ドラえもんの特徴的なファッションは第2作『映画ドラえもん のび太の宇宙開拓史』（'81）での「ひらりマント」をはおったスーパーマン・スタイルから始まりました。ひょんなことから超空間でつながった遠い宇宙のコーヤコーヤ星。地球に比べて重力がはるかに小さいこの星では、ちょっと走れば超高速、軽く飛び上がれば何メートルもの大ジャンプと、のび太たちはスーパーマンのように大活躍することが可能に！ 悪徳なガルタイト鉱業に立ち向かうのび太とドラえもんの活躍が楽しめます。

ドラえもんはネコ型ロボットで、元々ネコのような耳がついていました。ところが昼寝の最中にネズミに耳をかじられてしまい、つんつるてんの頭になってしまった...という話は多くのドラえもんファンが知っていることでしょう。そんな耳つきドラえもんの活躍が楽しめるのが『映画ドラえもん のび太とアニマル惑星（プラネット）』（'90）です。不思議なピンク色のもやを抜けてドラえもんたちが訪れたのは文明を築いた動物たちが平和に暮らすアニマル惑星。進化した動物たちが住むこの惑星の謎を探るため、ドラえもんはひみつ道具「動物ごっこぼうし」のネコさんの耳をつけて行動するのですが、なぜかタヌキさんに間違われてばかり。ちなみにのび太はクマ、しずかちゃんはウサギ、スネ夫はキツネ、ジャイアンはゴリラに変身します。

『映画ドラえもん のび太のドラビアンナイト』（'91）では行方不明になったしずかちゃんを追って794年のバグダッドへ。ドラえもんは商人の姿に変装し、のび太はそのお供、ジャイアンとスネ夫は召使いとして、ドレイ商人に連れ去られてしまったしずかちゃんの後を必死に追いかけます。この時は時間旅行公社のガイドロボットを雇ったので、頭に巻いたスカーフ、お腹のジャンビーア、サンダルに至るまで、コーディネートも本格的です。当時のバグダッドは国際都市として機能する人種のるつぼ。ここならドラえもんも、ちょっと風変わりな外国人の一人にしか見えないだろうという理屈がなんともユーモラスです。

そして映画ドラえもん のび太の人魚大海戦』（'10）では海底にある人魚族の宮殿を訪れるために、なんと全員が人魚姿に変身！ いつもはタヌキに間違えられやすいドラえもんですが、海の中では別の生きものに勘違いされてしまいます。

『映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館（ミュージアム）』（'13）ではドラえもんの鈴が盗まれます。そこでのび太がひみつ道具「シャーロック・ホームズセット」で名探偵となり、事件解決に大奮闘！　一方、鈴をなくしたドラえもんはさまざまなアイテムを鈴の代わりに身に着けますが、それがどんなファッションになっているのか？　ぜひ『映画ドラえもん』の隠れた見どころ、ドラえもんのファッションに注目してみましょう！