「銀魂2 掟は破るためにこそある」6/29(土) よる8:00他

文=横森文

 日本映画界に新たな笑いの感覚を持ち込み、今や押しも押されもせぬ人気監督となった福田雄一。2017年には日本映画の実写映画で『銀魂』('17)が年間興収第1位となってアッと言わせたが、続編の『銀魂2 掟は破るためにこそある』('18)は年末年始に自宅で観られた日本映画No.1※に輝き、早くも『銀魂3』の始動...を感じさせるかのような内容を福田監督がSNSに投稿したりもしている。

 実際、『銀魂2~』を観て驚かされたのは、脱力系のゆるい笑いが光ることは言うまでもないが、ギャグ以外のシーンのパワーアップぶりが目立ったこと。今回『銀魂2~』は長い原作コミックのなかから「将軍接待篇」と「真選組動乱篇」をピックアップして映画化しているが、後半に行けば行くほど「真選組動乱篇」がメインとなり、アクション・シーンが増えている。『マッドマックス』的な車の爆走アクションや、西部劇を連想させる列車が絡むアクション、人対人の胸のすくような肉弾戦など、どのシーンをとっても小憎たらしいほどカッコいいのだ。

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 さらに今回は真選組同士の内紛がストーリーのキーに。裏切りを企てる者とそんな仲間も愚直に信じる大将がいる、個性豊かな真選組一同のキャラクターが丁寧に描写され、男同士ならではの絆がシリアスに語られる。そのなかでも互いを忌み嫌いながら、どこかで相手を認めざるを得ないと感じている、副長と参謀が紡ぐ絆は熱い。

 実は当初、福田監督は続編で取り扱うエピソードを、キャバクラで将軍を銀時ら万事屋の面々がもてなす「将軍接待篇」に決め、ギャグ全開のバカ映画を想定していた。確かに『銀魂』シリーズ=ギャグの印象は強い。が、実はその底辺には熱いドラマが詰まっていて、それこそが『銀魂』の魅力だと思うようになった。だから銀時役の小栗旬には「お笑いだけじゃない、ちゃんとしたのを作る!」とイン前に宣言していたという。

detail_190618_photo02.jpg『銀魂2 掟は破るためにこそある』
©空知英秋/集英社 ©2018 映画「銀魂2」製作委員会

 そういう思いがあったせいだろう。アクション・シーンはカッコいいし、シリアスな部分はちゃんとシリアスに胸に迫る。とても頭にウ◯コを乗せたり、バカバカしすぎるっ! とツッコミを入れたくなる映画と同じ映画のシーンだとは思えないくらいの出来の良さを見せる。

 考えてみれば最近の福田監督作品は、笑い以外のシーンも印象的だ。『50回目のファーストキス』('18)は、1日しか記憶が持たない女性と彼女に恋をした男性のラブ・ストーリー。ここでは得意の笑いの要素を差し込みつつも、記憶が消えてしまう女性の哀しさを印象づける演出を見せた。2018年10月には昭和のヤンキーものながらまさかの大反響を巻き起こした連続TVドラマ「今日から俺は!!」で進化した福田ワールドを披露。ギャグ全開なところはいつも通りだが、その半面、殺伐としすぎない純粋なヤンキー魂に何か古き良き時代への懐かしさや哀愁をにじませている。

 つまり圧倒的に演出手腕が上がっており、その結果、福田作品独特のしつこいギャグセンスが鳴りを潜め、見やすくもなっているというわけ。だから「今日から俺は!!」は老若男女を魅了することになったのだ。

 加えて福田監督はもともと役者の使い方が絶品だ。常連の佐藤二朗、ムロツヨシしかり、もはや福田組といっても過言ではない柳楽優弥、菅田将暉、小栗旬などが持つ雰囲気やセンスを実にうまく使っている。『銀魂2~』では柳楽優弥が、土方十四郎と彼の別人格のヘタレなトッシーを、まるで多重人格者のように瞬時に変わって演じてみせる。これも柳楽の演技の実力を福田監督が知り尽くしているからこその配役。実は結構細かく演技指導をする福田監督だが、今回は完全お任せな場面もあったと柳楽が語っている。それは前作に引き続き出演した小栗旬、菅田将暉、橋本環奈にもあったそうで、より福田監督が役者を信頼し、自由にやらせることで、面白味が増した面もあるのだろう。そういった役者との信頼関係の厚さがさらなる作品の厚みを引き出したことで、より福田作品の魅力を押し上げているのだ。今後がますます楽しみである。

