先日、映画館でオスカー有力作の『スリー・ビルボード』を見てきました。この番組でも全米公開時に紹介して気になっていた一本です。アカデミー賞にもたくさんノミネートされていますし、周囲で見た人たちも皆、口をそろえて絶賛していたので、かなり期待は高まっていたのですが、それ以上の素晴らしさでした。主演のフランシス・マクドーマンドはオスカーを受賞した『ファーゴ』が圧巻でしたけど、年を重ねてますます演技力に磨きがかかりました。今回は娘を残虐な形で殺された母親の強さを表現していて圧倒されました。それ以上に衝撃だったのが『ハンガー・ゲーム』シリーズで吹替えをしてきたウディ・ハレルソン。事件の捜査をする警察署の署長を演じているのですが、存在感がすごくていい俳優であることを再確認できました。さらに驚かせてくれたのがサム・ロックウェル。僕は『グリーンマイル』で演じた凶悪犯の印象が強いんですが、作品ごとに異なる演技をして、彼ならではの魅力を放っていました。アカデミー賞ではフランシス・マクドーマンドの主演女優賞ノミネートに加え、ウディ・ハレルソンとサム・ロックウェルがどちらも助演男優賞でノミネートされているのがさすがという感じですね。内容についてはこれからご覧になる方のためにあまり触れることはしませんが、三人の演技に注目してもらいたいです。きっと予想を裏切る、先の読めない展開に夢中になってしまうはずです。
こうなってくるともう一本の有力作『シェイプ・オブ・ウォーター』も早く見なければと考えています。他の候補も授賞式まであまり日がありませんが、可能な限り見ておいて、オスカーの発表日を迎えたいですね。
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