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カテゴリ「その他」の記事

「ハドソン川の奇跡」 6/20(水)午後5:00

 クリント・イーストウッド。ハリウッドに長らく君臨した映画スターであり、御年88歳にして現役バリバリの映画監督。次々と新作を発表し続けているのも凄いが、次回作の『The Mule(原題)』では久々に主演も兼ねるというから、その活力に恐れ入るしかない。作曲家/ピアニストとして映画音楽も手掛け、80年代にはカリフォルニア州カーメル市の市長を務めたこともある。安っぽい言い方で恐縮だが、才能が人の形をして歩いているような"生きる伝説"である。

 しかし、だ。イーストウッドという映画人に抱くイメージは、世代によって大きく変わる。B級映画に出演していた下積み時代を経て、60年代には西部劇ドラマ『ローハイド』('59~'66)でお茶の間の人気者となり、やがてイタリアに渡って西部劇の異端とされたマカロニウエスタンを象徴する存在となる。70年代には無骨な刑事を演じた『ダーティハリー』シリーズ('71~'88)で大ブレイク。アクション・スターとして活躍する一方で監督業にも進出するが、本当に映画監督としての真価が認められたのは"最後の西部劇"と銘打たれ、第65回アカデミー賞で4部門を受賞した『許されざる者』('92)で、この時、彼はすでに62歳になっていた。

 イーストウッドのキャリアの異様さは、60代になってから活動のペースを上げ、ほぼ1年に1本、新作映画を世に送り出していること。おそらくハリウッドでこれほどの長きにわたって安定した活動を続けられている映画監督はイーストウッドとウディ・アレンくらいしかいない。しかもその間にジョン・キューザックが製作と主演を務めた『さよなら。いつかわかること』('07)に音楽を提供してもいる。まさにスーパー老人。"老後"という言葉がまったく通用しない。

 そんなフットワークの軽さ故に、イーストウッドの映画監督としての作風をひと言で言い表すのは至難の業。近年は『ハドソン川の奇跡』('16)のような実話をベースにしたノンフィクションを多く手掛けているが、『目撃』('97)は泥棒がたまたまアメリカ大統領の犯罪行為を目撃してしまうサスペンス・スリラーであり、『スペース カウボーイ』('00)は老いたパイロットたちが宇宙飛行士になる夢をつかむ胸アツのSF、『ガントレット』('77)は命を狙われた裁判の証人を命懸けで護送する刑事アクションである。

detail_180618_photo02.jpg© Warner Bros. Entertainment Inc.

 オールド・ファンにはどうしても"西部劇"と"刑事もの"のイメージが強いイーストウッドだが、世間のことなどどこ吹く風で、語りたい物語を作り続ける。その点では映画作家としての姿勢は一貫している。また長年のキャリアで培った、必要な描写をきっちりと積み重ねるシンプルな演出法は"映画の教科書"と呼ぶにふさわしく、わずかな人間しか達することのできない"名人"の境地にいるのである。

detail_180618_photo03.jpg© Warner Bros. Entertainment Inc.

 そんなイーストウッドのこだわりは、多彩なフィルモグラフィよりもむしろイーストウッドが演じ続けてきた役柄に見いだす方がたやすい。おそらくイーストウッドは、映画監督として俳優である自分の幅の狭さを誰よりも自覚しているのだろう。彼が演じるのは、頑固で偏屈で、古いものを愛する保守派のオヤジ。どの映画でも、本人のパブリック・イメージとほとんどそのままなのだ。

 社会のはみ出し者だが、自分の価値観と善悪の基準を信じ、自分の力で始末をつける。何度も繰り返し演じ続けている主人公像に、イーストウッドの強固な思想が見えてくる。それが明確に感じ取れるのが監督&主演した『アウトロー』('76)だ。

『アウトロー』はアメリカの建国200周年記念映画として企画された。ジャンルとしては西部劇だが、イーストウッドにとっての"アメリカ史"を描いた壮大な叙事詩でもある。イーストウッド演じる主人公はならず者の一団に家族を殺され、復讐の思いを胸に南北戦争の南軍に身を投じる。そして戦争が終わっても北軍に下ることを良しとせず、お尋ね者となって逃亡を続けるのだ。

detail_180618_photo04.jpg© Warner Bros. Entertainment Inc.

