撮影=坪田彩
2月24日に公開される、中国の巨匠チェン・カイコー監督作『空海―KU-KAI― 美しき王妃の謎』。その中で染谷将太は、遣唐使として唐を訪れ、首都・長安を揺るがす謎に挑む僧侶・空海に扮した。
「まず役作りは頭を丸刈りにするところから始めました。毎朝、支度部屋で朝食の肉まんをいただきつつ3人がかりで刈ってもらうのが日課でしたね。カイコー監督からはユーモアがあり、親しみやすい空海像を求められました。演技としては、モニター前で映像を止めたりコマ送りしたりしながら『振り返るタイミングをあと3コマ遅くしてほしい』とか細かく要求されて。画的にも演技的にも完璧じゃないとOKが出ないので、毎回10テイク以上は当たり前でした。セットも6年もかけて東京ドーム約8個分の広さに建てられていたから、自然とエイジングもされているし、フェイクだと感じるものが一切なかった。こんな中で撮影できるなんて後にも先にももうないでしょうし、700人近いスタッフを動かすカイコー監督のカリスマ性には圧倒されましたね。楽しい現場でした」
映画界の第一線で活躍する染谷。彼が映画好きになったキッカケはジャッキー・チェン映画と『007』シリーズだという。
「『ラッシュアワー』を見てジャッキーに興味を持ちましたが、父親から『ジャッキーを語るならこれを見ろ』と『酔拳』『蛇拳』などを見せられて。その後『プロジェクトA』なども見てハマりました。『007』シリーズは『ゴールデンアイ』で面白いと思ったら、やはり父からショーン・コネリー版を見せられて大好きに。以来、欠かさず見ています」
もう一つ、シリーズもので見続けているのが『スター・ウォーズ』サーガだ。
「『スター・ウォーズ』シリーズは相当に好きで、許されるなら初日に駆けつけたいほどのファン。だからこの間、スーパーボウルの放送時に流された新作『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』の予告映像も、パソコンでチェックしました。今後10年にわたる計画があるとも発表されましたし、どうなっていくのか楽しみです」
ちなみにシリーズものは自分の世代の作品から見ることをオススメするそう。
「『スター・ウォーズ』ならエピソード7から入って、後から掘り下げたほうが面白いと思いますね。あとWOWOWだと監督特集とか役者の特集がありますが、そういうのを見たりすると、監督特集なら年代によって作品の変化を感じられて面白いし、役者特集だとこんな作品にも出ていたのかと楽しくなるはず。
最初はアクション映画から入った僕ですが、今はなんでも見ます。WOWOWで放送を予定されている映画でも見ようと思っている作品がいっぱいありますよ。リブート版の『ゴーストバスターズ(2016)』は前作をちゃんと引き継いでブレていないのが素晴らしかったですし、『スウィングガールズ』もステキな矢口史靖ワールドを堪能できるから鉄板。あ、『LOGAN/ローガン』も放送されるんですね。周囲の人が面白いと騒いでいたのですが、劇場では見損ねたので絶対見ます。後は、僕の出演作『ストレイヤーズ・クロニクル』『聖の青春』は、みなさんぜひ見てください(笑)。
そういえば僕はDVD世代なんですが、アクション映画には大抵メイキングの特典映像が付いていて、それを見て映画の現場に興味を惹かれ、この世界に入ろうと思ったんです。いつかジャッキー・チェンと共演したくて、今回中国ではジャッキーの関係者もいたので、めいっぱいアピールしました(笑)。夢が叶うとうれしいですね」
「ストレイヤーズ・クロニクル」©本多孝好/集英社 ©2015「ストレイヤーズ・クロニクル」製作委員会
取材・文=横森文
[放送情報]
『ゴーストバスターズ(2016)』
WOWOWシネマ 字幕版 3月8日(木)午前9:00 ほか
『ゴーストバスターズ(2016)』
WOWOWプライム 吹替版 4月1日(日)午前10:00
『スウィングガールズ』
WOWOWシネマ 3月5日(月)午後0:30
『LOGAN/ローガン』
WOWOWシネマ 字幕版 3月17日(土)よる10:00 ほか
『LOGAN/ローガン』
WOWOWプライム 吹替版 3月18日(日)深夜0:00 ほか
『ストレイヤーズ・クロニクル』
WOWOWシネマ 2月23日(金)午後0:00 ほか
『聖の青春』
WOWOWシネマ 3月9日(金)午後4:30
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