detail_190618_photo03.jpg『銀魂2 掟は破るためにこそある』
©空知英秋/集英社 ©2018 映画「銀魂2」製作委員会

※2018年12月17日~2019年1月6日、TSUTAYA調べ

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  • 文=横森文
    映画ライターをする傍ら演劇集団トツゲキ倶楽部で主宰・演出・脚本を手掛ける。次回作は11月公演『笑うゼットン』。

[放送情報]

銀魂2 掟は破るためにこそある
WOWOWシネマ 6/29(土) よる8:00
WOWOWプライム 6/30(日) 午前10:00
WOWOWプライム 7/4(木) よる7:30
WOWOWシネマ 7/7(日) 午後4:35
WOWOWプライム 7/20(土) よる7:35
WOWOWシネマ 7/30(火) よる6:35

「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」6/30(日) よる9:00他

映画を愛するスピードワゴンの小沢一敬さんならではの「僕が思う、最高にシビれるこの映画の名セリフ」をお届け。第4回は、女と男の歴史的テニス・マッチを描く感動のスポーツ・ドラマ『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』('17)。さて、どんな名セリフが飛び出すか?

──今回は『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』というチョイスでした。

小沢「そもそも俺は、映画を観る前にあんまり情報を入れたくないのね。タイトルだけで勝手にストーリーを想像する時間も好きだから。それで今回のタイトルが『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』でしょ。ヒーローものなのか、それともセクシーなお姉さんたちが戦う映画なのかなぁ、と思って観たら、まったく想像と違う中身で」

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──このタイトルは、1973年に実際に行なわれた女子テニス界最強の29歳ビリー・ジーン・キングと、55歳の元男子世界王者ボビー・リッグスによる伝説的なテニス・マッチの名称です。世間的には男女平等が叫ばれていましたが、テニス界はまだ女子の優勝賞金が男子の1/8という男性優位主義が支配していた時代の話で、それらを知らずに観ると、タイトルと映画の中身にギャップがありますよね。

小沢「うん。俺はポスターのビジュアルに写ってる2人は、(ビリー・ジーン・キング役の)エマ・ストーンが女性ヒーローで、(ボビー・リッグス役の)スティーヴ・カレルは司令官だと勝手に思ってたから(笑)。だけど、とても面白い映画だった。俺はテニスにまったく興味ないんだけど、それでもすごく楽しめたし」

──確かに、誰にでも楽しめる映画に仕上がってます。

小沢「俺がいつも自分たちのライブをやる時に考えてるのは、『予想は裏切りたい、期待は裏切りたくない』ってことなんだけど、この映画はまさにそういう作品だったと思うんだ。しかも、後で調べたら実話がベースだって分かって。やっぱり世の中は面白いなぁと」

──小沢さんの期待を裏切らなかった部分というのは、どの辺ですか?

小沢「やっぱりさ、映画を観るときにはワクワクしたいし、ハラハラしたいのね。若い頃は映画に深いメッセージとか感動を求めてたこともあったけど、年を取ってくると、ただ『カッコいいじゃん!』って言える映画を好むようになってきて。そういう意味でこの映画は、素直に『カッコいいじゃん!』って言える映画だった」

detail_190614_photo02.jpg© 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

──年を取ると期待を裏切らないものを観たくなるっていうのは、まったく同感なんですけど。それって、なんでしょうね?