 ここにイーストウッドの根源的な反骨精神が現れている。誰かに頭を下げるくらいならば、社会の敵になることも、死も顧みない。正義や善悪の基準はあくまでも自分にあり、そのために闘うことをいとわないし、同じ魂を感じた誰かを守るためには死力を尽くす。そんな独立自立の精神をイーストウッドは尊んでいる。それは法の限界からはみ出す『ダーティハリー』シリーズのハリー・キャラハンも、『ミリオンダラー・ベイビー』('04)のボクシングの老トレーナーも変わらない。

 『アウトロー』の主人公ジョージー・ウェールズは、逃避行を続ける中で奇妙な疑似家族を形成していく。さまざまないきさつで旅の道連れが増えていくのだが、彼らはみんな社会からはじき出された者たち(中には犬まで!)だ。自分たちの生活と誇りのために命を懸ける、そんな仲間たちができて、ウェールズは初めて"孤独"から抜け出すことができる。言わば戦友のようなパーソナルな絆で結ばれた小さな共同体、それこそがイーストウッドが信じ、描き続ける"アメリカ"なのだと『アウトロー』は伝えているのではないだろうか。

文=村山章

[放送情報]

ハドソン川の奇跡
WOWOWシネマ 6/20(水)午後5:00

アウトロー(1976)
WOWOWシネマ 6/24(日)午後0:00ほか

目撃
WOWOWシネマ 6/24(日)午後4:30ほか

スペースカウボーイ
WOWOWシネマ 6/24(日)よる6:45ほか


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「心が叫びたがってるんだ。(2015)」 6/1(金)よる6:45ほか

"あの花"こと、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』のアニメ制作チーム、超平和バスターズが再結集し、オリジナル作品としては異例のロングランヒットを飛ばした劇場長編アニメーション『心が叫びたがってるんだ。』。幼い頃のトラウマから心を閉ざしてしまった少女、順と、彼女と共にミュージカル公演に出ることになる少年、拓実らクラスメイトの交流を描いた青春ドラマだ。同作はSexy Zoneの中島健人&芳根京子共演による実写版も製作され、セリフからロケ地、劇中楽曲に至るまで、リメイクの忠実さも話題になった。"ここさけ"両作の相違点を指摘すると同時に、製作者の意図を探り、その魅力に迫ってみたい。

 両作の最も大きな相違点といえるのが、アニメ版でヒロイン、順の声を"封印"する存在として登場する"玉子の妖精"だろう。さすがに実写版に登場することはないが、父親が幼少時の順に話す「おしゃべり過ぎると、玉子の神様に言葉を取られる」という、玉子の供物に関する地元神社の伝承が順が声を出せなくなる要因の一つになっている。また、アニメ版は想像力豊かな順目線、実写版は現実を直視する拓実目線で、物語が進められていることからも、実写版はリアルさを重視していると言える。

 このように製作チームは、アニメ版ではファンタジー感を、実写版では現実感―特に人間の感情を生々しく伝えることを重視しているのがよく分かる。順たちのクラス担任で、地域ふれあい交流会での出し物として彼らにミュージカルを提案する音楽教師"しまっちょ"こと城嶋の熱さや、ケガから甲子園の道を閉ざされた野球部の元エースのやさぐれ感も同様で、実写版の方が分かりやすく伝わるように表現されている。また、アニメ版では、拓実は元カノである菜月に告白する直前で順がその場から逃げ出すが、実写版ではちゃんと告白してからで、順がショックを受けたワケがスッと理解できるよう配慮がなされている。実写版のみ、ミュージカルの背景の書き割りが上演前に壊されるシーンが追加されているのも、キャラクターの感情の動きを観客にストレートに伝えようとする演出と言えるだろう。

