2019/10/17 up

『ボヘミアン・ラプソディ』 クイーンを超えたクイーン伝説を語ろう 第3回:クイーン・サウンドの魅力を語ろう!

「ボヘミアン・ラプソディ」10/19(土)よる8:00他

取材・文=八木賢太郎
撮影=神保達也

 WOWOWでの『ボヘミアン・ラプソディ』放送を記念したスペシャル・トーク企画。集まったのは、元MEGADETH(メガデス)のギタリストでマルチ・アーティストとして活動中のマーティ・フリードマン、自身のネタでクイーンの楽曲を使用するほどのクイーン好き芸人レイザーラモンRG、そしてかつて音楽情報誌『MUSIC LIFE』『BURRN!』の編集にも携わり本作の字幕監修を務めた増田勇一のクイーンを愛する3人。

第2回では、『ボヘミアン・ラプソディ』の細かいつくり込みや、クイーンやメガデスのバンド事情にまでトークが発展。最終回となる第3回はクイーンのサウンドについて語ってもらった。

レイザーラモンRG(以下RG)「マーティさんはブライアン・メイから影響を受けたって言ってましたけど、メガデス時代の複雑な構成の曲とかって、その影響だったりしたんですか?」

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マーティ・フリードマン(以下フリードマン)「それもありますね。やっぱりクイーンは、最初の冒険的なバンドだったと思います。特にギタリストの立場で考えたら。ブライアン・メイより前に、メロディを中心にギターソロを弾くギタリストっていなかったんですよ」

増田勇一(以下増田)「確かに。みんな、ものすごく速く弾くか、もしくはブルージーな雰囲気で弾くか。ブライアンのソロのように、声を合わせて一緒に歌えるようなソロを弾くギタリストはあまりいなかったよね」

detail_191017_photo06.jpg『ボヘミアン・ラプソディ』10/19(土)よる8:00他
© 2018 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

 フリードマン「そうそう。有名なジミ・ヘンドリックスとか、エリック・クラプトンとか、ジミー・ペイジとか、彼らのソロは、『どうだ、カッコいいだろ?』ってブルースの速弾きしてるだけの"雰囲気イケメン"って感じでした(笑)」

RG「なるほど~、それは面白い」

増田「ブライアンのソロこそが本当の男前だと」

フリードマン「いちばん近いのはジェフ・ベックだったけど、彼はポップ・ソングの人じゃなかったから。ブライアンは、メイン・ストリームのポップやハードロックの世界で、『この曲にピッタリのメロディはなんだろう?』って考えられたソロを弾いてる。そういうギタリスト、彼の前にはいなかったですね」

増田「『ボヘミアン・ラプソディ』のギター・ソロってどんなメロディだっけ?って聞かれたら、すぐに歌えますもんね」

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フリードマン「歌える。『キラー・クイーン』のソロも、適当な演奏はひとつも入ってないんだよね」

RG「クイーンの曲って、コピーして演奏するのは難しいんですか?」

フリードマン「もちろん、彼らと同じ音を出すのは難しいけど、彼らの曲の素晴らしいところは、適当じゃないから耳で聴き取れるんですよ。だから、一音でも間違えたらすぐ分かるから」

増田「つまり、ちゃんと譜面にできる音楽をやってるんですよね」

フリードマン「そういうことです」

RG「僕は初めて買ったクイーンのレコードが3枚目の『シアー・ハート・アタック』で、いまだにあのアルバムの1曲目の衝撃が忘れられないんですけど。マーティさんは、クイーンの好きなアルバムとかありますか?」

フリードマン「僕は『ザ・ゲーム』ですね、アルバムだったら。ただ僕は、その『ザ・ゲーム』の後、クイーンの車からは降りました」

RG「聴かなくなった?」

フリードマン「そうそう。『ホット・スペース』ってアルバムから、ちょっとイメチェンしたし、彼ら、音楽の内容よりも自分の周りの環境のほうが大事になってきたから。そこが僕の好みじゃなくなって、クイーンのこと忘れちゃってたんですね」

増田「そういう人たちは少なくないです。70年代からクイーンが好きだった人たちは、特にそうです。『もう僕らが好きだったクイーンじゃなくなっちゃった』って感覚はありましたから、当時は」

RG「じゃあ、この映画のクライマックスの"ライヴ・エイド"の時は、もうクイーンは好きじゃなくなってた?」

フリードマン「"ライヴ・エイド"って何年?」

増田「1985年ですね」

フリードマン「あ~、その当時の僕は、メイン・ストリームの音楽、とても嫌いでした(笑)。だから"ライヴ・エイド"にも興味なかったし、リアル・タイムではクイーンが出てることも知らなかった。イギリスで始まった、アングラのヘヴィメタしか興味なかった」

detail_191017_photo07.jpg『ボヘミアン・ラプソディ』
© 2018 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