小沢「たぶん、もう落ち着いちゃったんじゃない?(笑) だから、ホントによくないと思うのは、最近、CDや漫画を買いに行くとね、最初は新作に手を伸ばすんだけど、最後は昔から好きだったやつを買っちゃうんだよ。そういうとこ、『年取ったなぁ』って思うよ」

──でもこの映画は、"期待を裏切らない"というエンタメな包装紙の中に、重要なテーマが包み込まれてます。

小沢「そうね。それが"セクシーズ"の部分なんだろうけど。性別を意味するセックスだからね。同性愛のことも描かれてるけど、タイトルにある"バトル"は、主に女性たちが"自由"を勝ち取るための"闘い"の意味でもあるよね」

──先ほどおっしゃったようにこの映画は実話がベースになっていますが、ビリー・ジーン・キングは女性や性的マイノリティーの権利のために闘い続けてきた人です。
では今回、小沢さんがシビれた名セリフはなんでしょうか。では今回、小沢さんがシビれた名セリフはなんでしょうか。

小沢「時代は変わる。今、君が変えたように」

※編集部注
ここから先はネタバレを含みますのでご注意ください。

──ビリー・ジーン・キングに対して、彼女をずっとサポートしてきたゲイのスタイリストのテッド(アラン・カミング)が言うセリフですね。彼女がボビー・リッグスから歴史的な勝利を収め、人々が歓喜に沸いている映画のラストです。テッドが「おいで。みんなが君を待ってる」と声を掛けると、彼女は感極まって涙ぐみながら「心の準備がまだ」と言い、テッドの名セリフが続きます。

detail_190614_photo03.jpg© 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

小沢「"時代は変わる"という言葉について、俺の中では思うところがいろいろあって。元THE BLUE HEARTSで現ザ・クロマニヨンズのマーシー(真島昌利)の昔のソロの曲『夕焼け多摩川』に『誰かが歌ってる 時代は変わる それなのにこの場面 以前(まえ)にも見たよ』っていう歌詞があるんだけどさ、俺、"時代は変わる"って言葉を聞くと、いつもそれを思い出すの。『時代なんて何も変わってねえよ』って。もちろん、環境的な部分では変わってるんだけど、人間の本質的な部分は人類の歴史が始まった時から何も変わってないのよ。大昔から今日までずっと、誰かが誰かを好きになったりヤキモチ焼いたりしてる。ずっと変わってない。だけどみんな『きっと時代は変わるんだ』と思いたいんだろうなって」

──たぶん「変わる」と思ってないと前へ進めないというか。"時代は変わる"という言葉が、一種の希望なんだと思うんですよ。

小沢「そう、それなんだよ。決して時代は変わらないんだけど『変わろう』『変えよう』と思うことが人間の生きる理由なんだよね。ただ、マーシーと同じザ・クロマニヨンズの(甲本)ヒロトは、『時代を変えようっていうのは、すべてを諦めたやつが言うんじゃねえの? 自分が頑張ってたら、必ず変わるんだから』って言ってたのね。まさにその通りで。だから俺も『時代は変わる』なんてことをいちいち言う必要ないと思ってるんだ」

──でも、この作品はそのセリフが重要な場面で出てきますよね。

小沢「この映画では、彼女たちは自らの力で女性の"自由"を勝ち取ったわけだから。日本語の"自由"って英語だと2種類の言葉があるでしょ。"何をやってもいい"って意味の"Freedom"と、"権利の獲得" や"解放" の意味で使われる"Liberty"。つまり"Liberty"は、闘って勝ち取った"自由"。だから、その"Liberty"のための第一歩を踏み出したという意味で、あの場面で『時代は変わる。今、君が変えたように』というセリフは絶対に必要だったと思う」

──観客へのメッセージとして、必要だったと。

小沢「そうそう。観てる人たちに『彼女たちは時代を変えたぞ。じゃあ、君は何をする?』って呼び掛けてるわけだからね。プライベートで俺はこんなセリフは絶対に言わないし、言ったところで誰にも響かないけどさ、これが映画のセリフとなると、『じゃあ、私は何をすればいいんだろう?』って考える人も出てくるから。そういう意味で、私生活の言葉と映画の言葉はまったく別のものだと思うし、このセリフは映画の言葉として、とてもいい言葉だよ」

──他に気になったセリフはありますか?

