「HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス」4/13(金)よる9:00
2017年の日本の実写映画で興収第1位のヒットとなった『銀魂』。その演出を手掛けたのが、今最も注目の監督、福田雄一だ。大学時代に旗揚げした劇団を抱えつつ、TV番組の制作プロダクションに入社。退社後は構成作家、やがてTVや映画、舞台で演出家として活躍するように。一般に広く注目されたのはTVドラマ『33分探偵』と『勇者ヨシヒコ』シリーズだろう。その卓越したパロディ精神とギャグ・センスで、見る者をとりこにする作品を次々と打ち出した。
そもそも日本では"面白い"要素を持ち、そこに感動やとがったセンスなどを感じさせる人の作品に人気が集まる傾向がある。例えば人情喜劇で人のおかしみに焦点を当て続けてきた山田洋次。ニール・サイモンやビリー・ワイルダーを愛してシチュエーション・コメディに特化したハートウォームな作品が多い三谷幸喜。ダメ人間の弱さ愚かさにロック魂をブレンドし、バカバカしさの中に切なさも光る作品を発表してきた宮藤官九郎。今までも笑いをメインにしてきた監督&脚本家はたくさんいるが、福田雄一のスタンスはちょっとオモシロイ。彼の場合、コメディというより、ストーリーとは関係ないギャグのセンスで作品の面白さを彩っているからだ。
©空知英秋/集英社 ©2017映画「銀魂」製作委員会
© あんど慶周/集英社・2013「HENTAI KAMEN」製作委員会
福田作品の魅力は、役者たちが"本気"でギャグやパロディを演じ、付随するアクションやドラマにも"本気"で挑むことで最先端の笑いを提示しつつ、日本人が俳優に対して抱く親しみや愛着を最大限に生かした「俳優の成長ドラマ」をも構築している点にある。舞台という役者の魅力が最大限に発揮されるフィールドで軌跡を残してきた福田監督ならではの強みが、作品にあふれているのだ。
文=横森文
[放送情報]
『HK/変態仮面』
WOWOWシネマ 4/13(金)よる7:00ほか
『HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス』
WOWOWシネマ 4/13(金)よる9:00ほか
『銀魂』
WOWOWシネマ 5/26(土)よる8:00ほか
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