RG「ニュー・ウエイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィメタルだ!」

フリードマン「そうそう。でも、クイーンにはいろんな時代があるから、みんな必ず自分の好きな時代のクイーンがありますよ。僕も今でも好きな曲が多すぎるんだけど、ただ、正直言って、『ボヘミアン・ラプソディ』って曲は、そんなに好きじゃない」

RG「へぇ~、どうしてですか?」

フリードマン「なんでいきなりオペラ聴かなきゃいけないのかなって(笑)。オペラ以外の部分はすごく好きなんだけど。ただ、あのやり方は非常にリスペクトしてるし、この映画でレコーディングのシーンを観たら、さらにリスペクトした」

増田「確かに、今は名曲といわれてますけど、実は変な曲ともいえますよね(笑)」

RG「ホントそう、ホントそう!」

増田「僕も中学生の頃に初めて聴いた時は、『何これ?』って思いましたもん。だけど、このバンドがほかのバンドとどう違うのか、みたいなものがいちばん詰め込まれた曲ですよね」

RG「あのレコーディングのシーンは面白かったですよね。スピーカーを揺らしたりとか、工夫がすごいし。ロジャーが高音のコーラスを何度も歌わされてたりして、バンドのレコーディングって、ああやって追い込むんだなって(笑)」

増田「ホント、リアルにこういう感じだったんだなって感じさせてくれる映画ですよね」

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RG「WOWOWでは、今回の映画『ボヘミアン・ラプソディ』の放送に合わせて、クイーンの関連番組を放送するらしいんです。ラインナップの中で、お2人のオススメとかありますか?」

フリードマン「この中なら、やっぱり僕はハマースミスのライブ(『クイーン オデオン座の夜 ~ハマースミス1975』)を観たくなるね」

RG「1975年頃は、いちばんいい時代ですもんね」

detail_191017_photo08.jpg「クイーン オデオン座の夜 ~ハマースミス 1975」
10/20(日)午後4:30他

フリードマン「後は『フレディ・マーキュリー アントールド・ストーリー』とかを観て、もっと彼について知りたいですね」

detail_191017_photo09.jpg「フレディ・マーキュリー アントールド・ストーリー」
10/20(日)よる7:00

RG「実はマイケル・ジャクソンと仲が良かった時期もあったとか、後になってから知りましたからね。『クイーン Music Video Collection』も改めて観てみたいですけど」

増田「クイーンのミュージック・ビデオは、『そこまでやるか?』っていうのが多いですからね」

RG「『ブレイク・フリー(自由への旅立ち)』のビデオでしたっけ? フレディが変なタイツ姿で寝てる男たちの上を転がるやつ(笑)」

detail_191017_photo10.jpg「クイーン Music Video Collection」
10/20(日)午前8:15

増田「そうそう。最初はメンバー4人が女装で登場するやつです。女装だけでも1本分以上のネタなのに、なぜか後半はバレエみたいな、全然違うビデオになっちゃうという。盛り込みすぎ(笑)」

RG「ただ、ミュージック・ビデオ文化ができるのって80年代なんですよね。」

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増田「だから、70年代の名曲のビデオを80年代になってからつくってくれたりしてたら、面白かったかもしれない。『キラー・クイーン』のビデオを改めてつくるとかね」

RG「それも観てみたかったですね」

フリードマン「いや、だからこそ、この映画があるんですよ(笑)。ミュージック・ビデオよりも、もっとプロモーションには効果的だから」

RG「そうか! ある意味でこの映画は、2時間の壮大なミュージック・ビデオなのかもしれない」

フリードマン「そう。クイーンを知らない人も、絶対にクイーンを好きになってくれる映画だからね」

「第1回:映画『ボヘミアン・ラプソディ』愛を語ろう」記事はこちら>

「第2回:クイーンの天才ボーカリスト、フレディの魅力とバンドあるあるを語ろう」記事はこちら>



「マーティ・フリードマン×増田勇一×レイザーラモンRG Special Talk」の過去記事はこちらから
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[放送情報]

ボヘミアン・ラプソディ
WOWOWシネマ 10/19(土)よる8:00
WOWOWプライム 10/20(日)午後1:00
WOWOWプライム 10/24(木)よる7:30
WOWOWシネマ 10/27(日)午前10:55
WOWOWシネマ 10/31(木)よる9:00
WOWOWシネマ 11/7(木)午後3:00
WOWOWシネマ 11/15(金)深夜0:45
WOWOWプライム 11/24(日)午後3:30
WOWOWライブ 11/30(土)午前9:40


クイーン Music Video Collection
WOWOWプライム 10/20(日)午前8:15


クイーン オデオン座の夜 ~ハマースミス 1975
WOWOWプライム 10/20(日)午後4:30
WOWOWプライム 11/24(日)午後5:50


フレディ・マーキュリー アントールド・ストーリー
WOWOWプライム 10/20(日)よる7:00

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