455編の応募があった「第10回WOWOWシナリオ大賞」で大賞に輝いた舘澤史岳の脚本を映像化した『ドラマW 食い逃げキラー』。食い逃げ犯に悩むファミレス、ワニーズを元陸上界のエースが救う!? という異色のヒューマン・コメディで、主演は劇団EXILEのメンバーとして活躍する青柳翔。WOWOWのドラマでは初めての主演作となる。
「初めてタイトルを聞いたとき、すごくインパクトがある...というか、正直、『何だ、これ?』って思いました。周りからも『WOWOWっぽくない題材だよね』って言われます(笑)。でも、脚本を読むと、すごく興味をそそられたんです。それに日頃はシリアスだったり、社会派のイメージが強いWOWOWのドラマが、こんな異色作にチャレンジすることが素敵だし、自分が参加できることが嬉しいと思いました」
食い逃げ犯を捕まえる"食い逃げキラー"、川谷省吾を演じる青柳は劇中、全速力で走ったり飛んだり、体を張るシーンも多く、撮影前にはトレーニングも積んだ。
「省吾はあまり練習せず、自分の才能だけで記録を出してきた男で、あることがあって陸上から挫折したんです。ドラマはそんな彼が、一筋縄ではいかない食い逃げの常連たちを捕まえていく中で成長していく姿を描いています。なので、走りのフォームも粗削りでいいし、走っているときの顔もガムシャラな感じの方がいいかなと。現場で監督たちのアドバイスを聞きながら作り込んでいきました」
監督はドラマ『天皇の料理番』('15)を手掛けた中前勇児。青柳とは映画『サンゴレンジャー』('12)に次いで2度目のタッグとなった。
「ズバズバと言ってくださる監督なので、すごくやりやすいんです。僕が食い逃げ犯を追うシーンで、ジャンプするアクションがあったんです。僕は頑張ったつもりだったんですが、あまりにジャンプが低くて、監督から、『えっ、今、飛んだの?』って言われまして。だからかな、撮影中、頑張らなくちゃと思って、監督とやった『サンゴレンジャー』をもう一度、見直したんですよ」
聞けば、アクション作品をやっているときはアクション映画を見たり、過去に仕事で一緒になった人たちとの作品に目を向けることも多く、ドキュメンタリーものまで、幅広く見ていると話す青柳。WOWOWの放送ラインナップの中から、気になる作品を聞くと、『22年目の告白-私が殺人犯です-』を挙げてくれた。
©2017映画「22年目の告白-私が殺人犯です-」製作委員会
普段の視聴スタイルを聞くと、「リラックスして、お酒を飲みながら見ることも多い」という。
©2006「アヒルと鴨のコインロッカー」製作委員会
取材・文=前田かおり
撮影=神保達也
[放送情報]
『ドラマW 食い逃げキラー』
WOWOWプライム 4/7(土)深夜1:30
『22年目の告白―私が殺人犯です―』
WOWOWシネマ 4/7(土)よる8:00
WOWOWプライム 4/8(日)午後1:00
WOWOWプライム 4/12(木)よる8:00
WOWOWシネマ 4/15(日)午後5:00
WOWOWシネマ 4/29(日・祝)よる11:15
『アヒルと鴨のコインロッカー』
WOWOWシネマ 5/23(水)よる7:00
最新記事
-
2020/07/24 up
山崎ナオコーラの『映画マニアは、あきらめました!』
第17回『あの日のオルガン』
-
2020/07/21 up
メガヒット劇場
私たちがホアキン・フェニックス版『ジョーカー』に共鳴する理由、あるいは"プロト・ジョーカー"説
-
2020/07/17 up
ミヤザキタケルの『シネマ・マリアージュ』
第17回 ありのままの自分であるために。時代を超えて描かれる人間の孤独
-
2020/07/14 up
その他
日本映画界の頂点に立った、韓国人女優シム・ウンギョンとは
-
2020/07/10 up
スピードワゴン小沢一敬の『このセリフに心撃ち抜かれちゃいました』
スピードワゴン小沢一敬が「最高にシビれる映画の名セリフ」を紹介! 第18回の名セリフは「謝るなんてな、ほんのちょっとの辛抱だよ」
-
2020/07/08 up
山崎ナオコーラの『映画マニアは、あきらめました!』
第16回『記憶にございません!』