detail_180525_photo02.jpg©2017 映画「心が叫びたがってるんだ。」製作委員会 ©超平和バスターズ

 このように、アニメ版と実写版それぞれだけでも楽しめるが、両方を観ることで気づく"ここさけ"お遊びポイントも紹介。自身の声について順が拓実に話すシーンの舞台は、アニメ版の大慈寺に対し、実写版では"あの花"の聖地として知られている旧秩父橋に変更されている(ちなみに、大慈寺は実写版ではお祭りのシーンで登場)。また、アニメ版では順の声を担当していた人気声優の水瀬いのりが、実写版では同じ揚羽高校の生徒役で出演している。アニメ版のファン心理もそのようにしっかりくすぐってくれているので、是非、両方観て"ここさけ"ワールドを存分に楽しんでほしい。

文=くれい響

[放送情報]

心が叫びたがってるんだ。(2015)
WOWOWシネマ 6/1(金)よる6:45ほか

心が叫びたがってるんだ。(2017)
WOWOWシネマ 6/1(金)よる9:00ほか

「モアナと伝説の海」4/21(土)午後5:45

 4月はWOWOWディズニー・スペシャルが放送されます。エマ・ワトソンが主演で実写化した『美女と野獣(2017)』をはじめ、新旧の名作が盛り沢山です!今回はそんなディズニー作品に隠された"お遊び"についてご紹介します。

 ディズニー作品を見ていて、画面の中に丸が三つつながった不思議なカタチを見つけたこと、あるでしょうか? 実はそれミッキーマウスのシルエットで、通称"隠れミッキー"。もとはアニメーターの遊び心から始まった、ディズニー作品特有のお遊びです。最近の作品は、お遊びがエスカレート。ミッキーマウスだけじゃなく、他のディズニー作品のキャラクターが隠されていることも多くなっています。

 名作映画などにささげるオマージュや通好みのパロディとは違って、隠れキャラクター探しなら特別な知識なしに誰でも参加できる。その上、見つけたときは最高にハッピーになれちゃう。すぐに分かるものから、じっくり見ないと分からない難しいものまで、ここではディズニー作品の隠れキャラクターをご紹介しましょう。

 まずは『モアナと伝説の海』から。モアナが船に乗り込むシーンでは『アナと雪の女王』の雪だるま、オラフが鼻のニンジンと手だけで友情出演。 モアナが半神マウイに出会うシーンには、しましま模様のかわいい魚が登場。これは『リトル・マーメイド』に出てきた熱帯魚フランダー。また、変身能力を持つマウイは『アナと雪の女王』のトナカイ、スヴェンに一瞬姿を変えます。海賊カカモラたちの中にひとりだけ、優しい顔のベイマックスが交じっているのも見逃さないで。おまけは『ズートピア』のナマケモノのフラッシュ。モアナたちが巨大ヤドカリのすみかに潜入する際、近づいてくる長い爪を持つモンスターがそれ。

detail_180326_photo02.jpg©Disney Enterprises,Inc.

 お次は『アナと雪の女王』。エルサの戴冠式の日、『塔の上のラプンツェル』のラプンツェルとユージーンが仲良く歩いている。彼女の横顔がちらりと映るのでよーく見てみて。オラフが「あこがれの夏(In Summer)」を歌うシーンでは彼の足もと左にあるタンポポがミッキーのシルエットに。オラフが耳になっているタンポポをちぎって種を飛ばすのはご愛嬌。アナがオーケンの山小屋にやって来るシーンでは棚の奥に隠れミッキーがいます。