小沢「いろいろあったんだけど、ちょっと面白かったのは、女性同士のベッド・シーンの後に、『あ、これ』っていう冷めたセリフで落ちてた眼鏡を相手に渡すところね。始まるときはムーディーに始まるくせに、コトが終わると男も女もドライなんだなって思ったよ(笑)」

取材・文=八木賢太郎

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  • 小沢一敬
    愛知県出身。1973年生まれ。お笑いコンビ、スピードワゴンのボケ&ネタ作り担当。書き下ろし小説「でらつれ」や、名言を扱った「夜が小沢をそそのかす スポーツ漫画と芸人の囁き」「恋ができるなら失恋したってかまわない」など著書も多数ある。

小沢一敬の「このセリフに心撃ち抜かれちゃいました」

[放送情報]

バトル・オブ・ザ・セクシーズ
WOWOWシネマ 6/30(日) よる9:00
WOWOWプライム 7/3(水) よる7:45
WOWOWシネマ 7/11(木) 午後2:55

「ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男」6/23(日) よる9:00 他

文=橋真奈美

 F1ワールド・チャンピオンに3度輝いたニキ・ラウダの訃報に接し、『ラッシュ/プライドと友情』('13)にも描かれた奇跡の復活を思い出す。1976年、瀕死の重傷を負ったサーキットでの事故からわずか6週間でレースに戻り、その年の最終戦でライバルのジェームス・ハントと世界王者の座を争ったのだ。ドライビングが冷静で私生活も真面目なラウダに対し、ハントはプレイボーイで走りは野性的。2人のキャラクターが対照的だったことが、ライバル関係を鮮烈なものにした。

 そんな名勝負の裏にあるドラマが映画では度々描かれる。テニスの世界にも、コート上での振る舞いが真逆のトップ選手同士が優勝を懸けて死闘を繰り広げた勝負がある。"アイス・マン"ビヨン・ボルグと"悪童"ジョン・マッケンローが対戦した1980年のウィンブルドン男子シングルス決勝だ。映画『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』('17)は、その決勝戦を物語のクライマックスに据え、そこに至るまでのそれぞれの軌跡を映し出している。

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 '80年当時、ウィンブルドン選手権4連覇中の24歳の美青年ボルグ(スウェーデン出身の人気俳優スベリル・グドナソンがボルグのカリスマ的な雰囲気を再現している)は、世間が「5連覇なるか?」と騒ぎ立てる中でも超然としている。しかし陰では敗北の恐怖や孤独感と必死で戦っていたことが、狂気に取り憑かれたように何事にも験を担ぐ姿や、死を連想させる心象風景から伝わってくる。さらに、元々は短気な性格でジュニア時代は試合中にキレることも多く、根底の部分ではマッケンローとさほど変わらないことも映画では明らかにされる。一方、マッケンローの生い立ちや心情はそれほど丁寧に掘り下げられていないが、審判に暴言を吐くなどの悪態(シャイア・ラブーフの芝居がとても自然!)の裏には、勝利することで厳しい父親に認められたいとの思いがあったことが分かり、悪童がいじらしく思えてくるのだ。

 決勝シーンは引きのショットが多めの淡々としたタッチで再現されるが、試合展開そのものがエキサイティングで、ぐいぐい引き込まれる。特に、攻防が延々と続く第4セットのタイブレークの場面からは、勝利まであと一歩に迫ったボルグと、ゲームを振り出しに戻したいマッケンローの静かな熱気と緊張感がひしひしと伝わってくる。

detail_190611_photo02.jpg『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』
©AB Svensk Filmindustri 2017

 実際は22分にも及んだ壮絶なタイブレークを含め、試合の全容は、『伝説のウィンブルドンテニス ボルグvsマッケンロー』(6月24日放送)で観ることができる。映画で表現された以上に無表情(!)のボルグと、焦りや安堵が顔や仕草には出るものの、意外にも最後まで紳士的だったマッケンロー。2人のドラマを映画で知ったうえで観ると、彼らの精神状態にまで思いを巡らせながら楽しむことができるだろう。

detail_190611_photo03.jpg『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』
©AB Svensk Filmindustri 2017

