これは声のみの参加だったが、誕生秘話が描かれた『仮面ライダー×仮面ライダー W(ダブル)&ディケイド MOVIE大戦2010』('09/監督:田﨑竜太)では早くも主演の一角を担い、以後このシリーズは、Wとオーズが共闘した『仮面ライダー×仮面ライダー オーズ&ダブル feat.スカル MOVIE大戦CORE(コア)』('10/監督:田﨑竜太)など、計7本がつくられた。

detail_190910_photo03.jpg『仮面ライダー×仮面ライダー オーズ&ダブル feat.スカル MOVIE大戦CORE(コア)』9/13(金)午前5:50
©2010 劇場版「オーズ&ダブルfeat.スカル」製作委員会 ©石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映

 次なるステップは、学園、青春モノでの活躍で、華奢でビジュアルも秀でていた彼は、アイドル的な立ち位置で人気を獲得していく。だがやがて、フィールドを自由に横断していくこの天性の"トランスフォーマー"は、自らのイメージを刷新しようと試みる。決定打となったのは『共喰い』('13/監督:青山真治)だ。田中慎弥の芥川賞受賞作の映画化で、主役を務めた菅田は、暴力的な性癖を持つ父親の"血の継承"に畏怖する高校生を演じ、生々しい性描写にもチャレンジして度肝を抜いた。本作で第37回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した後も、『そこのみにて光輝く』('14/監督:呉美保)、『ディストラクション・ベイビーズ』('16/監督:真利子哲也)、『何者』('16/監督:三浦大輔)と"人間の本性"をえぐり出すような果敢な作品選びは続いてゆく。

 そして、荒ぶるボクサー役のため徹底的に肉体改造した『あゝ、荒野』('17/監督:岸善幸)でその年の各映画賞の主演男優賞を総なめにし、名実ともに日本を代表するアクターであることを証明した。特筆すべきは多種多様な現代の若者像を背負って"変転"していく姿勢で、'18年に公開された『生きてるだけで、愛。』もそんな一本。本谷有希子の小説を映像ディレクターの関根光才が映画化、感情を制御できない引きこもりのヒロイン(趣里)と同棲しているゴシップ雑誌の編集者を演じた。彼女と向き合っているようで深いところの本音が見えない、危うい共依存関係をリアルに表現し、感情の"変容"のドラマが実にスリリングである。

detail_190910_photo04.jpg『生きてるだけで、愛。』
©2018『生きてるだけで、愛。』製作委員会

 こうした硬派な作品群が並ぶ一方で、auのCMでは「鬼ちゃん」として親しまれ、バラエティ番組に出演すればしっかり笑いもとる。このエンターテイナーぶりも彼の魅力のひとつ。例えばTVドラマでは、内閣総理大臣の父(遠藤憲一)と大学生の息子の心と体が入れ替わってしまうコメディ『民王』('15)、映画では空知英秋の人気コミックが原作、'17年度の邦画実写作品で年間興行収入第1位を獲得した『銀魂』が挙げられるだろう。『銀魂2 掟は破るためにこそある』('18)では引き続いて福田雄一監督のもと、ツッコミ・キャラ、丸眼鏡がトレードマークの志村新八に扮し、主人公の坂田銀時(小栗旬)、ヒロインの神楽(橋本環奈)と振り切った顔芸を披露、またもやギャグ・パートでハッチャけてみせた!

detail_190910_photo05.jpg『銀魂2 掟は破るためにこそある』9/11(水)午後5:30
©空知英秋/集英社 ©2018 映画「銀魂2」製作委員会

 '19年はすでに、映画『アルキメデスの大戦』(監督:山崎貴)に主演、TVドラマは企画から関わった「3年A組 ―今から皆さんは、人質です―」がセンセーショナルな反響を呼び、最終回に出演した「パーフェクトワールド」の主題歌「まちがいさがし」(作詞、作曲、プロデュース:米津玄師)はメガヒットに。また歌手としてはセカンド・アルバム『LOVE』を発表、つい最近は「LIVE TOUR 2019 "LOVE" 」も大成功させている。今後は11月に舞台『カリギュラ』が控えており、自らを"変革"していくトランスフォーマーの躍進は、止まるところを知らない。

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  • 文=轟夕起夫
    ライター。「キネマ旬報」「映画秘宝」「クイック・ジャパン」「ケトル」「DVD&動画配信でーた」などで執筆。モデルとなった書籍「夫が脳で倒れたら」が発売中。

[放送情報]

銀魂2 掟は破るためにこそある
WOWOWプライム 9/11(水)午後5:30


生きてるだけで、愛。
WOWOWシネマ 9/12(木)午後3:00


仮面ライダー×仮面ライダー W(ダブル)&ディケイド MOVIE大戦2010
WOWOWライブ 9/13(金)午前4:15
WOWOWシネマ 10/11(金)午前11:15
WOWOWシネマ 10/22(火・祝)午前10:45


仮面ライダー×仮面ライダー オーズ&ダブル feat.スカル MOVIE大戦CORE(コア)
WOWOWライブ 9/13(金)午前5:50
WOWOWシネマ 10/11(金)午後0:55
WOWOWシネマ 10/22(火・祝)午後0:25

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