 『プリンセスと魔法のキス』では、ヒロインのティアナが街に出掛ける冒頭シーンで『アラジン』のマジック・カーペットがさりげなーく干してあります。ブードゥー・クイーンことママ・オーディが登場するシーンには、同じく『アラジン』から魔法のランプの姿も。カーニバルのシーンでは『リトル・マーメイド』のトリトン王が、結構堂々と顔を出しています。

detail_180326_photo03.jpg©Disney

 『ファインディング・ニモ』はちょっと難しい。ニモがたどり着いた歯医者の一角に『トイ・ストーリー』のバズ・ライトイヤーが転がっています。また、部屋に貼ってあるポスターは『レミーのおいしいレストラン』。これはよーく見ないと分からない。そして待合室で子どもが読んでいる本は『Mr.インクレディブル』となっています。

detail_180326_photo04.jpg©Disney/Pixar.

 『アラジン』ではランプの魔人、ジーニーが大活躍。ピノキオに変身したりグーフィーの帽子をかぶっていたり。サルタン王のコレクションの中に『美女と野獣』のビーストを見つけられたら、隠れキャラ探しも達人級です。

 ディズニー作品には古くからこんなお遊びが隠されていました。懐かしい作品も、見直してみたらうれしい驚きに出会えるかもしれませんね。

文=山田紗也子

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WOWOWディズニー・スペシャル ようこそ『美女と野獣』の世界へ
完全実写版『美女と野獣』がこの春、いよいよあなたのもとへ。

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[放送情報]

『モアナと伝説の海』
WOWOWプライム 吹替版 4/21(土)午後5:45
WOWOWシネマ 字幕版 4/28(土)よる7:00

『プリンセスと魔法のキス』
WOWOWライブ 字幕版 4/30(月・休)午後0:30 ほか

『ファインディング・ニモ』
WOWOWシネマ 字幕版 4/21(土)午前7:30

『レミーのおいしいレストラン』
WOWOWシネマ 字幕版 4/14(土)午前9:30 

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4月20日(金)全国ロードショー
配給:ワーナー・ブラザース映画 「夜は短し歩けよ乙女」4/8(日)午前9:00 「ガルム・ウォーズ」3/24(土)よる10:00 「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」3/24(土)深夜2:00 「LOGAN/ローガン」3/17(土)よる10:00 「映画ドラえもん 新・のび太の大魔境〜ペコと5人の探検隊〜」4/30(月・休)午後2:00 「機動警察パトレイバー 劇場版」3/25(日)午前5:20 「美女と野獣(2017)」4/14(土)よる8:00
©Disney Enterprises,Inc. 「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」3/10(土)よる8:00
©2017 MARVEL 「映画ドラえもん のび太の海底鬼岩城」3/11(日)午後1:45
©藤子プロ・小学館・テレビ朝日 1983 「イニシエーション・ラブ」3/9(金)よる7:00
© 乾くるみ/「イニシエーション・ラブ」製作委員会 撮影=神保達也、ヘアメイク=鈴木麻水美、スタイリスト=大沼こずえ、衣装=ADORE 「幕が上がる」©2015平田オリザ・講談社/フジテレビジョン 東映 ROBOT 電通 講 談社 パルコ 写真:AP/アフロ 撮影=坪田彩 ©2016 Xenolinguistics, LLC. All Rights Reserved. 写真:ロイター/アフロ
「生中継!第90回アカデミー賞授賞式」3/5(月)午前8:30~(同時通訳)3/5(月)よる9:00~(字幕版) 撮影=中川容邦 「バレンタインデー(2010)」2/14(水)よる6:45
© Warner Bros. Entertainment Inc. ©Disney Enterprises, Inc. 「チア☆ダン ~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~」©2017映画 「チア☆ダン」製作委員会 「セブン[吹替補完版]」2/10(土)午前11:25 「帝一の國」2/24(土)よる8:00
「帝一の國」©2017 フジテレビジョン 集英社 東宝 ©古屋兎丸/集英社

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