 マッケンローは現在、解説者として人気を博していて、穏やかになったとはいえ口が悪いのは変わっていない。2017年、「セレナ・ウイリアムズが男子ツアーに参加したら世界ランクは700位くらい」と発言して物議を醸し、「それなら、男子と女子が試合をしてみればいい」と言ってのけた。彼の提案による対決は実現していないが、男女対決自体は実は過去に行われたことがある。『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』('17)で描かれる、現役女子テニスの全米王者ビリー・ジーン・キング(エマ・ストーン)と、55歳の男子の元王者ボビー・リッグス(スティーヴ・カレル)が対戦した1973年のエキシビション・マッチだ。

detail_190611_photo04.jpg「伝説のウィンブルドンテニス ボルグvsマッケンロー」6/24(水) 午後0:20他
Getty Images

 この作品も、試合までの経緯が興味深い。男女同権運動が全米各地で起こっていた70年代、既にテニス界で活躍していたビリー・ジーンは、女子の大会優勝賞金を男子の8分の1とする全米テニス協会に反発し、女子テニス協会を設立する。その話題性に便乗してもう一度脚光を浴びようとするリッグスから対戦のオファーが舞い込むのだ。

detail_190611_photo05.jpg『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』6/30(日) よる9:00他
© 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

 本作は社会派ドラマの側面があり、トーナメントの途中で同性愛に目覚めたビリー・ジーンのロマンスもある。献身的な夫や、"男性優位主義のブタ"を自称するリッグスの立ち位置もユニークで、テニスではなく、男と女の関係について少し考えさせる作品になっている。

detail_190611_photo06.jpg『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』
© 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

 最後に、世間を騒がせたスポーツ界の出来事として、'94年のリレハンメル五輪選考会会場で起きたナンシー・ケリガン襲撃事件は外せない。『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』('17)は、その首謀者と疑われたライバルの女子フィギュアスケート選手トーニャ・ハーディングの半生を追った伝記映画である。

 4歳でスケートを始めたトーニャはすぐに才能を発揮するが、教養も愛情もない毒母に罵倒され、若くして結婚した夫からはDVを受け、暮らしは常に貧しく、不憫で見ていられない。それなのに、トーニャ役のマーゴット・ロビーが第4の壁を越えて観客に話しかけてくる奇をてらった語り口のおかげで、作品はなんとなくコミカルな味わいになっている。肝心の"彼女は事件に関与していたのか否か"だが、この映画はトーニャ本人や逮捕された元夫、実行犯などの食い違う証言に基づいて製作されたものであるせいか、真実はいまだ藪の中である。

detail_190611_photo07.jpg『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』6/13(木) よる7:45他
©2017 AI Film Entertainment LLC

 政治やビジネスの世界よりも実力がシビアに問われるスポーツの世界には、常人の想像を超える壮絶なドラマがあり、時にはとんでもないスキャンダルが巻き起こる。スポーツ中継を見ているだけでは知りようのない驚きや興奮を味わえるのはもちろんだが、たまには困惑させられるのも、実録スポーツ映画の面白いところかもしれない。

detail_190611_photo08.jpg『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』
©2017 AI Film Entertainment LLC

  • 文=橋真奈美
    情報誌の映画ページの編集を経てフリーライターに。雑誌、WEB等で作品紹介やインタビュー記事を執筆中。ドッキリ系ショック演出が苦手なのにスリラー好き。

[放送情報]

ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男
WOWOWシネマ 6/23(日) よる9:00
WOWOWプライム 6/27(木) よる8:00
WOWOWライブ 7/7(日) 午後4:50
WOWOWシネマ 7/18(木) 午後4:55


伝説のウィンブルドンテニス ボルグvsマッケンロー 1980男子シングルス決勝
WOWOWライブ 6/24(月) 午後0:20
WOWOWライブ 7/7(日) よる6:55


伝説のウィンブルドンテニス ボルグvsマッケンロー 1981男子シングルス決勝
WOWOWライブ 6/24(月) 午後4:50
WOWOWライブ 7/7(日) よる11:30


バトル・オブ・ザ・セクシーズ
WOWOWシネマ 6/30(日) よる9:00
WOWOWプライム 7/3(水) よる7:45
WOWOWシネマ 7/11(木) 午後2:55


アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル
WOWOWプライム 6/13(木) よる7:45
WOWOWシネマ 6/20(木) 午後3:00
WOWOWシネマ 7/10(水) 午前9:00
WOWOWプライム 7/31(水) 深夜3:15


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