2018/02/23 up

新たな旅の"幕が上がる"。ももいろクローバーZの"青春"はここにある!

「幕が上がる」©2015平田オリザ・講談社/フジテレビジョン 東映 ROBOT 電通 講 談社 パルコ

アイドルグループとして成長を続け、ついに結成10周年を迎える「ももいろクローバーZ」。彼女たちの目の前には昨年から続くジャパンツアー"青春"シーズン3のスタートが3月3日に迫っている――。

そんな彼女たちが、'14年の夏から秋にかけて、まさに"青春"を懸けて挑み、'15年に公開されたのが映画『幕が上がる』と、その舞台裏を追ったメイキング映画『幕が上がる、その前に。彼女たちのひと夏の挑戦』だ。

平田オリザの原作小説を、『踊る大捜査線』シリーズの本広克行監督、『桐島、部活やめるってよ』の喜安浩平の脚本、そしてももクロの主演で映画化した『幕が上がる』は、第39回日本アカデミー賞話題賞・俳優部門、第40回報知映画賞特別賞、第70回毎日映画コンクールTSUTAYA映画ファン賞・日本映画部門などを受賞し、映画ファンからも高い評価を得た。

『幕が上がる』は、間違いなくアイドル映画史に残る作品だが、同時に、有安杏果が卒業し、4人のももクロとしてリスタートする今だからこそ観るべき映画でもある。それは劇中の演劇部員たちとももクロがシンクロするからにほかならない。演劇部部長としてみんなを引っ張るさおり役をももクロのリーダー、百田夏菜子が演じたほか、ムードメーカーの"がるる"役を高城れに、部長に寄り添うユッコ役を玉井詩織、年下ながら圧の強い明美役を佐々木彩夏、転校生として途中から入部する中西役を有安と、キャラクターは原作小説となんら変わらないものの、まるでそれぞれのパーソナリティーに合わせたかのようにピッタリとハマっている。

さおりは中西に「(演劇を)始めた理由は大してない。でもやめる理由はもっとない。私は多分、ううん、絶対最後までやり通す」とつぶやくのだが、今となってみるとこのセリフは胸に迫るモノがある。そのうえで、さおりは「舞台の上でなら、どこまでも行ける」と言い放つ。グループとして新たな一歩を踏み出していく、ももクロの決意表明(3年も前の作品ではあるが)にも聞こえてくる。『幕が上がる』のBGMには、ももクロの楽曲が10曲ほどアレンジされて使われているので、それを見つけ出すのも一興だ。

さらに『幕が上がる、その前に。彼女たちのひと夏の挑戦』には、平田オリザのワークショップで演技を一から学び、撮影のクランクアップで涙ぐむメンバーたちの姿がある。ももクロは10年間、そんな風にずっと地道に歩んできた。ひたむきに努力を重ね、逃げ出したくなるような緊張感に襲われながら、本番で観客を魅了し、ホッとしながら感動の涙を流す。そんなももクロの歩みそのものが、このメイキング映画には詰まっているのだ。

6月まで続くツアー"青春"シーズン3の合間には、4月に"春の一大事"、5月に10周年記念ライブが待っている。モノノフなら、この2本の映画でももクロとは何かを今一度思い返し、新体制となったももクロのライブ会場で「ウリャ! オイ!」と踊り狂おうではないか!

detail_180223_photo02.jpg「幕が上がる、その前に。彼女たちのひと夏の挑戦」©2015平田オリザ・講談社/フジテ レビジョン 東映 ROBOT 電通 講談社 パルコ

文=小林佑馬

[放送情報]

『幕が上がる』
WOWOWシネマ 2/26(月)よる6:30 ほか

『幕が上がる、その前に。彼女たちのひと夏の挑戦』
WOWOWシネマ 2/26(月)午後4:45 ほか

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